Roll to Roll 乾燥工程技術とトラブル対策 ~塗膜乾燥の実務・設備をイメージ重視で解説~
★ 本書はRoll to Roll工程に関わる方々の課題遂行をサポートするための参考書
★ 「機能性フィルムにおける基礎・最新動向とスロット塗工技術」、「Roll to Roll塗工技術とスケールアップ」に続く第3弾!!
★ 機能性フィルムやLIB電池電極、ペロブスカイトPVなどの応用事例を含めた事例も紹介する
★ 化学系出身で塗工開発/フィルム製造の現場を見てきた浜本氏と、機械系出身で乾燥設備の設計・開発を行ってきた工藤氏から、それぞれの視点で乾燥工程を多角的に記載した、実務に役立てるための意欲的な一冊となっています!
執筆者
浜本 伸夫 AndanTEC(アンダンテック) 代表
工藤 裕二郎 株式会社 熱ラボ 代表取締役
目次
はじめに
AndanTEC 浜本 伸夫
第1部 Roll to Roll 工程における乾燥技術 基礎編
AndanTEC 浜本 伸夫
第1章 Roll to Roll 工程の概要
1-1 フィルム製品の歴史と分類
1-2 塗工液の濃度
1-3 量産におけるRoll to Roll工程
1-4 実験室で活用されるバッチ方式
1-5 生活で経験する乾燥
第2章 乾燥設備と溶媒の寄与
2-1 乾燥の3要素
2-2 種々の乾燥方式
2-3 乾燥風の供給方法 (並列と直列)
2-4 溶媒の寄与 (水と他の溶媒の比較)
2-5 膜面温度と乾燥速
2-6 空気線図
2-7 飽和蒸気圧の温度依存性
2-8 等エンタルピー線(断熱冷却線)
2-9 比熱
2-10 蒸発潜熱
2-11 ルイス数(物質と熱の拡散)
2-12 有機溶剤系のガス濃度:爆発下限界(Lower Explosive Limit)基準
第3章 定率期間と減率期間
3-1 限界含水率
3-2 膜内の溶媒分布
3-3 2成分系の減率乾燥
3-4 有機溶剤系の乾燥における湿度の影響
3-5 共沸混合物の乾燥
第4章 減率乾燥速度
4-1 仮想時間と乾燥係数
4-2 乾燥係数法
4-3 限界含水率の実測方法
第5章 乾燥計算
第6章 乾燥設備
6-1 品質・省エネ・投資を考慮した設計(予熱・加熱・絶乾・冷却)
6-2 揮発溶媒の処理(RTO)
6-3 揮発溶媒の処理(溶剤回収)
第7章 裏面伝熱による乾燥
7-1 裏面加熱の昇温助走時間
7-2 実験室のホットプレート乾燥
7-3 接触熱抵抗
7-4 ホットプレート乾燥の計算例
第8章 調湿(膜中の残留溶媒の調整)
8-1 平衡含水率
8-2 調湿時間の支配因子
第9章 乾燥起因の面状トラブルと対策
9-1 発泡トラブルと対策
9-2 白化現象の原因と対策
9-3 分散系の乾燥(偏析・沈降・凝集)
9-4 LIB電極乾燥時のバインダーと導電助剤の偏析
9-5 ベナールセル(ゆず肌)
9-6 ハジキ
9-7 レベリング
9-8 密度流
9-9 ゾーン間の干渉と圧力バランス
第10章 赤外線乾燥とレーザー乾燥
10-1 赤外線の種類と放射エネルギー (遠赤外・中赤外・近赤外)
10-2 熱風との比較
10-3 波長制御によるヒーター昇温の抑制策
10-4 レーザー乾燥
第11章 まとめとRoll to Roll 解析ツール
第2部 Roll to Roll 工程における乾燥技術 基礎と応用
株式会社熱ラボ 工藤裕二郎
第1章 乾燥の基本
1-1 身の回りの乾燥現象
1-2 Roll to Rollの乾燥
1-3 乾燥に影響を与える因子
1-3-1 外的要因
1-3-2 内的要因
1-4 乾燥における空気線図と潜熱
1-5 乾燥特性曲線と予熱・恒率乾燥・減率乾燥期間
1-5-1 乾燥特性曲線とは?
1-5-2 予熱期間
1-5-3 恒率乾燥期間
1-5-4 減率乾燥期間
1-6 減率乾燥
第2章 伝熱の基礎
2-1 伝熱の3形態
2-1-1 熱伝導
2-1-2 熱伝達
2-1-3 熱放射
2-2 熱伝導
2-3 熱伝達
2-4 熱放射
2-4-1 熱放射の基本原理
2-4-2 二物体間の放射伝熱
2-5 伝熱に関わる無次元数
第3章 乾燥設備
3-1 熱風乾燥
3-1-1 衝突噴流の基礎
3-1-2 ノズルの種類
3-1-2-1 ジェットノズル(二次元ノズル)
3-1-2-2 多孔板ノズル
3-1-2-3 フローターノズル
3-1-2-4 平行流ノズル
3-1-3 乾燥炉内搬送方式
3-1-3-1 ロールサポート方式(テンション搬送)
3-1-3-2 フローティング方式 (浮上搬送)
3-1-4 乾燥計算
3-1-4-1 入熱量の算出
3-1-4-2 出熱量の算出
3-1-5 各種設計パラメータの乾燥速度への影響
3-1-5-1 熱風速度の影響
3-1-5-2 ノズルピッチの影響
3-1-5-3 スリット幅の影響
3-1-5-4 ノズル高さの影響
3-1-6 熱伝達率を測定してみよう
3-1-6-1 定常法
3-1-6-2 非定常法
3-1-6-3 物質伝達法(ナフタリン昇華)
3-1-7 熱風の熱源設備5
3-1-7-1 蒸気ヒーター
3-1-7-2 熱媒油ヒーター
3-1-7-3 電気ヒーター
3-1-7-4 ガスバーナ
3-1-7-5 ヒートポンプ
3-2 電磁波を使った乾燥
3-2-1 赤外線乾燥
3-2-1-1 ハロゲンヒーター
(近赤外線:波長0.78~1.7μm(熱源温度範囲2000-3000℃))
3-2-1-2 カーボンヒーター
(中赤外線:波長1.7~3μm(熱源温度範囲900℃-1200℃))
3-2-1-3 セラミックヒーター
(遠赤外線:波長3~10μm(熱源温度範囲400-800℃))
3-2-1-4 赤外線の選択吸収性9
3-2-1-5 赤外線波長制御乾燥
3-2-2 誘電加熱
3-3 誘導加熱
第4章 乾燥設備の省エネルギー
4-1 乾燥排気の循環利用
4-2 乾燥排気の廃熱回収
4-3 乾燥炉からの吸込み/吹出し空気量の減少
4-4 揮発溶剤の熱利用
4-4-1 局所排気内VOCの熱利用
4-4-2 熱効率の良いVOC焼却設備の利用
4-4-3 排気内VOC濃度の上昇
4-5 水性溶剤の使用
第5章 乾燥に関するトラブルシューティング
5-1 乾燥ムラ
5-1-1 乾燥ムラの主な原因
5-1-2 乾燥温度不均一
5-1-3 熱風速度不均一
5-1-4 熱風の基材衝突後の戻り速度不均一
5-2 バタつき
5-3 しわ発生
5-4 バインダーマイグレーション
5-4-1 発生メカニズム
5-4-2 バインダーマイグレーションの影響
5-4-3 対策・防止法
おわりに
株式会社熱ラボ 工藤裕二郎