技術トレンドレポート「環境配慮型材料」vol.6
★ 近年のSDGsへの取り組みを中心に環境配慮型材料の最新の動向や各企業の取り組みをご紹介!!
★Vol.2で好評いただいた英国在住ジャーナリストのレポート第2弾!「欧州における軟包装回収システムと企業の取り組み」
★今号の特集「CO2を有効活用した循環型社会への取り組み」「環境配慮を踏まえた最新素材」
★今注目の企業をAndTechの開発研究アドバイザーがインタビュー&解説、他、カーボンニュートラルの特許出願動向も掲載!
執筆者
藤元 次郎 株式会社CO2資源化研究所 研究員/博士(医学)
湯川 英明 株式会社CO2資源化研究所 代表取締役CEO/CSO/農学博士
田村 正純 大阪公立大学 大学院工学研究科 物質化学生命系専攻 化学バイオ工学分野 准教授/博士 (工学)
大竹 研一 京都大学高等研究院 物質-細胞統合システム拠点 特定助教/理学博士
大江 貴裕 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 システムソリューション事業部SORPLAS事業室
シニアマテリアルリサーチャー
長野 学 キユーピー株式会社 研究開発本部 技術ソリューション研究所加工・包装研究部 チームリーダー
植草 貴行 株式会社AndTech 研究開発アドバイザー/博士(工学)/技術士(化学部門)
土屋 博隆 土屋特許事務所/弁理士
目次
第1章 欧州と英国における再生包装プラスチック製造のための資源回収と
食品小売業における再生プラスチックの取り組み
はじめに
1. ベルギー
2. スウェーデン
3. 欧州連合の義務
4. EU全域のデポジット返却システム
5. オランダ
6. フランス
7. スイス
8. 英国の小売業者によるソフトプラスチックへの取り組み:ケーススタディ
9. 商機の到来
第2章 CO2を有効活用した循環型社会への取り組み
第1節 新規バイオプロセスによるCO2の資源化
はじめに
1. バイオプロセスとは
1.1 バイオプロセスの黎明
1.2 我が国におけるバイオプロセス産業の興隆
1.3 米国の経済新戦略:バイオプロセス産業の育成
2. 米国におけるバイオプロセス産業の発展
2.1 第1世代バイオプロセス産業の開花(1990年代末~10年間)
2.2 第2世代バイオプロセス産業の育成と頓挫(2000年前後~2014年原油価格急落)
2.3 第3世代バイオプロセス産業の勃興(2015年~)ガス状炭素原料への熱い期待
3. UCDIのCO2資源化研究
3.1 「CO2を食べて育つ」UCDI水素菌
3.2 新規バイオプロセスに用いる菌株の開発
4. 新規バイオプロセスによるCO2を原料としたプラスチック(CO2プラスチック)の製造
4.1 CO2ポリ乳酸
4.2 CO2ポリエチレン
4.3 原料ガス(CO2 、水素)のコスト動向
おわりに
第2節 CO2とジオールを原料とした樹脂材料の研究開発動向
はじめに
1. CO2 を原料としたポリカーボネート合成
1.1 CO2 とジオールからの非触媒的ポリカーボネート合成
1.2 CO2 とジオールからの触媒的ポリカーボネート合成
1.2.1 酸化セリウムと脱水剤を組み合わせた触媒系を用いたポリカーボネート合成
1.2.2 酸化セリウムとガスストリッピングを組み合わせた触媒系を用いたポリカーボネートジオール合成
おわりに
第3節 CO2を有機分子に変換する多孔性配位高分子材料の開発
はじめに
1. 多孔性配位高分子とは
1.1 PCP/MOFによるCO2変換材料
2. PCP/MOFによるCO2とエポキシドの環化付加反応による化学固定化
2.1 ルイス酸部位を構造に持つPCP/MOFによるCO2固定化
2.2 ルイス酸部位とルイス塩基部位を構造に持つPCP/MOFによるCO2固定化
3. PCP/MOF によるCO2の光還元
3.1 PCP/MOF光触媒によるCO2還元
3.2 無機半導体・PCP/MOFハイブリッド触媒によるCO2還元
4. PCP/MOFによるCO2電解還元
おわりに
第3章 環境配慮を踏まえた最新素材
第1節 難燃性再生プラスチックで再生材率99%を実現して環境循環型社会に貢献
はじめに
1. ソニーが独自開発した難燃性再生プラスチック「SORPLAS」
1.1 独自難燃剤「PSS-K」
1.2 SORPLASの特長
1.3 各種SORPLASの開発とラインナップ
2. SORPLASの実用化事例と環境貢献
3. 未来に向けたSORPLASのさらなる可能性
おわりに
第2節 環境に配慮した容器包装の開発事例
はじめに
1. 有限な化石資源
2. 海洋プラスチックごみ
3. 気候変動
4. 生物多様性の保全
5. 循環経済(サーキュラーエコノミー)
6. キユーピーグループのサステナビリティ目標
7. リデュースの取組み
8. リサイクルの取組み(易分別性容器)
9. リニューアブルの取組み
10. 紙の取組み
おわりに
第4章 循環型社会を目指す企業の取り組み
アクリル樹脂のメカニカルリサイクル技術を活用した
環境配慮型アクリル板の事例~緑川化成工業株式会社~
はじめに
1. アクリル樹脂の市場と用途について
2. アクリル樹脂におけるリサイクルループ
2.1 ケミカルリサイクル
2.2 メカニカルリサイクル
3. 緑川化成工業におけるメカニカルルリサイクルの取り組み
3.1. 緑川化成工業の沿革と環境対応への取り組み
3.2 リアライト®の物性
3.3 リアライト®の用途
3.4 開発における技術的課題
3.5 今後の取り組み事例
4. マテリアルリサイクル以外の当社の環境問題における取組について
おわりに
第5章 環境配慮包装 関連特許出願状況
特許出願状況
カーボンニュートラル:二酸化炭素を原料とする化学反応
はじめに
1. 古典的反応
1.1 コルベ・シュミット反応
1.2 ヘンケル法
1.3 尿素の合成
2. 二酸化炭素を原料とする新たな化学反応
2.1 二酸化炭素と水素からメタンの合成
2.2 二酸化炭素からメタノールを合成する反応
2.3 二酸化炭素とアルケンとの反応によるカルボン酸誘導体の合成
2.4 二酸化炭素とアルキレンオキサイドの反応
2.5 アルキレンオキサイドと二酸化炭素によるアルキレンポリオールの合成
3. 二酸化炭素によるポリマーの合成
3.1 重合触媒
3.2 二酸化炭素のみからなるポリマー
3.3 二酸化炭素を原料とするポリマーからなる包装材料
4. 二酸化炭素の電気による還元
4.1 直接的電気還元
4.2 電気分解発生物と二酸化炭素の反応
5. 二酸化炭素を原料とする人工光合成反応
おわりに