AT20210219:食品包装・品質/鮮度保持技術・MA包装の基礎・最新動向と資材開発における要求性能

★包装資材開発において有用な鮮度・品質の客観的評価について
    スタンダードな手法から最新技術まで網羅的に紹介!
★MA包装の基本的な考え方、MA包装設計手法、最近の技術開発動向について解説!
★食品メーカーからの視点でその包装技術を振り返り、最近の動向を紹介!
 ※2021年2月19日に実施したセミナー資料

 

 

番号
AT20210219
出版社
株式会社AndTech
発行年月
2021/04/16
体裁
A4判, 100ページ
フォーマット
紙版
定価
33,000 円(本体30,000円+消費税、送料込)
冊数:

執筆者

東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授(兼務)華南理工大学 現代食品工程研究中心 客員教授 牧野 義雄 氏

野田治郎技術士事務所 代表 (元キユーピー(株)) 野田 治郎 氏

千葉大学 大学院園芸学研究科教授 博士(農学) 椎名 武夫 氏

目次

第1部 青果物包装資材に求められる性能と鮮度・品質の客観的評価技術

講師:東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授(兼務)華南理工大学 現代食品工程研究中心 客員教授 牧野 義雄 氏

【ホームページURL】
https://researchmap.jp/read0002865/?lang=japanese

【著書】
青果物の鮮度・栄養・品質保持技術としての各種フィルム・包装での最適設計(AndTech)
農産食品プロセス工学(文永堂出版)
青果物の鮮度評価・保持技術-収穫後の生理・化学的特性から輸出事例まで-(NTS)
包装学基礎講座「(13)食品包装技法の科学」(日本包装学会)
食品容器包装の新しいニーズ、規制とその対応 (技術情報協会)
ほか多数。
【受賞】
平成13年6月:日本包装学会賞
平成21年5月:日本冷凍空調学会学術賞
平成25年9月:日本生物環境工学会論文賞
平成30年5月:日本農業工学会フェロー
令和元年9月:日本生物環境工学会学術賞
ほか多数。
【経歴】
昭和38年6月:岡山県児島市(現倉敷市)生まれ
昭和61年3月:香川大学農学部卒業
昭和61年4月:香川県庁に入庁
昭和61年5月:農業試験場、食品試験場、発酵食品試験場、商工労働部、産業技術センターにて勤務(平成16年6月まで)
平成9年7月:京都大学にて博士(農学)の学位取得
平成16年7月:東京大学 大学院農学生命科学研究科 講師
平成19年7月:同 准教授
令和元年11月:華南理工大学 現代食品工程研究中心 客員教授(併任)
現在に至る。

【講演趣旨】
 包装資材には様々な種類があり、日々新商品の開発が進められているが、開発段階では資材の効果を確認するための試験が必要となる。青果物用の包装資材には、防曇性や通気性等、特有の性能が要求されると同時に、内容物の鮮度・品質保持効果について適切な評価を施す必要がある。その際、内容物である青果物は商品として流通している段階でもなお生命活動を継続している植物体であるという認識の下、客観的データに基づき鮮度・品質を評価する必要がある。本講演では、植物生理学に基づく青果物の鮮度低下機作について解説するとともに、包装資材開発において有用な鮮度・品質の客観的評価についてスタンダードな手法から最新技術まで網羅的に紹介する。

【キーワード】
1.鮮度保持
2.鮮度測定
3.非破壊検査
4.包装容器
5.栄養成分
6.メタボロミクス
7.機械学習

【プログラム】
1.青果物の収穫後生理と品質変化 
 1-1 収穫後鮮度低下の機作
 1-2 呼吸
 1-3 蒸散
 1-4 クライマクテリックライズ
 1-5 追熟
2.青果物の鮮度低下と貯蔵環境
 2-1 温・湿度
 2-2 気体組成
 2-3 エチレン
 2-4 物理的衝撃・振動
3.包装による萎れ抑制
 3-1 防曇ポリプロピレン包装
 3-2 ハンカチ包装
 3-3 過湿抑制包装
 3-4 Modified Atmosphere Packaging (MAP)
4.青果物の鮮度評価
 4-1 鮮度評価指標
  4-1-1 鮮度の重要性
  4-1-2 鮮度とは?
  4-1-3 主な鮮度評価指標
 4-2 鮮度の定量化技術
  4-2-1 秤量
  4-2-2 RQフレックス
  4-2-3 貫入式硬度計
  4-2-4 色彩計
  4-2-5 コンピュータービジョン
  4-2-6 近赤外分光分析
  4-2-7 クロロフィル蛍光測定
  4-2-8 トランスクリプトーム(次世代シーケンサー)
  4-2-9 メタボロミクス(質量分析計)   
5.まとめ

