セルロースナノファイバー製造・利用の最新動向

★優れた性質を持つ生物由来材料「セルロースナノファイバー」の最新動向!
★製造・評価法と利用・応用展開の2編に分け、第一線の研究者が徹底解説!
★期待を集める新しいナノ繊維材料を知るための、関係者必携の一冊!

番号
CT1104
監修
大阪大学 宇山浩
出版社
株式会社シーエムシー出版
発行年月
2019/01/31
体裁
B5判, 217ページ
フォーマット
紙版
定価
92,400 円(本体84,000円+消費税、送料込)
冊数:

執筆者

宇山浩   大阪大学 
後居洋介  第一工業製薬㈱ 
野口裕一  王子ホールディングス㈱ 
田嶋宏邦  レンゴー㈱ 
森川豊   あいち産業科学技術総合センター 
伊藤雅子  あいち産業科学技術総合センター 
芝上基成  (国研)産業技術総合研究所 
林雅弘   宮崎大学 
田島健次  北海道大学 
小瀬亮太  東京農工大学 
石田竜弘  徳島大学 
松島得雄  草野作工㈱ 
荒木潤   信州大学 
近藤哲男  九州大学 
秀野晃大  愛媛大学 
野口徹   信州大学 
仙波健   (地独)京都市産業技術研究所 
藤井透   AMSEL;同志社大学 
大窪和也  同志社大学 
小武内清隆  同志社大学 
遠藤貴士  (国研)産業技術総合研究所 
長谷朝博  兵庫県立工業技術センター 
臼杵有光  京都大学 
小尾直紀  京都大学 
鈴木滋彦  静岡大学 
小島陽一  静岡大学 
寺本好邦  岐阜大学 
矢吹彰広  広島大学 

目次

【第1編 製造と評価】
第1章 TEMPO酸化セルロースナノファイバーの開発と応用展開
1 はじめに
2 セルロースの新たな利用方法,セルロースナノファイバー
2.1 CNFの調製方法
2.2 TEMPO酸化によるCNF の調製
3 増粘剤としてのTEMPO酸化CNFの特徴
3.1 ネットワーク構造の形成
3.1.1 高い増粘性
3.1.2 乳化安定性
3.1.3 分散安定性
3.2 ネットワーク構造のせん断による破壊と再構築
3.2.1 スプレー可能でタレないゲル
3.3 皮膜形成能
3.3.1 微粒子の乾燥時の凝集抑制
3.3.2 ゲル状皮膜の形成
4 開発状況と応用事例
4.1 水性ゲルインクボールペンのインクとしての実用化
5 おわりに 

第2章 リン酸エステル化法を用いたセルロースナノファイバーの製造とその特性
1 はじめに
2 CNF製造技術
3 リン酸化CNFの発見とその特長
3.1 微細化エネルギーの低減
3.2 環境調和型の原材料利用
3.3 シンプルな製造プロセス
3.4 セルロースへのダメージを抑制
3.5 リン酸基の官能基としての特徴
4 リン酸化CNFの物性と用途
4.1 CNFスラリー(CNF水分散液)
4.2 透明CNFシート
4.3 CNFパウダー
4.4 その他複合体
5 おわりに

第3章 ザンテート化セルロースナノファイバーの開発
1 はじめに
2 セロファン
3 セロファン製造技術を応用した新しいCNF
3.1 XCNFの調製
3.2 RCNFの調製
3.3 粘度特性
3.4 RCNFの沈降安定性
3.5 分散安定性・乳化安定性
3.6 熱安定性
4 おわりに

