AT20230227:銅および銅化合物を活用したウイルス・細菌の制御技術とその応用展開 ~性能向上に向けて~
★銅および銅化合物の抗ウイルス・抗菌性とそのメカニズムおよび感染対策に有効な材料展開について解説
★一価銅化合物の塗料・インク、不織布、反応架橋型塗料、熱可塑性塗料への展開!いかに性能を持続させるか?
★高分子材料との複合化、液体タイプ抗ウイルス・抗菌剤への展開などへの知識も解説する!
※このテキストは2023年2月27日に実施したセミナー資料です
執筆者
工学博士 中山 鶴雄 氏(元 (株)NBCメッシュテック エグゼクティブアドバイザー)
【著作】
共著、電気殺菌による微生物制御、 ㈱エヌティーエス(1999)
共著、<最新>スクリーン印刷利用技術、㈱情報機構(2009)
共著、新市場を切り開く有機エレクトリニクス2011-新市場を切り開く-、日経BP社(2010)
共著、衛生製品とその材料開発事例集、技術情報協会(2016)
共著、抗菌技術と市場動向 2016、㈱シーエムシー出版(2016)
共著、繊維のスマート化技術体系、㈱エヌ・ティー・エス(2017)
共著、抗菌・抗ウイルス技術の開発・評価と樹脂、繊維、塗料、フィルム等への製品応用、㈱Andtech (2021)
その他多数
特許出願公開公報件数:382件
【経歴】
・最終学歴:東京農工大大学院博士後期課程修了 博士(工学)
・2002年6月までぺんてる㈱中央研究所に在職し、筆記具に必要な材料開発及び新規事業として電気化学的な生物の制御技術の開発に従事した。
・2002年10月に㈱NBメッシュテックに転職し、ナノ粒子を用いた機能性材料及びコーティング剤開発に従事し、メッシュの機能化と製品展開を実施した。また、一価銅化合物を用いた抗菌・抗ウイルス技術「Cufitec」の開発に従事し、様々な材料開発と製品展開を実施した。さらに、常温でVOCを分解する触媒開発に取り組み、常温でエチレンを二酸化炭素と水に酸化分解する触媒の開発と鮮度保持への応用展開に従事した。
・2020年6月㈱NBCメッシュテックを退職
目次
【主旨】
COVID-19パンデミックが継続しており、その感染対策として期待できる銅および銅化合物のウイルスや細菌の不活化と、そのメカニズムについて最近の論文を中心に解説します。また、一価銅化合物を活用した防護服やマスク、フィルター等の不織布製品や、手摺やドアノブ、タッチパネル等からの感染を低減する透明フィルムや、効果が持続する液体タイプ殺菌消毒剤、アルミニウム部材など、様々な応用展開についても紹介します。最後に、一価銅化合物のウイルスや細菌の不活化効果を高めるためのアプローチについても解説します。
【習得できる知識】
・新興ウイルスによる感染症の発生状況に関する知識
・交差伝播によるウイルスの感染対策の重要性が理解できる。
・銅および銅化合物の抗ウイルス・抗菌性関する知識
・銅および銅化合物のウイルス・細菌の不活化メカニズムに関する情報が把握できる。
・銅化合物を用いた各種材料及び市場に展開されている製品の情報が把握できる。
【キーワード】
銅、一価銅化合物、抗ウイルス・抗菌、交差伝播、感染制御
【ポイント】
SARS-CoV-2感染は飛沫感染以外に、ドアノブや手すりなどを介した交差伝播が指摘されている。この対策として最も有効な方法は、銅および銅化合物による固体界面への抗ウイルス・抗菌性の付与である。本セミナーでは銅および銅化合物の抗ウイルス・抗菌性とそのメカニズムおよび感染対策に有効な材料展開について解説する。
【目次】
1.新興ウイルスによる感染症の発生状況と課題
1-1 豚インフルエンザH1N1によるパンデミックでの課題
1-2 エボラウイルス病での課題
1-3 コロナウイルス感染症(COVID-19)での課題
1-4 ウイルス・細菌の交差伝搬による感染
2.銅および銅化合物によるウイルス・細菌の制御
2-1 銅および銅化合物によるウイルスの不活化
2-2 銅および銅化合物によるウイルス不活化のメカニズム
2-3 銅および銅化合物による細菌の不活化
2-4 銅および銅化合物による細菌不活化のメカニズム
3.一価銅化合物の塗料・インクへの展開
3-1 薄膜コーティングした不織布の製品展開
3-2 反応架橋型塗料への展開
3-3 熱可塑性塗料への展開
4. 高分子材料との複合化
5. 液体タイプ抗ウイルス・抗菌剤への展開
6. 一価銅化合部のアルミニウム部材への応用
7.一価銅化合物の課題と抗ウイルス・抗菌特性の向上