AT20230327:透明導電膜・フィルムの最新技術開発動向と応用展開
★透明導電材料の基本的な解説から、「塗布型」透明導電膜について、導電材料の種類、プロセスや従来の透明導電膜との違いについて解説!
★プラスチックフィルムと ITO 膜の界面、ITO 膜の構造などに着目し、課題解決の方策について解説!
★銅ナノインクによるフィルム上での回路形成について、印刷、焼成といったプロセスの解説も含め実用化への取り組みを解説!
※このテキストは2023年3月27日に実施したセミナー資料です。
執筆者
第2部 東洋紡株式会社 総合研究所 堅田フイルム技術センター リーダー 多々見 央 氏
第3部 コーンズ テクノロジー株式会社 テクニカルセンター アプリケーションサポートリーダー 川合 紘夢 氏
目次
【第1講】 透明導電材料の基礎と応用展開
【講師】マクセル株式会社 新事業統括本部 機能性材料イノベーション部 第1製品課 課長 水谷 拓雄 氏
【主旨】
液晶ディスプレイの登場により、その電極に用いられる透明導電材料はクローズアップされるようになりました。その後タッチパネル、有機ELディスプレイなど製品、技術の進化と共に透明導電材料へ求められる特性、特徴も変わりつつあります。
本セミナーでは「透明導電材料って何?」「どんなところに使用されているの?」と言った基本的な解説から、コーティングにより透明導電材料を膜へ形成する「塗布型」透明導電膜について、使用できる導電材料の種類、プロセスや従来の透明導電膜との違いなどについて説明致します。
また、後半は自社の開発事例から塗布型透明導電膜の課題や解決方法などについても具体的に紹介致します。
【キーワード】
透明導電,導電フィルム,導電インク,透明導電膜,ITO,インジウム,導電ポリマー,PEDOT,銀ナノワイヤ,CNT,タッチパネル,ディスプレイ
【ポイント】
透明導電膜を各種デバイスへ適用される際に必要となる各種透明導電材料の特徴、メリット、デメリットや製造プロセスの基礎知識を実例を交えた回折で習得頂くことができます
【習得できる知識】
各種透明導電膜の特徴、取り扱い方、アプリケーションへ適応する際のメリット、デメリットに関する基礎知識
【目次】
1.透明導電材料(膜)の基礎
1.1.透明導電材料(膜)とは?
1.2.透明導電膜の用途(代表的なアプリケーション、使用事例)
1.3.透明導電膜の用途と表面抵抗
1.4.ITO(酸化インジウムスズ)について
1.5.従来の透明導電膜製造プロセス
2.透明導電材料開発の歴史と背景
2.1.~2000年まで
2.2.2000年以降
2.3.近年
3.塗布型透明導電膜の種類と特徴
3.1.ITO分散インク
3.2.ITO以外の金属酸化物
3.3.有機導電ポリマー
3.4.カーボン系材料
3.5.銀ナノワイヤ
3.6.各種透明導電膜の特性比較
4.ITO系塗布型透明導電膜
4.1.インク製造、および成膜プロセス
4.2.スパッタITO膜との特性比較
4.3.デバイスへの応用展開
5.PEDOT/PSSインクを用いた塗布型透明導電膜
5.1.インク製造、および製膜プロセス
5.2.静電容量方式タッチパネル用電極への応用展開
5.3.プロセス、および特性上の課題と改善事例
6.塗布型透明導電材料の現状と将来
6.1.塗布型透明導電材料の現状
6.2.最近の研究・開発動向
6.3.塗布型透明導電材料の将来
7.参考文献・著書紹介
【第2講】 透明導電性フィルムの開発動向と高温高湿耐久性、フレキシブル性向上
【講師】東洋紡株式会社 総合研究所 堅田フイルム技術センター リーダー 多々見 央 氏
【主旨】
