防曇コーティングにおける最新技術動向と防曇メカニズム・評価・試験法および多機能性付与・応用展開~表面処理・修飾技術での最適化と基材への密着性向上・長期耐久性維持~
★防曇コーティングについての最新動向を各業界の著名人が執筆!
★機能性添加剤による防曇性の向上や食品接触用途用プラスチック向け防曇剤、練り込み型、塗布型の種類とは?各国法規への収載についても記載!
★両性両親媒性高分子の吸着を活用した表面の親水化技術や機能性微粒子塗布での超撥水技術という新しい方法!
★防曇のメカニズムから、化学修飾型親水性コーティング材料、UV硬化型防曇コーティング剤、ポリマーブラシによるぬれ性制御とは?
★曇りの発生メカニズムや親水性コーティング材料など、幅広くカバーした至極の一冊!
執筆者
南保 幸男 南保技術研究所
先崎 尊博 東京応化工業株式会社
猿渡 欣幸 大阪有機化学工業株式会社
岩井 和史 株式会社レニアス
池田 順一 共栄社化学株式会社
穂積 篤 国立研究開発法人産業技術総合研究所
佐藤 知哉 国立研究開発法人産業技術総合研究所
Matt W. England 元 国立研究開発法人産業技術総合研究所
吉田 絵里 豊橋技術科学大学
椛島 真一郎 ライオン株式会社
志村 潤 理研ビタミン株式会社
若原 章博 ビックケミー・ジャパン株式会社
大橋 宏範 第一工業製薬株式会社
目次
第1節 曇りの発生メカニズムと解決方法
はじめに
1. 曇りの起こる要因と視認性への影響
1.1 各種透明材料への曇り発生について
1.2 曇り発生の要因について
1.3 視認性への影響と設計への配慮
1.3.1 水滴の付着
1.3.2 光乱反射による曇りの発生
1.3.3 親水加工による防曇性
1.3.4 レンズの表面に超親水の機能性材料をコーティング加工
1.3.5 超親水コーティングの特徴と効果
1.4 透明性維持と正常な表面改質方法について
2. 曇り発生を解決する超親水化加工の検討
2.1 超親水化技術による防曇性について
2.2 超親水化コーティング剤の開発について
2.3 防汚コーティング加工による防曇性の維持について
3. 防曇性の試験方法
3.1 親水化コーティング剤による防曇性の評価
3.2 濡れ性と防汚効果
3.3 汚れ除去性
3.4 ウォータースポット防止性
4. 親水化コーティング剤による防曇性評価方法について
4.1 結露防止コーティングによる防曇機能の維持継続について
4.2 結露、霜付きとの比較について
4.3 電波望遠鏡での電波障害への防止機能について
4.4 防曇コーティングへの要求機能について
4.5 今後の課題について
5. 防曇・結露防止コーティングについてその応用技術の確立
おわりに
第2節 防曇性を付与する親水コーティング技術とその評価方法について
はじめに
1. 曇りの起こる要因と視認性への影響
2. 超親水化加工の開発
3. 防曇性とその維持性の試験方法
3.1 親水化コーティング剤による防曇性の評価
3.2 防曇効果の維持と防汚効果との相関性について
3.3 親水性の防曇防汚コーティング加工による油汚れの除去性について
3.4 防汚コーティング加工にて汚れ展延性による見かけの防曇性
4. 防曇レンズによる防汚、防曇加工
5. 防曇性コーティング加工の現状と課題
おわりに
第3節 化学修飾型親水性コーティング材料の開発と応用
はじめに
1. 表面処理とは
2. 親水性コーティング材料による防曇性発現機構
3. 親水コーティング材料の設計
4. 基材表面を化学修飾するコーティング材料および方法
5. 化学修飾型親水性コーティング材料の防曇材料としての応用
おわりに
第4節 超親水性コーティング材を用いた防曇コーティングの開発
はじめに
1. 塗布型ポリマーブラシの設計
2. 塗布型ポリマーブラシによる表面処理と性能評価
3. 塗布型ポリマーブラシによる表面状態の考察
4. 塗布型ポリマーブラシを用いた商品開発
おわりに
第5節 自動車用PC樹脂グレージングの防曇技術
はじめに
1. デフォッガー機能付与
1.1 グレージングにおける防曇のニーズ
1.2 防曇の種類と特徴
1.3 光触媒による防曇
1.4 吸水型の防曇膜
1.5 防曇膜の評価
2. 複合機能化の検討例