第4章 高圧ジェットミル処理技術の開発と応用
1 はじめに
2 セルロースナノ加工品の分類と機械加工
3 高圧ジェットミルによるセルロースナノファイバー加工と特徴
3.1 高圧ジェットミル
3.2 高圧ジェットミルによるセルロースナノファイバー加工
3.3 セルロースナノファイバーの粘度特性および分散安定性の向上について
4 セルロースナノファイバー透明膜および複合膜への応用
4.1 セルロースナノファイバー透明膜
4.2 透明複合膜
5 セルロースナノファイバーの表面処理およびフィルタへの応用
5.1 表面処理(撥水化)
5.2 表面処理(表面電位変化)セルロースナノファイバーを用いた花粉除去フィルタ
6 結び

第5章 ミドリムシナノファイバー
1 はじめに
2 素材としてのパラミロン
3 ナノファイバーの開発
3.1 ミドリムシナノファイバー
3.2 化学修飾ミドリムシナノファイバー
3.2.1 パラミロンサクシネートナノファイバー
3.2.2 カルボキシメチルパラミロンナノファイバー
3.2.3 パラミロンアシレートサクシネートナノファイバー
3.2.4 カチオン化パラミロンナノファイバー
4 おわりに

第6章 発酵ナノセルロースの大量生産とその応用
1 はじめに
2 バクテリアセルロース(BC)
3 酢酸菌におけるセルロース合成
4 発酵ナノセルロース(NFBC)の創製
5 発酵ナノセルロース(NFBC)の大量生産
6 NFBCにおける医療応用の試み
7 まとめ

第7章 セルロースナノクリスタル
1 はじめに
2 CNC/ChNCとは
3 コロイド分散系のメカニズム
4 CNCおよびChNCの荷電基導入・制御による静電安定化
5 CNCおよびChNCの立体安定化
6 CNC/ChNCの材料応用
7 新規なCNC乾燥粉末の製造
8 おわりに

第8章 ナタデココナノファイバー
1 はじめに
2 マイクロビアルセルロース(=微生物セルロース)の生合成
2.1 セルロース合成酵素複合体
2.2 TCの集合状態とバクテリアセルロースナノファイバー(=ナタデココナノファイバー)の形状
3 ナタデココナノファイバー中の結晶構造
4 セルロースナノファイバーネットワーク体(ペリクル=ナタデココ)の機能発現
4.1 医療材料
4.2 酢酸菌をナノビルダーとして用いたナタデココナノファイバーの配向制御とパターン化セルロース三次元構造体の構築への展開
5 水中カウンターコリジョン(ACC)法によるシングルナタデココナノファイバーの創製
6 おわりに

第9章 ナノセルロースの分析・評価法
1 はじめに
2 ナノセルロースの分類
3 分析項目と測定法
4 個別事例
4.1 分光法によるナノセルロースの計測
4.2 ナノセルロースの形態
4.3 ナノセルロースの結晶性
4.4 ナノセルロースの組成分析
4.5 ナノセルロースの熱分析
4.6 受託分析
5 最後に

