プロセスインフォマティクスを活用した材料製造プロセスの最適化とデータ解析高度化による研究開発およびものづくりの新展開
★2025年12月16日WEBでオンライン開講。東京大学 長藤氏、積水化学工業株式会社 新明氏、産業技術総合研究所 室賀氏、東京科学大学 安藤氏が、【プロセスインフォマティクスを活用した材料製造プロセスの最適化とデータ解析高度化による研究開発およびものづくりの新展開】について解説する講座です。
■注目ポイント
★化学プロセスデータに対する機械学習の適用方法および注意点をわかりやすく解説!
- 第1部 東京大学 大学院工学系研究科 機械工学専攻 / 教授 長藤 圭介 氏
- 第2部 積水化学工業株式会社 先進技術研究所 情報科学推進センター センター長 (兼) MI推進グループ グループ長 新明 健一 氏
- 第3部 産業技術総合研究所 ナノカーボンデバイス研究センター/主任研究員 室賀 駿 氏
- 第4部 東京科学大学 総合研究院 / 准教授 安藤 康伸 氏
【1名の場合】60,500円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。
定員:30名
※ お申し込み後、受講票と請求書のURLが自動で返信されます。基本的にはこちらで受付完了です。開催前日16:00までに再度最終のご連絡をいたしますので、しばらくお待ちください。請求書と受講票は郵送ではないため必ずダウンロードください。また、同時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ずご確認ください。
※ セミナー前日夕方16:00までにWEB会議のURL、事前配布資料のパスワードについては、別途メールでご案内いたします。基本的には、事前配布資料はマイページからのダウンロードの流れとなります。なお、事前配布資料については、講師側の作成完了次第のお知らせになりますので、この点、ご理解のほどお願い申し上げます。
※ 請求書の宛名の「株式会社」や「(株)」の「会社名の表記」は、お客様の入力通りになりますので、ご希望の表記で入力をお願いします。
※ お支払いは銀行振込、クレジット決済も可能です。銀行振込でお支払いの場合、開催月の翌月末までにお支払いください。お支払いの際は、社名の前に請求書番号をご入力ください。
※ 領収書のご要望があれば、お申込み時、領収書要にチェックを入れてください。
※ 2名以上でお申し込みをされた場合は、受講票と請求書を代表者様にご連絡します。
※ 当講座では、同一部署の申込者様からのご紹介があれば、何名でもお1人につき16,500円で追加申し込みいただけます (申込者様は正規料金、お2人目以降は16,500円となります)。追加の際は、申し込まれる方が追加の方を取りまとめいただくか、申込時期が異なる場合は紹介者様のお名前を備考欄にお書きくださいますようお願いいたします。
※ なお、ご参加手続きの際、自宅住所やフリーアドレス、個人携帯番号のみで登録された場合は、ご所属確認をさせいただくことがございます。
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【こちらの講座は、WEB上での開催のオンライン講座になります】
■本セミナーの主題および状況
プロセスインフォマティクスは、材料の化学反応や物理的変化を適切に制御し、理想的な材料特性を作りこむための技術です。
製造プロセスは、多くの要因が複雑に関係しあっているため、適切な制御が容易ではありません。従来の管理方法では課題の発生が避けられないことが多く、これを解決するためにインフォマティクス技術の活用が進められています。 データの前処理、可視化がプロセスインフォマティクスを有効に活用するための重要なポイントであり、製造プロセスの最適化の成否を左右します。
本講座では、様々なプロセスインフォマティクスの事例を紹介します。
燃料電池の粉体成膜プロセス、積水化学工業のプロセスの最適化の事例、スペクトルデータ解析の課題に注目した学習活用についてなどを解説します。
講座担当:苅谷樹弘
【第1講】 プロセスインフォマティクスを活用した機能性材料のプロセス最適化と粉体成膜技術の新展開
【時間】 09:00-10:00
【講師】東京大学 大学院工学系研究科 機械工学専攻 / 教授 長藤 圭介 氏
【講演主旨】