2.1 防曇+反射防止
2.2 面状発熱による防曇技術
2.2.1 発熱による防曇
2.2.2 各種発熱方式の比較
2.2.3 面状発熱を実現する技術
2.3 自動車リア窓を想定した機能化樹脂ガラス
おわりに
第6節 UV硬化型防曇コーティング剤の耐久性、密着性
はじめに
1. UV硬化性防曇コーティング剤
2. UV硬化性樹脂の構成成分
2.1 ベースレジン
2.1.1 ウレタンアクリレート
2.1.2 エポキシアクリレート
2.1.3 ポリマー
2.2 モノマー成分
2.3 光重合開始剤
3. 最近のトピックス
3.1 ポリグリセリンポリエーテルアクリレート
3.2 アクリルアミド系架橋剤を使った防曇コーティング剤
4. UV硬化型防曇コーティング剤;私たちの取り組み
4.1 吸水タイプの防曇コーティング剤KBC-1
4.2 機材密着性をはじめとした機能付与
4.3 無溶剤タイプUV硬化型防曇コーティング剤 AFN-7500の特徴と性能
おわりに
第7節 自己修復機能を有する多機能有機-無機ハイブリッド皮膜の開発
はじめに
1. 自己修復機能を有する多機能透明防曇皮膜の開発
1.1 人工粘土粒子と水溶性高分子から作製したヒドロゲル
1.2 PVP/AMP-ナノクレイコンポジット皮膜の多機能性
1.3 フッ素系界面活性剤添加による皮膜表面への撥液性付与
1.4 ゲル化抑制と簡易/大面積成膜技術
おわりに
第8節 ポリマーブラシによるぬれ性制御と防曇処理への応用
はじめに
1. ポリマーブラシの代表的な合成手法
2. ポリマーブラシの大気開放系簡易合成技術の開発
3. ポリマーブラシの大面積合成に不可欠な新規重合開始基導入法の開発
4. ぬれ性制御
おわりに
第9節 防曇コーティングを用いた技術開発事例と応用展開
~機能性微粒子塗布による超撥水・超撥油化処理技術と防曇表面への応用~
はじめに
1. ラジカル分散重合で合成した球状微粒子を用いる超撥水・超撥油化処理
1.1 高分子球状微粒子の合成
1.2 球状微粒子塗布表面の元素分析
1.3 球状微粒子の塗布による表面の超撥水・超撥油化処理
1.4 球状微粒子の塗布表面の物理的粗さの解析
2. 超臨界二酸化炭素中での高分子の自己組織化により製造した球状ナノ粒子を用いる超撥水化処理
2.1 超臨界二酸化炭素中での高分子の自己組織化による球状ナノ粒子の製造
2.2 球状ナノ粒子による超撥水表面処理
おわりに
第10節 両性両親媒性高分子の吸着を活用した表面の親水化技術
はじめに
1. 表面の機能化
2. 表面改質高分子
3. 両性両親媒性高分子の機能
3.1 プラスチック表面の親水化
3.2 ガラス表面の親水化
3.3 今後の展望
4. 二次元超分子フィルム
おわりに
第11節 食品接触用途用プラスチック向け防曇剤
はじめに
1. 概要
2. 防曇剤の種類
2.1 練り込み型防曇剤
2.2 塗布型防曇剤
2.3 練り込み型防曇剤の使用方法
2.4 成形容器向け塗布型防曇剤の使用方法
3. プラスチックの種類による防曇性への影響
4. 各国法規への収載について
4.1 日本:厚生省告示第370号の一部改正、別表第1第2表
4.2 米国:FDA 21CFR
4.3 EU:COMMISSION REGULATION(EU)No 10/2011
4.4 中国:GB9685
4.5 南米:MERCOSUR GMX RES39_19
おわりに
第12節 機能性添加剤による防曇性の向上
はじめに
1. コーティング用添加剤
1.1 表面調整剤の一般的構造
1.2 マクロマー技術を基にした表面調整剤
1.3 親水性をもたらす層状無機粒子LAPONITE
2. プラステック用成型品のフォギング対策
おわりに
第13節 糖骨格を有するポリオール型界面活性剤の親水化技術
はじめに
1. 高い親水性、汎用性、長期耐久性が求められる親水化剤
1.1 防曇性
1.2 帯電防止性
1.3 防汚性
2. 親水化剤の種類
2.1 有機系低分子型親水化剤
2.2 有機系高分子型親水化剤
2.3 無機系コート型親水化剤
3. 有機系低分子型親水化剤「ショ糖‒アルキレンオキシド‒脂肪酸エステル」
3.1 構造的特徴
3.2 親水性、帯電防止性評価
3.3 耐久性試験
3.4 溶剤溶解性
おわりに