透明導電膜として ITO(スズドープ酸化インジウム)がプラスチックフィルムに成膜された透明導電性フィルムがタッチセンサーやスマートウィンドウなどでよく使用されている。プラスチックフィルム基材に成膜された ITO 膜には課題がある。高温高湿下において抵抗値が安定しないことや、フレキシブル性と物理的耐久性の両立が困難なことが挙げられる。
本セミナーでは、プラスチックフィルムと ITO 膜の界面、ITO 膜の構造などに着目し、課題解決の方策について解説する。
【キーワード】
透明導電性フィルム、高温高湿耐久性、フレキシブル性、薄膜の密着性、薄膜の構造
【講演ポイント】
プラスチックフィルム上に成膜された ITO 膜特有の問題を、プラスチックフィルムと ITO 膜の界面、ITO 膜の構造などに着目し、課題解決の方策について解説する。
【習得できる知識】
透明導電性フィルムの高温高湿耐久性、フレキシブル性を付与する技術指針。
【目次】
1.透明導電性フィルムの技術課題
1-1 透明導電性フィルムについて
1-2 透明導電性フィルムの技術課題
2.透明導電性フィルムの高温高湿耐久性向上
2-1 ガラス基板とプラスチック基板の差異
2-2 プラスチック基板への付着力向上
2-3 プラスチック基板への高品位薄膜形成
3.透明導電性フィルムのフレキシブル性向上
3-1 透明導電性フィルムのフレキシブル性
3-2 透明導電膜の構造とフレキシブル性
4.まとめ
【第3講】 低抵抗透明導電性フィルムを実現するNANOWEB®ナノ金属メッシュ技術と5G通信・EMI対策・自動車AD/ADAS向けに実現される用途
【講師】コーンズ テクノロジー株式会社 テクニカルセンター アプリケーションサポートリーダー 川合 紘夢 氏
【主旨】
本講演では低抵抗・透明性・フレキシブル性に優れた透明導電性フィルム技術NANOWEB®をご紹介いたします。従来のITO(あるいはグラフェン、CNT、塗布型のAgナノワイヤ)といった透明導電性材料の代替技術として、これらを凌駕する優れた透過率と導電性を両立してご提供いたします。当材料は1µm以下のナノ幅の金属メッシュからなり、様々な基板に成膜可能(PETなどの柔らかいフィルムorガラスなどの硬い基板にも)。メッシュパターンを制御し、機能や特性も最適化可能です。また、このフィルムをロールの形で大量生産可能にするローリングマスクリソグラフィ(RML®)技術と、各種ご用途(透明アンテナ、5G向け電波反射フィルム、透明EMIシールド、自動車AD/ADAS向け透明ヒーター)をご紹介いたします。従来にない導電性により、これまでできなかった用途がご利用頂けるようになります。
【キーワード】
透明導電性フィルム,フォトリソグラフィ,メタマテリアル,メタサーフェス,透明ヒーター,AD/ADAS,自動運転,5G・6G通信,ミリ波,LiDAR,電気自動車,EMIシールド,電波シールド,電波反射,電波制御,高周波,ナノ技術,機能性フィルム
【講演ポイント】
ナノ幅の金属メッシュによる新しい透明導電性フィルムをご紹介。高い透明度と導電性により、これまでにない用途・機能を実現。5G/6G通信やEMI対策、自動車AD/ADAS用途などに活用できる様子を解説。
【習得できる知識】
最新の透明導電性フィルム技術情報
5G・6G通信向け材料の情報
CASEに向けた自動車・カーエレクトロニクス向け材料情報
【目次】
1.透明導電性フィルムNANOWEB®とメーカー企業META社のご紹介
2.ナノ金属メッシュにより実現される導電性と透明性
3.従来の透明導電性材料の課題とナノ金属メッシュ技術
4.ナノ金属メッシュのロールツーロール製造技術:ローリングマスクリソグラフィ技術
5.NANOWEB®により可能となる各種用途
5-1.5G・6G通信(透明電波反射フィルム)
5-2.電子機器のEMI対策(透明EMIシールド)
5-3.自動車AD/ADAS(透明アンテナ 透明ヒーター)