リチウムイオン二次電池用シリコン系負極材の開発動向

★ 現行の黒鉛負極の約10倍の理論容量を有し,次世代負極材料の最有力候補と目される「シリコン(Si)」!
★ 課題となる膨張収縮の制御や不可逆容量の低減に向けた,Siの構造制御・プレドープ・合金化技術などについて詳述!
★ Si負極用バインダー・集電体・電解液などのデバイス化技術についても解説!

番号
T1134
監修
監修: 境 哲男
出版社
株式会社シーエムシー出版
発行年月
2019/11/29
体裁
B5判, 251ページ
フォーマット
紙版
定価
69,300 円(本体63,000円+消費税、送料込)
冊数:

執筆者

境哲男  山形大学 / 産業技術総合研究所
春田正和  同志社大学
稲葉稔  同志社大学
松本健俊  大阪大学
閻紀旺  慶應義塾大学
江原祥隆  エルケム・ジャパン㈱
吉澤啓典  エルケム・ジャパン㈱
三好義洋  ㈱Nanomakers Japan
ヨハンアウダート  Nanomakers France SA
間宮幹人  産業技術総合研究所
秋本順二  産業技術総合研究所
太田遼至  東京大学
神原淳  東京大学
齋藤守弘  成蹊大学
小島健治  JSR㈱
山野晃裕  山形大学
杣直彦  ㈱ワイヤード
大澤善美  愛知工業大学
糸井弘行  愛知工業大学
千葉啓貴  日産自動車㈱ 
木村優太  大同特殊鋼㈱
南和希  大同特殊鋼㈱
森井浩一  大同特殊鋼㈱
中山剛成  宇部興産㈱
向井孝志  ATTACCATO合同会社
池内勇太  ATTACCATO合同会社
山下直人  ATTACCATO合同会社
坂本太地  ATTACCATO合同会社
木下智博  ㈱本田技術研究所
髙橋牧子  ㈱本田技術研究所
田名網潔  ㈱本田技術研究所
青柳真太郎  ㈱本田技術研究所
清水雅裕  信州大学
新井進  信州大学
海野裕人  日鉄ケミカル&マテリアル㈱
藤本直樹  日鉄ケミカル&マテリアル㈱
高橋武寛  日本製鉄㈱
後藤靖人  日本製鉄㈱
永田辰夫  日本製鉄㈱
道見康弘  鳥取大学
薄井洋行  鳥取大学
坂口裕樹  鳥取大学
太田鳴海  物質・材料研究機構
木村宏  ㈱住化分析センター マテリアル事業部
森脇博文  ㈱東レリサーチセンター
中本順子  ㈱KRI

目次

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【第 I 編 負極開発】
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第1章 鱗片状アモルファスSi粉末(Si LeafPowderⓇ)の負極特性
1 はじめに
2 鱗片状Si粉末の作製
3 鱗片状Si負極のサイクル特性
4 充放電サイクルによる鱗片状Si電極の形態変化
5 Siの酸化と充放電特性および電極形態変化への影響
6 まとめ

第2章 切粉由来シリコンナノ粒子の負極応用
1 はじめに
2 シリコン切粉
3 シリコン切粉電極
 3.1 シリコン切粉電極を用いたセルの作製
 3.2 シリコン切粉電極を用いたセルの特性
 3.3 充放電曲線の解析による反応メカニズムの解明
 3.4 炭素材料を用いたシリコン切粉電極の特性向上
4 おわりに

第3章 レーザ照射による廃シリコン粉末からのマイクロピラー形成とその負極特性
1 はじめに
2 廃Si粉末の形成
3 Siマイクロピラーの形成原理と大きさ制御
4 実験装置と方法
5 結果および考察
 5.1 塗布膜厚によるピラー大きさ制御
 5.2 負極の電気化学特性
 5.3 充放電による負極形態の変化
 5.4 充放電後の電極成分
 5.5 充放電後の負極形態における塗布膜厚の影響
6 おわりに

第4章 シリコン(Si)系負極材料の開発に向けたエルケムシルグレインの開発
1 はじめに
2 シリコン製造に関して
 2.1 冶金グレードのSi
 2.2 エルケム社でのシリコン製造方法(エルケムシルグレンⓇ)
 2.3 微粉末シリコンについて
3 負極材に向けたシリコン粉末の開発と電池特性
 3.1 負極材向けの開発について
 3.2 電池特性に関して
4 おわりに