日本のものづくりをけん引する材料は、材料そのものの開発だけでなくそれを素材に加工したり、要素に作りこんだりするためのプロセスの開発も重要です。
たとえば、マテリアルズインフォマティクスで開発された新材料も、それを製品に実用化するためにはプロセスの最適化を避けられません。逆に、既存の材料でもプロセスでその機能を飛躍的に伸ばすこともできます。生産プロセスは、その種類やステップだけでも様々で、パラメータの組み合わせが膨大です。
世界的な研究開発のハイスループット化の波の中で、日本の強みとされてきた勘・コツ・経験を活かした仮説駆動型プロセス開発法に、データ駆動型開発法を取り入れた方法、すなわちプロセスインフォマティクスが今こそ必要です。
本講演では、燃料電池の粉体成膜プロセスを題材に、機能性材料のプロセスインフォマティクスの事例を紹介します。
【プログラム】
1. 背景:材料開発とプロセス開発
2. プロセスインフォマティクスとは
3. 仮説駆動型開発とデータ駆動型開発
4. 燃料電池触媒層の粉体プロセスの事例
5. 自動化・自律化のコツ
6. 今後の日本のプロセス開発のあり方
【質疑応答】
【キーワード】
プロセス探索,粉体成膜プロセス,燃料電池,ベイズ最適化,AIロボット駆動ものづくり
【講演のポイント】
日本のお家芸である材料プロセスの開発は、日本の勘・コツ・経験・すり合わせが得意な文化にマッチして、成長してきましたが、海外のスピードから抜けるには、日本流のAIロボットの活用方法が必須です。
【習得できる知識】
材料プロセスの探索研究の歴史と現状,生産プロセス開発の考え方
【第2講】 素材開発における反応プロセスのインフォマティクス活用と実験自動化の実践
【時間】 10:15-11:30
【講師】積水化学工業株式会社 先進技術研究所 情報科学推進センター センター長 (兼) MI推進グループ グループ長 新明 健一 氏
【講演主旨】
材料開発における製造プロセスの最適化は、高品質な製品を効率的に生み出すために不可欠である。特に反応プロセスは多数の因子が複雑に絡み合い、従来のアプローチでは課題解決に限界があった。これを解決するインフォマティクス技術の活用が進められている。
本講演では、当社が実際に取り組んだ製造プロセスの最適化に関する事例を紹介し、課題解決の成否を左右した「データの前処理」と「可視化」、そして「品質制御のための機械学習手法」に焦点を当てる。実際の事例に沿って、データハンドリングやプロセスを制御するための特徴量設計といった実践的ノウハウを解説する。さらに、実験自動化による自律的な開発サイクルの未来像や当社の取り組みについても紹介する。
【プログラム】
1.はじめに
・当社R&Dの目指す姿
・素材・材料開発へのインフォマティクス活用とその期待
2.反応制御におけるインフォマティクス活用
・材料開発における反応プロセス制御の重要性
・反応プロセス制御の課題とインフォマティクス活用
3.事例から見る反応プロセスへのインフォマティクス活用
・テーマ概要 複数の反応プロセスからなる原料の品質設計
・データ可視化の重要性
・データ解析は反応プロセスのどこまで考慮するか
・反応プロセスを制御するための特徴量側の工夫
・おまけ 成果を創出するためのインフォマティクス活用体制の仕組み化
4.実験自動化の現状と期待
・実験自動化に関する世の中の動向
・実験自動化に関する当社の取り組み紹介
まとめ
【質疑応答】
【キーワード】
インフォマティクス、プロセスインフォマティクス、機械学習
【講演のポイント】
製造現場で発生した課題に対して、プロセスインフォマティクス(PI)を活用し、その解決に繋げた実際の事例を通じて、PIを有効に活用するための考え方、準備、実践的な解析の手法について解説します。
【習得できる知識】
・素材開発におけるプロセスインフォマティクス活用における必要な考え方
・製造プロセスデータ解析における、実践的なアプローチと進め方
・品質予測精度を高めるための「特徴量設計」の考え方と実践のコツ
・実験自動化の取り組みに必要な考え方と取り組みの事例
【第3講】 マルチモーダルAI・自律自動実験によるプロセスインフォマティクスと研究開発高度化
【時間】 11:45-13:00
【講師】産業技術総合研究所 ナノカーボンデバイス研究センター/主任研究員 室賀 駿 氏
【講演主旨】
