AT22021130:軟包装パッケージにおける環境対応・リサイクル・再生再利用・脱墨・脱離技術と食品メーカーからの要求・将来展望・課題

★欧州に輸出している包装製品に関し、再生樹脂30%配合の包装仕様をどのように早急に準備するか?そのの対応の仕方は?

★国内向けの包装食品にどのように再生樹脂を組み込んでいくか?

★脱墨技術、脱離(剥離)技術と必要性や非常に難しい多層ラミネートフィルムや多層フィルムのリサイクル!

★食品メーカーからの環境対応や要望とは?国内外の事例で検証し、長短を理解して今後の対応に活かせるよう説明!

※このテキストは2022年11月30日に実施したセミナー資料です

番号
AT22021130
発行年月
2022/11/30
体裁
A4判, 50ページ
フォーマット
紙版
定価
27,500 円(本体25,000円+消費税、送料込)
冊数:

執筆者

第1部 味の素トレーディング(株) 機材調達事業部・事業部長 金子 晴海 氏

第2部 住本技術士事務所 技術士(経営工学)・包装管理士 所長  (元大日本印刷(株)) 住本 充弘 氏

第3部 東北大学 環境保全センター 大学院工学研究科 化学工学専攻 教授 渡邉 賢 氏

目次

第1講 食品メーカーから見た軟包装設計の考え方と環境・リサイクルへの要望

講師:味の素トレーディング(株) 機材調達事業部・事業部長 金子 晴海 氏

 

【経歴】
味の素株式会社 生産技術センター包装・包材技術部 包装設計室長
タイ味の素社 食品開発・工業化センター 包装技術部長
西アフリカ調味料社 技術取締役
食品生産統括センター エンジニアリング技術グループ シニアマネージャー

 

【講演キーワード】
包装、包材、環境、環境負荷低減、リサイクル、単一素材、複合包材、食品包材の課題、モノマテリアル、包装設計、プラスチックの紙化、

 

【講演のポイント】
味の素株式会社における環境対応を考慮した包装設計の基本的な考え方を解説し、食品包装における包装資材リサイクルにおける課題と要望を述べる。またプラスチックの紙化を目的とした開発事例を2例紹介する。

 

【習得できる知識】
食品に使用する包装資材の基礎知識。
包装材料のリサイクルの方法と課題を習得し、解決方法について知識を得る。
食品に使用される複合包装材料に対するリサイクル課題と要望を知る。
プラスチック包装材料の紙化に向けた包装設計。

 

【講演趣旨】
 食品に使われる包装材料の基礎知識を解説し食品流通のために包装が必要な理由を理解して頂く。食品を安全・安心に使用して頂くために必要な包装であるが、一方使われた後はゴミとして排出され環境に悪い影響を与える事がある。環境に悪い影響を与えないようにするためリサイクルを検討するが、その方法と課題について及び包装材料のユーザーとしての複合包装資材のリサイクル適正など資材メーカーに検討して頂きたい要望事項を話す。
 プラスチック材料の紙化における包装設計の実例を紹介し設計における課題を共有する。

 

【講演プログラム】

1.会社紹介
 1-1 味の素株式会社 紹介
 1-2 味の素株式会社 環境ビジョン
2.軟包材の基礎知識
 2-1 軟包材に使われる材料とその特性
 2-2 積層包材に使われる各層の機能
3.環境負荷低減のための包装材料
 3-1 包装材料が環境に与える影響
 3-2 環境負荷を低減する包装材料とデザイン:リサイクル
 3-3 環境負荷を低減する包装材料とデザイン:バイオマス, 溶剤フリー, 生分解性物質、森林認証紙
4.包装設計事例1:Pal Sweet® Slim Up Sugar®の紙化における包装設計
 4-1 「Pal Sweet®」「 Slim Up Sugar®」の開発背景
 4-2 本製品の開発における選定理由
 4-3 選定した包装資材の特徴
5.包装設計事例2:「味の素®」「ハイミー®」袋品種の紙化検討
 5-1 開発の目的
 5-2 包装設計のポイント
 5-3 包装適正評価

第2講 Co-Ex及び多層ラミネートフィルムの再生再利用への対応と脱墨・脱離技術

 

講師: 住本技術士事務所 技術士(経営工学)・包装管理士 所長  (元大日本印刷(株)) 住本 充弘 氏

 

【経歴】
DNPを定年退社後、国内外で包装コンサルタントとして活動しており、食品、医薬品、化粧品分野で軟包装の製造、新しい包装の開発に携わっている。

 

【著作】
包装技術便覧、
機能性フィルム・機能性包装・高機能プラスチックの技術市場動向レポート Vol.4、
次世代デジタル印刷の仕組みと技術的特長、軟包装・容器への応用・採用例、将来展望~Packaging 4.0, Printing 4.0時代の印刷機器・材料の開発動向~(各共著)

 

【講演キーワード】
軟包装材料、 Co-Exフィルム、再生再利用、circular economy, circular packaging, ケミカルリサイクル、 メカニカルリサイクル、 熱分解、 ガス化、超臨界、certified resin, 認証取得、脱離、剥離、脱墨

 

【講演のポイント】
1.Co-Ex及び多層ラミネートフィルムの再生再利用について、模索が続いているが、自社の包装材料にとって、どの方法が適用できそうかを理解し、再生再利用しやすい包装設計に変更する判断が可能となる。
2.包装製品を欧州に輸出している場合であれば、再生樹脂30%配合の包装仕様をどのように早急に準備するかの対応の仕方が分かる。
3.国内向けの包装食品であれば、どのように再生樹脂を組み込んでいくか、検討出来る。
4.脱墨技術、脱離(剥離)技術と必要性