第5章 ナノシリコンの合成と負極特性
1 序文
2 Nanomakersとレーザー熱分解法
3 なぜ電池にシリコンが使用されるようになるのか
4 なぜレーザー熱分解法でシリコンに炭素コーティングが行われるのか
5 結論と今後の展望

第6章 SiOナノ薄膜の形成と負極への応用
1 はじめに
2 蒸着膜の生成
3 導電助剤膜の積層
4 ハーフセルでの充放電特性
5 製品化への課題
6 おわりに

第7章 プラズマスプレーPVDによるSi系ナノ粒子の高次構造化
1 はじめに
2 電極材料製造法におけるPS-PVDの位置づけ
3 PS-PVDによるSiナノ粒子作製
 3.1 ナノ粒子作製および評価手順
 3.2 Si系ナノ粒子
 3.3 SiO系ナノ粒子
4 おわりに

第8章 Liプレドープ法によるSi負極の効果的アクティベーションと界面安定化
1 はじめに
2 Liプレドープ法
 2.1 炭素負極へのLiプレドープ
 2.2 Si負極へのLiプレドープ
3 LiプレドープがSi負極へ及ぼす効果
 3.1 LiプレドープSi負極の充放電特性
 3.2 LiプレドープによるSi負極・粒子の形態変化
 3.3 Liプレドープ反応の速度と深度
 3.4 LiプレドープによるSEI皮膜形成と界面安定化
 3.5 アクティベーションと界面安定化のメカニズム
4 おわりに

第9章 ロールtoロールLiプレドープ技術
1 プレドープについて
2 プレドープの効果
3 ロールtoロールLiプレドープ技術
 3.1 設備概要(装置構成)
 3.2 ロールtoロールLiプレドープ技術の主な特長
4 今後の展開

第10章 リチウムプリドーピングを容易にするシリコン電極穿孔技術
1 はじめに
2 シリコン系負極に適したレーザ連続穿孔技術
 2.1 穿孔技術開発
 2.2 従来のレーザ加工技術について
 2.3 独自の光学設計と新型スキャナ
3 レーザ穿孔電極を用いたリチウムプリドーピングプロセスと電池製造技術
 3.1 レーザ穿孔電極を用いた電池構成
 3.2 リチウムプリドーピングとプリドーピング進行度の確認
4 Si負極へのリチウムプリドーピングと電池特性
5 SiO負極へのリチウムプリドーピングと電池特性
6 おわりに

第11章 負極用炭素へのシリコン/熱分解炭素コーティング
1 CVD法による負極材料へのシリコン/熱分解炭素コーティング
2 難黒鉛化性炭素繊維/シリコン膜/熱分解炭素膜からなる複合負極材料の合成と評価
 2.1 試料の合成,特性評価と条件
 2.2 構造,電気化学的特性の解析
3 天然黒鉛粒子/シリコン膜/熱分解炭素膜からなる複合負極材料の合成と評価
 3.1 試料の合成,特性評価と条件
 3.2 構造,電気化学的特性の解析
4 シリコンナノ粒子/熱分解炭素膜からなる複合負極材料の合成と評価
 4.1 試料の合成,特性評価と条件
 4.2 構造,電気化学的特性の解析

第12章 高容量Si-Sn-Ti合金負極の研究開発
1 緒言
2 急冷凝固法によるSi相アモルファス化の検討
 2.1 実験方法
 2.2 Si合金のアモルファス形成能の計算方法
 2.3 Si-Sn-Ti合金組成違いでの耐久性評価結果および考察
3 急冷凝固法+MA法でのアモルファス化の検討
 3.1 実験方法
 3.2 急冷凝固での析出シミュレーション計算方法
 3.3 急冷条件違い品のMAでの耐久性向上結果,および,考察
4 高容量と高サイクル耐久性を両立できるSi合金
 4.1 実験方法
 4.2 急冷法とMA法の組み合わせで作製したSi65Sn5Ti30合金の評価結果
 4.3 合金微細組織・構造による高容量と高耐久性の両立の考察
5 まとめ