研究開発の高速化、膨大な候補の中から人では見逃していた予想外の発見を促すことを目的にデータサイエンスを活用したマテリアルズ・インフォマティクスやプロセス・インフォマティクスが発展している。本講演ではこうした技術について紹介し、新たなデータ社会の中でのものづくりについて議論する。
【プログラム】
1. 材料化学分野におけるデータ活用のこれまで
1.1 手法の歴史的背景
1.2 データ活用の近年の動き
2. 異なるデータを束ねるマルチモーダルAI
2.1 複雑な材料へのAI適用の難しさ
2.2 深層学習を用いた材料特性予測
3. 人の手を介さず意思決定を行うAI自律自動実験
3.1 実験の自動化と自律化の違い
3.2 実験の自律化駆動に向けて
4. これからのAIの活用
【質疑応答】
【キーワード】
深層学習/ディープラーニング、生成AI、マルチモーダルAI、自律実験、実験自動化、マテリアルズ・インフォマティクス、プロセス・インフォマティクス
【講演のポイント】
材料、プロセス、計測データなどの多様な対象に対するインフォマティクスの経験を有し、データサイエンスだけでなく対象の知識をもとにした目的に合わせた手法の使い分けやデザインなどに強みがあります。
・材料分野におけるAI活用のトレンド
・AIを用いた材料やプロセス条件探索の効率化の実践事例
【第4講】 化学プロセススペクトルデータ解析における機械学習の基礎と応用
【時間】 14:00-15:15
【講師】東京科学大学 総合研究院 / 准教授 安藤 康伸 氏
【講演主旨】
データ科学によって化学プロセスデータの利活用を促進し、研究・開発を加速することを目指すプロセス・インフォマティクスやケモインフィマティクスが高い注目を集めています。特に、反応プロセス環境や物質・材料の状態をモニターするためには欠かすことができないスペクトル解析に目を向けると、スペクトルデータを大量に取得できる装置環境が整ってきているとはいえ、複雑な形状をとるものや、フィッティングにかかる手間などから網羅的に解析・情報抽出を実施することが困難になってきています。本講演は、このようなスペクトルデータ解析の課題に注目をし、取得したスペクトルデータからの情報抽出のための機械学習活用について、「分類」「低次元化」「回帰」「ピーク検知」といった視点から、機械学習の数理的な側面も交えながら基礎的な内容を紹介します。
【プログラム】
1.化学プロセスデータに対する学習の基礎
1)機械学習の基礎
2)機械学習応用の流れと課題設定の重要性
3)代表的な機械学習応用事例の紹介
4)化学プロセスデータの特徴と注意点
5)情報科学市民権
6)材料科学の立場として忘れてはいけないこと
2.スペクトルデータの低次元化とクラスター解析
1)高次元データとしてのスペクトルと低次元化の重要性
2)分類:教師あり学習と教師なし学習
3)特徴空間と類似度
4)特徴空間の解釈性と表現性
5)主成分解析によるスペクトルの低次元化
6)k-means法によるスペクトルの分類
7)階層的クラスタリングによるスペクトルの分類
3.予測(回帰):予測モデルとモデル選択
1)予測・モデル選択の応用例
2)モデル推定の種類(最尤法, MAP推定, ベイズ推定)
3)確率論的にみた回帰と正則化
4)非線形モデリングの困難
a)マルコフ連鎖モンテカルロ法によるパラメータ最適化
b)情報量基準によるモデル選択
c)解析事例
4.スペクトル解析のためのEMアルゴリズムによるピーク検知
1)ピーク検知のための処理フロー
2)非線形最小二乗法の困難
3)回帰と分布推定の違い
4)ガウス分布の最尤推定
5)EMアルゴリズムによる最尤推定
6)スペクトル解析のための改良EMアルゴリズム
7)解析事例
【質疑応答】
【キーワード】
マテリアルズ・インフォマティクス, 化学プロセス, スペクトル解析, 低次元化
【講演のポイント】
化学プロセスデータに対して機械学習をどのように適用したら良いか、また応用する際にどういった点に気をつければ良いか、という点をわかりやすく解説いたします。機械学習に関する事前知識がなくても問題ありません。
【習得できる知識】
・化学プロセスデータの特徴に関する基礎知識
・機械学習によるスペクトルの分類と低次元化に関する基礎と事例
・機械学習による予測モデル作成に関する基礎と事例
・機械学習によるスペクトルの自動解析技術に関する基礎