AT20230427:軟包装パッケージングの国内外の最新動向とモノマテリアル化に向けた取り組み
★循環型パッケージの必要性と対応策や今後の軟包装材料の開発方向について解説!
★機能性コーティング剤、接着剤、フィルムによるモノマテリアル化、減層化や紙構成への転換、低環境負荷・低ランニングコストを実現する革新的な無溶剤型接着剤「DUALAM」や植物由来資源を活用した製品群による温室効果ガスの削減策を紹介!
★製品開発の中での3R+リニューアブルの実践事例、様々なステークホルダと取組む使用済み製品・容器の回収とその課題について解説!
※このテキストは2023年4月27日に実施したセミナー資料です。
執筆者
第1部 住本技術士事務所 所長 住本充弘 氏
第2部 株式会社湘南貿易 機械事業部 係長 菊地 剛 氏
第3部 味の素トレーディング株式会社 機材調達事業部 事業部長 金子 晴海 氏
第4部 ライオン株式会社 サステナビリティ推進部 中川 敦仁 氏
目次
【第1講】 軟包装パッケージ材料の国内外の最新動向
【講師】住本技術士事務所 所長 住本充弘 氏
【主旨】
軟包装材料の再生再利用に向けて海外では着々と体制が整ってきている。Recycled plasticsが欧州市場で食品接触用にOKとなり、世界への影響は大きい。PE recycling streamを有する欧州は、オレフィン仕様が第三者認証を得て顧客に採用されてきている。国内では認証制度はないが、包装食品の輸出には認証が必要である。日本は今後どのように対応していくか大きな課題を抱えてる。メカニカルリサイクル利用のRecycled plastics製造では脱臭対応及び無色の樹脂製造のアップサイクリングが進んでいる。包装製品のサプライチェーンで一貫したtrack & traceのシステム確立も進んでいる。海外事例を理解して国内対応を模索する。
【キーワード】
循環型パッケージ、循環型ポリマー、モノマテリアル、機能性フィルム、蒸着技術、小ロット生産、追跡技術
【ポイント】
世界の全ての包装材料は基本的にはrecyclable適性が必須となる。軟包装においては、包装設計の段階で内容物の保護性や機能性だけではなく再生再利用適性を考慮することになる。モノの開発において包装材料の原料から再生再利用までを見通した包装が求められてきている。事例を参考にしてより良い対応の軟包装材料を開発していきたい。
【習得できる知識】
循環型パッケージの必要性と対応策を理解できる。
これから必要な小ロット生産システムの考え方が理解できる。
Recycled Plasticsの利用についての配慮事項が分かる。
脱インク、デラミネーションの必要性が理解できる。
今後の軟包装材料の開発方向が把握できる。
【目次】
1.循環型パッケージに向けて
1-1 EU市場で食品接触用にRecycled Plastics使用がOK
EU2022/1616が発効された。日本への影響も大きい。発表内容の概略
1-2 Recycled Plasticsの第三者認証
EFSA申請は第三者認証が必要となる。日本からの輸出包装製品も対象。
2.Recycled Plasticsの供給体制が着々と進む海外
EU 市場では2030年には包装は全てrecycle適性が必要となる。日本の供給体制はどのようになるか。
2-1 メカニカルリサイクルに向けてのデラミネーション
2-2 デラミネーション用の印刷プライマー
2-3 脱インク技術
2-4 PCRの利用事例
2-5 国内のrecycled plasticsへの対応
3.機能性包材への対応
3-1 蒸着技術の展開
3-2 アルミ箔代替のバリア性及び遮光性対応
3-3 Bio-based Polymersの利用促進
循環型パッケージにおいて循環型ポリマーの利用が進み、石油由来のポリマーが減少の傾向となり、recycled plasticsやbio-based plasticsの利用が増加する。
4.新しい機能のフィルム
4-1 耐熱性アップのフィルム
4-2 Recycled Films
5.小ロット対応の生産技術
5-1 水性インクジェットデジタル印刷
5-2 ノンソルベントのDualシステム
5-3 モノマテリアル仕様の動き
6.Track & trace
6-1 ブロックチェーン技術
6-2 CO2排出量削減
まとめ
【第2講】 モノマテリアル化における機械装置の国内外の動向、使用上のポイント
【講師】株式会社湘南貿易 機械事業部 係長 菊地 剛 氏
【主旨】
弊社では、昨今ニーズが高まっておりますモノマテリアルフィルム開発のための縦延伸装置や、従来の電子照射装置と比較し、省スペース・低ランニングコストを実現した特許取得済の電子線照射装置等、ラボレベルから生産機まで様々なラインナップの装置を取り揃えております。
モノマテリアル化における機械装置の国内外の最新動向や用途例、各装置の特徴・使用上のポイント等を紹介させて頂きます。
【キーワード】
モノマテリアル化関連装置、モノマテリアルフィルム開発、環境配慮型フィルム製膜関連装置、電子線照射、縦収縮の少ない耐熱PEフィルム製造、卓上小型機から少量生産機
