AT20190303:次世代半導体ウェハにおける各種ダイシング技術の開発・低ダメージ化・テープへの要求~デバイス・パッケージ技術への応用、レーザーによる内部加工、高性能化、環境対応~
★近年の電子デバイス、パッケージ技術動向に対してのダイシング技術の対応とは?
★ダイシングテープに要求される性能と、開発動向としての高性能化や環境対応について紹介!
※本セミナーは、2019年3月28日に実施したセミナー資料です。
執筆者
第1部 (株)ISTL 代表取締役社長 博士(工学) 磯部 晶 氏
第2部 (公財)レーザー技術総合研究所 レーザープロセス研究チーム 主席研究員 藤田 雅之 氏
第3部 リンテック(株) 製品研究部 電子材料研究室 高麗 洋佑 氏
目次
第1部 ダイシングの基礎と最新のデバイス/パッケージ構造
講師: (株)ISTL 代表取締役社長 博士(工学) 磯部 晶 氏
【講演主旨】
ブレードダイシング法は長らくデバイス個片化の方法として用いられてきましたが、デバイスの進化、多様化に伴い、様々な手法が開発・実用化されています。本講演では、ブレードダイシング法を中心にダイシング技術の基礎と、それらの長所短所について解説し、近年の電子デバイス、パッケージ技術動向に対してダイシング技術がどのように対応しているかを概観します。
【プログラム】
1.ダイシング技術の基礎
1-1 ダイシング方法の種類と特徴
1-2 ブレードダイシングの基本要素
1-2-1 ダイシング装置の構成と動作
1-2-2 ダイシングブレードの構成
1-2-3 切削水添加剤の効果
2.電子デバイスの種類と特徴
2-1 LSIの種類と特徴~ロジックでバイスとメモリデバイス
2-1-1 デバイス構造の影響~Low-k膜の除去
2-1-2 薄化の影響~先ダイシング法
2-1-3 スクライブ線上の構造の影響
2-2 MEMSの種類と特徴
2-2-1 ウエットプロセスの影響
2-3 パワーデバイス、光デバイス用基板~サファイア、SiC、GaN
2-3-1 硬脆材料のダイシング
3.パッケージ技術の進化
3-1 従来技術~DIP、QFP、BGA等
3-2 シンギュレーションによるパッケージ~QFN
3-3 ウエハレベルパッケージ~WLCSP、FOWLP
4.まとめ
第2部 レーザーダイシングの開発と低ダメージ化・応用展開
講師: (公財)レーザー技術総合研究所 レーザープロセス研究チーム 主席研究員 藤田 雅之 氏
【講演主旨】
レーザーを用いてMEMSの代表的な構造であるシリコン/ガラス接合体の2層構造試料を3mm角のチップに割断した結果を報告する。光学特性が異なる2種類の材料が貼りあわされた試料を、なるべく安価なレーザーでダイシングすることを目標として基礎データを取得した。本研究で行ったレーザーダイシングは2つのプロセスで構成されている。初めに、試料に対して透過性のあるパルスレーザーをウェハ内部に集光しクラックを形成し、レーザーを走査させることにより内部クラックをつないでライン状にする。次に、外部ストレスを加え内部クラック層に沿って割断を行う。外部ストレスには、CO2レーザーによる熱応力、ブレードによる機械的応力の2種類を用いた。
【プログラム】
1.パルスレーザー加工の基礎
1-1 レーザー光の吸収メカニズム
1-2 レーザーダイシングへの要求と課題
2.ウェハの内部加工
2-1 シリコンウェハの内部加工
2-2 ガラスウェハの内部加工
2-3 多層ウェハの内部加工
2-4 チップへの分割
第3部 次世代半導体ダイシング用テープの開発
講師: リンテック(株) 製品研究部 電子材料研究室 高麗 洋佑 氏
【講演主旨】
近年、モバイル端末の高性能化や薄型化、軽量化に伴い機器内部に搭載されるICパッケージの高密度化が追及されている。そのため、パッケージ内部のチップは薄型化し、その安定生産を実現するための材料開発が重要となっている。本講演では近年のダイシングテープに要求される性能と、開発動向として高性能化や環境対応、またウェハ以外の特殊デバイスへの応用例について紹介する。
【プログラム】
1. ダイシングテープとは
1-1 ダイシング工程
1-2 ダイシングテープへの要求性能
2. 次世代用各種ダイシングテープ
2-1 ブレードダイシング用途
・薄ウェハ用(低ピックアップ)
・ガラス用
・パッケージ用
・セラミック用
・環境配慮型(PVC)
・硬質支持研削ウェハ用
2-2 レーザーダイシング用途
・フルカット
・ステルス