【第2編 利用と応用展開】
第1章 複合材料
1 セルロースナノファイバーの複合化技術
1.1 はじめに
1.2 ナノフィラーの働き
1.3 TEMPO酸化ナノセルロースの登場
1.4 弾性混練法によるTOCNゴム複合材料の開発
1.4.1 二段階弾性混練法によるTOCNゴム複合材料の調整
1.4.2 二段階弾性混練法によるTOCNゴム複合材料の特性
1.4.3 TOCNゴム複合材料の物性バランスと大きな特長
1.4.4 TOCNセルレーションの一考察
1.5 CWSolid法によるTOCN複合材料作製
1.5.1 CWSolidの考え方
1.5.2 CWSolid法によるゴム系複合材料の調整
1.5.3 CWSolid法による樹脂系複合材料の調整
1.6 おわりに
2 セルロースナノファイバー強化プラスチック―セルロースの変性と複合化技術―
2.1 セルロース強化プラスチック複合材料―ウッドプラスチックからCNFコンポジットへ―
2.2 熱劣化抑制のためのCNF化学変性
2.3 プラスチックとの相容性の向上
2.4 プラスチックとの複合化技術
2.5 パルプ直接混練法により作製した変性CNF強化プラスチックの特性
2.6 まとめ
3 Cellulose Nano Fiber(CNF)の活用
3.1 CNFとは
3.2 CNFブーム
3.2.1 CNFの製造と形態
3.2.2 全く新しい素材?
3.3 改質材としてのCNF
3.3.1 山椒は小粒でピリリと辛い
3.3.2 エポキシ母材のCNF(物理的)変性によるCFRPの疲労寿命の向上
3.3.3 エポキシ母材のCNF(物理的)変性により,なぜCFRPの疲労寿命が向上するのか?
3.3.4 CNFの適量添加により,エポキシ樹脂とカーボン繊維界面の接着強度が増す?
3.4 CNFの活用
4 木質からのリグノセルロースナノファイバーの直接的製造と樹脂複合化技術
4.1 はじめに
4.2 ナノファイバー製造装置
4.3 ナノファイバー製造メカニズム
4.4 木質からの直接的ナノファイバー製造
4.5 リグノセルロースナノファイバーの製造効率化
4.6 ナノファイバーの樹脂複合化技術
4.7 おわりに
5 セルロースナノファイバー強化ゴム材料の開発
5.1 はじめに
5.2 CNFの作製方法と特徴
5.3 CNF強化ゴム材料
5.3.1 CNFとゴムとの混練技術に関する動向
5.3.2 CNF強化ゴム材料の作製
5.3.3 CNF強化ゴム材料の引張物性
5.4 CNF強化スポンジゴム材料
5.4.1 CNF強化スポンジゴム材料の作製及び評価方法
5.4.2 CNF強化スポンジゴム材料の寸法安定性
5.4.3 CNF強化スポンジゴム材料の内部構造
5.5 CNF強化ゴムブレンド材料
5.6 おわりに

第2章 その他の利用と応用展開
1 セルロースナノファイバーの用途展開の動向―環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクトについて―
1.1 はじめに
1.2 NCVプロジェクトの構成(2017年度,2018年度成果を中心にして)
1.2.1 全体構成
1.2.2 各グループの役割分担
1.3 CNFに期待すること
1.4 今後の展望
2 セルロースナノファイバーを利用した木質材料の開発
2.1 はじめに
2.2 木質ボード類におけるCNFの利用技術開発
2.2.1 木質ボードとは
2.2.2 木粉ボードへのCNF添加による補強効果の実証
2.2.3 ファイバーボードへのCNF添加による補強効果の実証
2.2.4 その他の木質ボード類へのCNF添加による補強効果の実証
2.3 混練型木材プラスチック複合材料におけるCNFの利用技術開発
2.3.1 混練型WPCとは
2.4 総括
3 セルロースナノファイバーの炭化による新規炭素材料の調製と特性解析
3.1 はじめに
3.2 ナノセルロースを炭素源とする機能性炭素材料
3.3 おわりに
4 セルロースナノファイバーをベースとした高伸縮・温度応答ハイドロゲル
4.1 はじめに
4.2 セルロース系高分子材料の分子レベルでの構造設計と機能化
4.3 CNFからの高伸縮材料
4.3.1 シランカップリングによる修飾CNF
4.3.2 無水マレイン酸修飾CNF:重合能・良分散性の両立と複合ゲルの物性制御
4.4 おわりに
5 CNFを用いた自己修復性防食コーティング
5.1 はじめに
5.2 金属の腐食と防食コーティング
5.3 自己修復性防食コーティングの構造
5.4 コーティングの評価方法
5.5 自己修復性防食コーティングの開発
5.5.1 セルロースナノファイバーを用いた自己修復性防食コーティング
5.5.2 セルロースナノファイバーを用いた自己修復性防食コーティングにおける各種腐食抑制剤の影響
5.5.3 セルロースナノファイバーを用いた自己修復性防食コーティングにおけるコーティング内pHの影響
5.6 まとめ