【ポイント】
モノマテリアルフィルム開発のための縦延伸装置や電子線照射装置の性能や特長、使用方法・用途例等を欧州の最新事情も踏まえてご説明し、モノマテリアルフィルム開発時の課題等に対し、弊社装置がどのようにお役に立てるかご説明致します。
【習得できる知識】
・モノマテリアルフィルム開発装置に関する知識
・モノマテリアル化のための電子線照射技術に関する知識
・欧州メーカーの各種フィルム製造技術
・モノマテリアル化における機械装置の国内外の最新動向や用途例、各装置の特徴・使用上のポイント
【目次】
1.はじめに
2.MDO付小型テスト装置紹介(ドイツ:COLLIN社)
3.MDOフィルム製造技術の紹介(オーストリア:SML社)
4.超多層ダイスによるモノマテリアルブローフィルムの製造技術紹介(イタリア:GAP社)
5.電子照射によるオレフィンフィルムの改質(スイス:SKAN社、米国:PCT社)
【第3講】 食品メーカーから見た軟包装設計の考え方と環境・リサイクルへの要望
【講師】味の素トレーディング株式会社 機材調達事業部 事業部長 金子 晴海 氏
【主旨】
食品に使われる包装材料の基礎知識を解説し食品流通のために包装が必要な理由を理解して頂く。食品を安全・安心に使用して頂くために必要な包装であるが、一方使われた後はゴミとして排出され環境に悪い影響を与える事がある。環境に悪い影響を与えないようにするためリサイクルを検討するが、その方法と課題について及び包装材料のユーザーとしての複合包装資材のリサイクル適正など資材メーカーに検討して頂きたい要望事項を話す。
プラスチック材料の紙化における包装設計の実例を紹介し設計における課題を共有する。
【キーワード】
包装、包材、環境、環境負荷低減、リサイクル、単一素材、複合包材、食品包材の課題、モノマテリアル、包装設計、プラスチックの紙化、
【ポイント】
味の素株式会社における環境対応を考慮した包装設計の基本的な考え方を解説し、食品包装における包装資材リサイクルにおける課題と要望を述べる。またプラスチック廃棄物ゼロ化に向けた薄肉化のための高機能樹脂の開発事例、プラスチックの紙化を目的とした開発事例を2例、消費者視点での包装設計について紹介する。
【習得できる知識】
食品に使用する包装資材の基礎知識。
包装材料のリサイクルの方法と課題を習得し、解決方法について知識を得る。
食品に使用される複合包装材料に対するリサイクル課題と要望を知る。
プラスチック包装材料の紙化に向けた包装設計。
【目次】
1.会社紹介
1-1 味の素株式会社 紹介
1-2 味の素株式会社 環境ビジョン
2.軟包材の基礎知識
2-1 軟包材に使われる材料とその特性
2-2 積層包材に使われる各層の機能
3.環境負荷低減のための包装材料
3-1 包装材料が環境に与える影響
3-2 環境負荷を低減する包装材料とデザイン:リサイクル
3-3 環境負荷を低減する包装材料とデザイン:バイオマス, 溶剤フリー, 生分解性物質、森林認証紙
4.包装設計事例
4-1 「ほんだし® 」8g小袋品種:薄肉化のための高機能樹脂の開発
4-2 「Pal Sweet® Slim Up Sugar®」:紙化における包装設計
4-3 「味の素®」「ハイミー®」袋品種:紙化検討
4-4 「アミノバイタル® アミノショット®」:顧客視点での包装設計
【第4講】 日用品メーカーのプラスチック資源循環への取組み ~モノマテリアル・リサイクルなどへの環境対応に向けて~
【講師】ライオン株式会社 サステナビリティ推進部 中川 敦仁 氏
【主旨】
プラスチックを使用した製品を展開する事業者にとって、資源循環社会への挑戦は、将来の事業を大きく変える可能性があります。本講演では、製品開発の中での3R+リニューアブルの実践事例、様々なステークホルダと取組む使用済み製品・容器の回収についてお話し、その課題などについて議論したいと思います。
【キーワード】
リサイクル、企業連携、資源循環、実証実験、プラスチック、製品、容器包装
【ポイント】
日用品メーカーの包装開発に25年従事した包装技術者が、使用済みプラスチック製品・容器のリサイクルにトライしている実務事例から資源循環社会実現に向けた議論をしたいと思います。
【習得できる知識】
使用済み製品・容器のリサイクルに関する事例やその課題
【プログラム】
1.ライオンの紹介
1-1 パーパスドリブン経営
1-2 環境目標「LION Eco Challenge 2050」と「ライオングループ プラスチック環境宣言」
2.ライオンのプラスチック使用状況
3.ライオンの製品開発を通じた資源循環への取り組み
3-1 事業・製品への施策マッピング
3-2 パッケージ開発
3-3 つめかえ品の普及・製品濃縮化の状況とプラスチック削減効果
3-4 代替材料活用の取組
4.ライオンのリサイクル活動
4-1 容器包装リサイクル協会を通じた活動
4-2 つめかえパウチ容器のリサイクル活動
4-3 つめかえボトル容器のリサイクル活動
4-4 ハブラシのリサイクル活動
5.企業連携活動をしてみて