実践 エマルション安定化・評価技術 ~各種指標値に基づく科学的アプローチ~

★「乳化」の性能・機能に関わる指標値を駆使して、科学的な視点からの『乳化剤の使いこなし方』を詳解

番号
NTS0007
出版社
(株)エヌ・ティー・エス
発行年月
2020/07/27
体裁
B5判, 248ページ
フォーマット
紙版
定価
39,600 円(本体36,000円+消費税、送料込)
冊数:

執筆者

【執筆者】堀内 照夫(ほりうち てるお)

株式会社ミルボン 中央研究所 開発顧問/理学博士(東京都立大学)

【専門】
界面活性剤水溶液物性(ベシクル,高分子ベシクル,乳化等),
製剤科学技術(乳化製剤,洗剤,ヘアケア製剤,歯磨剤,洗口剤等),
水溶性高分子物性

【職務経験】
1971年,東京都立大学大学院理学研究科修士課程修了。
同年,ライオン株式会社に入社し,32 年間勤務。ファブリックケア研究所,
ビューティケア研究所,第2 応用研究所(基礎研究),オーラルケア研究所,
物質科学センター(基礎研究)において研究開発に従事(2003 年定年退社)。

2003~2007年,神奈川大学工学部化学教室にて「三相乳化法によるエマルション燃料」
の開発プロジェクトと,その研究成果を実用化するための大学発ベンチャー企業
「未来環境テクノロジー株式会社」の設立に従事。

2008~2014年,明星大学総合理工学部生命科学にて非常勤講師(化学系)および
社会人向け通信講座講師(界面活性剤,乳化技術)を務め,2014 年より現職。

目次

第1章 エマルションの基礎科学


  1 エマルションとは
  2 エマルションの粒子径と外観変化
  3 各産業分野における主な乳化製剤の特徴と課題
  4 乳化技術開発の推移


第2章 乳化形態のいろいろ


  1 自然界に見る自己乳化形態
  2 粘土物質を乳化剤とした乳化形態
  3 微粒子を乳化剤とした乳化形態─ Pickering Emulsion
  4 界面活性剤を乳化剤に用いたエマルションの乳化形態


第3章 界面活性剤(乳化剤)水溶液の物理化学的性質


  1 界面活性剤の分類と性質
  2 主な合成乳化剤
  3 界面活性剤の構造要因とその性質・作用
  4 界面活性剤の溶解挙動
  5 ミセル形成とその作用因子
  6 吸着等温曲線
  7 界面活性剤の水溶液の可溶化現象
  8 界面活性剤の化学構造と分子集合状態
  9 界面活性剤濃厚分散液の液晶


第4章  溶液・分散系における物質/物質間の相溶性と各種指標値との関係


第5章 乳化剤の使いこなし方─ HLB 方式を中心として


  1 HLB 方式による乳化剤の選定法
  2 油相の所要HLB 値の決定
  3 乳化剤および混合乳化剤のHLB 値の計算法
  4 混合する乳化剤の選び方とその最適化指針
  5 その他のHLB 値の計算法
  6 HLB 値に対する温度の影響
  7 HLB 値の応用事例
  8 3D-HLB 方式


第6章 拡張HLB 法


  1 界面活性剤の構造要因の指標値
  2 有機概念図法による(親水性/疎水性)比の指標値
  3 拡張HLB 法


第7章 乳化プロセス


  1 エマルションの製造および製品に関する留意事項
  2 エマルションの生成
  3 油性原料特性
  4 溶解度パラメータの活用─ 油相の混合・分散を中心にして
  5 溶解度パラメータの計算
  6 三次元溶解度パラメータ(無機粒子の分散性評価)
  7 溶解度パラメータとHLB 値
  8 物理(機械)的乳化方式
  9 物理化学的乳化方式
  10 低エネルギー乳化法
  11 スケールアップ時の留意事項
  12 撹拌速度の設定
  13 乳化時間の調整


第8章 エマルションの安定性評価


  1 エマルションの破壊過程
  2 クリーミング
  3 凝集
  4 合一
  5 オストワルド熟成
  6 エマルションの安定性の加速試験法


第9章 エマルションの物理化学的性質


  1 Bancroft 則
  2 エマルションの「型」の判別法
  3 凍結割断法によるエマルション粒子微細構造の観察
  4 光子相関分光法によるエマルション分散液の粒子径の経日変化と合一速度
  5 スピンプローブ法ESR によるベシクル膜の配向状態
  6 エマション中の水の様態挙動
  7 エマルションのレオロジー的性質


第10章 エマルションの産業分野への将来展望


  1 低表面張力界面活性剤の技術開発
  2 新規な乳化方式の創製
  3 乳化・分散剤型のいろいろ─ 薬物担体を中心として


参考資料


文献