第13章 アトマイズ法により作製したLiイオン電池負極材用Si合金粉末の高特性化
1 はじめに
2 ガスアトマイズ法によるSi合金粉末の作製
 2.1 Siの合金化について
 2.2 ガスアトマイズ法によるSi合金粉末の作製
3 合金系と電極特性の関係
 3.1 合金系と構成相
 3.2 合金の電極特性評価結果
 3.3 複合化した相の物性とSi合金の電極特性への影響
4 複合化する相の割合の最適化
5 おわりに

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【第 II 編 デバイス応用】
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第1章 シリコン負極用ポリイミドバインダー(UPIA/ユピア)
1 ポリイミドとは
2 シリコン負極用バインダーに対する要求特性
3 脱有機溶剤ポリイミドバインダーへの期待
4 炭素・黒鉛/シリコン系負極の特性について
 4.1 電池特性評価(ハーフセル)
 4.2 電池特性評価(ラミネート型フルセル)
5 シリコン系負極の特性について
 5.1 電池特性評価(ハーフセル)
 5.2 電池特性評価(コイン型フルセル)
 5.3 電池特性評価(ラミネート型フルセル)

第2章 シリコン負極用無機ケイ酸系バインダー
1 はじめに
2 無機ケイ酸系バインダーの特徴
3 無機ケイ酸系バインダーをコートしたSi負極の熱処理温度
4 おわりに

第3章 シリコン負極用高比表面積銅系集電体
1 はじめに
2 電気めっき法によるカーボンナノチューブの基板表面への固定化
3 カーボンナノチューブ複合基板の電気化学的挙動
4 Cu/VGCF複合集電体のSi負極への適用
5 おわりに

第4章 高容量負極用鉄系金属箔集電体
1 緒言
2 LIBの構造と集電体
3 電解液中での耐食性と集電体の候補材料
4 Niめっき鋼板の諸特性
5 LIBの高エネルギー密度化に向けた取り組み
 5.1 高容量負極と集電体に求められる機械的特性
 5.2 鉄系金属箔の優れた機械的特性を活かした高容量負極の実現
 5.3 鉄系金属箔集電体の厚み
6 鉄系金属箔の電気的特性
7 LIBの安全性や信頼性向上に向けた取り組み
8 結言

第5章 電極-電解質界面の最適化
1 はじめに
2 実験方法
3 容量規制条件下におけるSi系電極のサイクル寿命
4 充放電サイクルにともなうSi系電極の厚さの推移
5 電極断面におけるSiとLiとの反応部位の分布
6 充放電試験前後におけるSi系電極の表面形状の変化
7 Li-Si合金相の相転移挙動
8 Li+拡散係数の違い
9 おわりに

第6章 固体電池へのシリコン負極の適用
1 はじめに
2 充放電時に体積変化を経験する負極活物質の課題
3 有機電解液に替えて無機固体電解質を用いることによる活物質・電解質界面の安定化
4 ナノ多孔構造導入による活物質材の微粉化回避
5 おわりに

第7章 Liイオン二次電池における合剤分散性評価およびin situ顕微鏡観察(Liイオン拡散,膨張収縮,デンドライト発生)
1 電極合剤の分散状態が信頼性に及ぼす影響
2 負極断面における合剤分散性の観察
3 in situ顕微鏡観察によるLIB内部の解析
 3. 1 電極断面のin situ顕微鏡観察
 3. 2 グラファイト負極における充放電の色変化観察
 3. 3 グラファイト負極の過充電によるLiデンドライト発生過程の観察
 3. 4 グラファイト/SiO系負極の充放電による厚み変化解析

第8章 サイクル試験による耐久試験後のSiO/炭素系負極のSEI被膜,負極合剤層の分布評価
1 はじめに
2 LIB負極の劣化分析
 2.1 試料前処理と測定手法
3 サイクル試験におけるSiO/炭素系負極の劣化分析事例
 3.1 分析に使用した試作セルの詳細
 3.2 SEI被膜の構造解析
 3.3 活物質粒子の劣化分析
4 おわりに

第9章 SEM,ECCS,AFMによる電極観察
1 はじめに
2 SEMによる観察
3 ECCSによる観察
4 AFMによる観察
5 さいごに