第2部 食品包装と品質保持・鮮度保持技術の基礎

講師:野田治郎技術士事務所 代表 (元キユーピー(株)) 野田 治郎 氏

【ご経歴】
 1973年4月~2013年1月 キユーピー(株)研究所にて、食品包装の研究開発、新製品に対する包装設計、容器包装の環境対策・安全性評価などに携わってきた。(基盤技術センター主席研究員)
 2013年2月~ 野田治郎技術士事務所代表
海外新包材の紹介・事業化、契約団体の技術指導など、コンサルタントとして活動中
【活動内容】
 2001年~2006年 ポリオレフィン等衛生協議会 規格推奨委員長代理
 2002年~2013年 日本包装学会理事、第12回年次大会運営委員長
 2003年 消費者志向企業活動功労者として経済産業大臣表彰
 現在 技術士包装物流会 会長、日本包装コンサルタント協会 理事、日本技術士会 会員、日本包装学会 監事、 特許、著作、専門誌への投稿、講演多数

【講演主旨】
 食の基本は、おいしさ・健康・安全です。食品を商品として流通させるためには、包装が大きな役割を担っています。包装は、食品の産地から消費者に至るまでのサプライチェーンの中で影響を与える外部要因から内容物を保護する重要な機能があります。それを支える品質保持・鮮度保持技術は長い歴史があり、現在も進化しています。本講演では、食品メーカーからの視点でその包装技術を振り返り、最近の動向を紹介します。

【キーワード】
1.食品ロス
2.アクティブパッケージ
3.シェルフライフ

【プログラム】
1.食品包装の役割と品質保持・鮮度保持
 1-1 社会の変化と包装の進歩
 1-2 食品包装に要求される品質
 1-3 現在、食品包装に 求められている機能
2.品質保持・鮮度保持のための包装技術
 2-1 食品の変質要因
 2-2 品質保持のための包装設計
 2-3 生物的変質の防止のための包装技法
 2-4 化学的変質の防止のための包装技法
 2-5 物理的変質の防止のための包装技法
3.品質保持・鮮度保持包装の設計
 3-1 おいしさ保持に対する包装設計の考え方
 3-2 シェルフライフの設定と安全率
 3-3 食品ロス対策と包装
 3-4 安全・安心の確保と包装設計の考え方
 3-5 包材の品質管理
4.最近の品質保持・鮮度保持包装の動向
 4-1 カット野菜の包装技術
 4-2 日持ちする惣菜の包装技術
 4-3 アクティブパッケージの開発事例
    アクティブバリア包材、抗菌包材、MA包装
5.食品包装の課題
 5-1 高齢者対応
 5-2 環境対応:持続可能な社会の実現
6.まとめ


第3部 MA包装の基礎・設計手法および最近の技術動向と展望

講師:千葉大学 大学院園芸学研究科教授 博士(農学) 椎名 武夫 氏

【講演主旨】

 青果物は、収穫後も呼吸、蒸散等の生命活動を維持しており、品質低下が急激に進む。温度は、呼吸および水分の蒸発散速度に対して大きな影響を及ぼし、低温による品質保持効果は極めて高い。気体組成も呼吸速度に影響を及ぼすとともに、適正なガス組成は品質変化を抑制し、貯蔵性を向上させることができる。貯蔵庫内のガス組成を制御する貯蔵方法にCA貯蔵があり、大気組成に比べて低酸素、高二酸化炭素条件の環境下に青果物を保存することで、低温貯蔵との組み合わせでより長期の貯蔵が可能となる。MA包装は、被包装青果物の呼吸速度に合ったガス透過性を有する包装資材で青果物を包装することで、包装内を品質保持に適したガス組成に制御する包装方法である。本講演では、MA包装の基本的な考え方、MA包装設計手法、最近の技術開発動向について解説する。

【キーワード】
ガス組成の制御、呼吸の抑制、プラスチックフィルム包装、品質保持、長期貯蔵


【プログラム】
1.青果物の呼吸速度に影響を及ぼす要因
 1-1 温度の影響
 1-2 ガス組成の影響
2.MA包装の基礎と設計手法
 2-1 基本的な考え方
 2-2 青果物の適正な保存ガス組成
 2-3 MA包装のガス移動モデル
 2-4 MA包装内のガス濃度変化の数値計算法
3.MA包装の最近の開発動向