 

【習得できる知識】
1.プラスチック包材の再生再利用の動向が理解できる。
2.ケミカルリサイクルとは何かの理解が出来る。
3.マスバランス方式とは何かが理解できる。
4.再生再利用できる包装設計の重要性が理解できる。
5.再生再利用実施の回収及び分別の課題が理解できる。
6.脱墨技術、脱離(剥離)技術と必要性が理解できる。

 

【講演趣旨】
 プラスチック包装は、今まで軽量化、バイオ由来の樹脂使用など行ってきたが、今後は活動の中心が使用済みの包材を回収し原料として再生再利用する方向に進む。Circular Economy実施の中で包装材料もCircular Packaging対応が必要となっている。プラスチックの多層包材は再生再利用の面でどのようにするか模索が続いているが、メカニカルリサイクル、ケミカルリサイクルで処理され再生再利用となるだろう。メカニカルリサイクルは脱墨が重要なカギとなるだろう。脱離技術は、フィルム、紙、アルミ箔などのように異材質のラミネートでは必要となり、既に欧州では実用化されている。多くの課題が開発途上であるが、欧米では、再生材料30%以上使用の動きもあり定着するだろう。日本からの輸出包装製品はどのように対応すべきか難題である。英国では2022年4月より実施である。現在の技術の延長線上での可能性を国内外の事例で検証し、長短を理解して今後の対応に活かせるよう説明する。

 

【講演プログラム】
1.世界の包装の動き
 1-1 大きな流れ
    プラス知育利用の包装材料の循環型ポリマーの利用促進
 1-2 EUの規制の動き
    新しいEU規制、食品接触プラスチックにrecycled plastic使用を認める
 1-3 Recyclable包装で第三者認証が基本
    新しいEU 規則では、欧州市場用途では第三者認証が前提
2.Co-Ex及び多層ラミネートフィルムの再生再利用の模索
 2-1 熱分解方式
 2-2 超臨界技術方式
 2-3 ガス化方式
 2-4 電磁波方式
 2-5 醗酵技術方式
3.脱墨・脱離(剥離)技術の動き
   プラスチック包装の脱インキはなぜ必要か
 3-1 脱墨技術の状況とメカニカルリサイクル
     再生樹脂製造時のインキによる臭い防止が必要
 3-2 脱離技術のビジネス事例
     脱インキ用プライマーの利用、水性の食品安全性の剥離剤
 3-3 異材質ラミネート包材への対応をどうするか
    裏刷りラミネート包材の脱インキは、剥離技術が必要
4.Co-Ex及び多層ラミネートフィルムの再生再利用の課題
 4-1 分別排出、回収・選別方法
 4-2 再生再利用の施設の整備
 4-3 包装食品の輸出の障壁
5.FDA及びEFSAの再生樹脂への対応
 5-1 異物混入の懸念 –ブロックチェーンによるtrace
 5-2 認証取得 certified resinsの必要性
6.まとめ

第3講 多層プラスチックフィルムを対象とした液相プロセスの紹介

 

講師: 東北大学 環境保全センター 大学院工学研究科 化学工学専攻 教授 渡邉 賢 氏

 

【著作】
・超臨界流体を用いる合成と加工(5.1節), CMC出版 (2017)
・化学便覧 応用化学編 第7版(4.6.1項, 4.6.2項), 丸善出版, (2014)
・超臨界流体入門,丸善出版, (2008)

 

【受賞】
・2019年度 優秀論文賞(化学工学論文集)
・平成30年8月 日本エネルギー学会論文賞
・平成24年3月 化学工学会 化学工学会75周年記念懸賞論文優秀賞

 

【経歴】
1999年 東北大学大学院工学研究科 化学工学専攻 博士後期課程修了 博士(工学) 取得
2000年 東北大学大学院工学研究科 助手
2006年 東北大学大学院工学研究科 助教授
2018年 東北大学大学院工学研究科 教授
2020年 現職
この間、2005年 文部科学省海外教育研究実践プログラム研究員としてドイツに派遣

 

【講演キーワード】
1. 液相反応
2. ハイブリッドリサイクル
3. 連続プロセス

 

【講演のポイント】
水の状態図を理解し、蒸気圧、イオン積、誘電率、臨界点という言葉を踏まえ、プラスチックの分解性と条件との関係を理解する。

 

【習得できる知識】
水の状態と、プラスチックそれぞれにより反応性が異なることを理解する。

 

【講演趣旨】
 液相とは、高温高圧状態の水の液相を活用する技術を表した言葉である。水熱や亜臨界水と呼ばれる水の液相条件において、プラスチックの反応がどのように進むのか、理解できるよう講義を進めたい。まずは水の状態図を理解し、水の機能性に与える温度、圧力の影響を知る。それに付随し、プラスチックに関わる分子の反応性を理解する。その上で、どのようなプロセスがプラスチックリサイクル技術として有用なのかを考える。この講座では特に、マテリアルリサイクルおよびケミカルリサイクルの両立(ハイブリッドリサイクルと呼称)を可能とする条件設定がはどのように達成できるのか、を考える素地を与え、その連続プロセスに対する試みの一端を紹介する。

 

【講演プログラム】

1. 液相反応

2. プラスチックの反応性1:付加重合系
 2.1 ポリオレフィン
 2.2 塩化ビニル

3. プラスチックの反応性2:脱水縮合系
 3.1 ポリエステル
 3.2 ポリアミド

4. 混合物の反応:プラスチックの反応性の観点から

5. 連続プロセス
 5-1 スラリープロセス
 5-2 押出機プロセス

6.まとめ