AT202304272:サーマルインターフェースマテリアル(TIM)・高放熱材料の開発動向と要求特性・車載電子機器などへの応用展開

★車載電子製品の特長に合わせた事例に基づきTIMに必要な特性を理解いただけるよう解説!
★シリコーンの特性や放熱材料を扱う上で必要な知見、そして高性能化へのアプローチについて紹介し、開発展開する放熱材料のラインナップを紹介!

※このテキストは2023年4月27日に実施したセミナー資料です。

番号
AT202304272
発行年月
2023/04/27
体裁
A4判, 92ページ
フォーマット
紙版
定価
27,500 円(本体25,000円+消費税、送料込)
冊数:

執筆者

第1部  株式会社デンソー  半導体基盤技術開発部  神谷 有弘 氏
第2部  信越化学工業株式会社  シリコーン電子材料技術研究所 第二部開発室 TIMグループ グループマネージャー  手塚 裕昭 氏
第3部  古河電工パワーシステムズ株式会社  第二事業部 エフコ製造部 開発課 課長  野村 伸吾 氏

目次

【第1講】 車載電子製品の放熱・耐熱技術とTIMへの要求性能
【講師】株式会社デンソー 半導体基盤技術開発部 神谷 有弘 氏

【主旨】
 車両のEV化が加速し、電子制御システムの重要性が増しています。多くの車載電子製品が搭載されそれぞれ小型軽量化を求められ、熱設計は厳しくなる一方です。そこで、放熱対策として使われるTIMは、さまざまな種類が開発されていますが、各特性を理解して最適なものを使いこなすことが必要です。適用製品の特長に合わせた事例に基づきTIMに必要な特性を理解いただけるよう解説いたします。
 熱設計の原理を理解し、接触熱抵抗の重要性とその応用としてのTIM材への適用を理解できる。放熱設計は製品全体 (製品の使い方を含む) の視点から考えることの重要性を理解できる。

【目次】
1.カーエレクトロニクスの概要
 1-1 クルマに求められる価値
 1-2 環境対応と安全性向上(自動運転技術)
2.車載電子製品と実装技術への要求
 2-1 小型軽量化の背景
 2-2 高信頼性
3.小型実装技術
 3-1 小型化と熱設計の関係
 3-2 センサの小型実装
 3-3 ECU製品の小型実装
 3-4 アクチュエータ製品の小型化
 3-5 Jissoとは
4.熱抵抗の考え方とTIMの特性
 4-1 熱設計所大切さ
 4-2 熱抵抗とは
 4-3 熱の伝わり方
 4-4 接触熱抵抗のモデル
 4-5 低接触熱抵抗のためには
5.電子製品の放熱・耐熱技術とTIMの特性
 5-1 半導体の耐熱設計
 5-2 熱設計の考え方
 5-3 樹脂基板製品の放熱性向上
 5-4 TIM材料特性を理解する
 5-5 バランスの取れた材料開発の重要性
6.パワーデバイス放熱構造とTIMの特性
 6-1 パワーデバイスの放熱構造の動向
 6-2 両面放熱構造におけるTIMの特性
 6-3 直接片面放熱構造の事例
 6-4 インバーターにおけるサーマルシートの役割
7.将来動向
 7-1 車両の電子化の進展と電子プラットフォーム設計
 7-2 ワイドバンドギャップ (WBG) 半導体への期待
 7-3 WBGのインバーターへの適用展開の課題
 7-4 最適なカーエレクトロニクス製品開発のために


【第2講】 シリコーン放熱材料の技術・開発動向
【講師】信越化学工業株式会社 シリコーン電子材料技術研究所 第二部開発室 TIMグループ グループマネージャー 手塚 裕昭 氏

【主旨】
 放熱材料(TIM: Thermal Interface Material)は、電子部品の発熱部位と冷却システム間に介在し、熱を効率よく逃がすことで電子部品の性能低下・破損・誤作動など防ぐために用いられる。
 電子機器の小型化・高集積化に伴い実装部品の発熱量は増加傾向にあり、熱対策として放熱材料の需要は非常に高まっている。さらに、車の電動化や自動運転化により電装部品の搭載が進み、その用途がら高い信頼性の要求に耐える材料が求められるようになった。
 当社は耐熱性・耐候性・耐寒性・柔軟性といった特徴を有するシリコーンをベースとした放熱材料を開発を推進している。本講座では先ず、ベースとなるシリコーンの特性や放熱材料を扱う上で必要な知見、そして高性能化へのアプローチについて紹介する。次に、材料設計思想(コンセプト)とそれに基づいて当社が開発展開する放熱材料のラインナップ(グリース、プリキュアード、ギャップフィラー、シート等)について説明する。

【キーワード】
低熱抵抗率、高熱伝導率、熱伝導性フィラー、耐熱性

【目次】
1.シリコーン放熱材料の概要
 1-1 放熱材料とは
 1-2 シリコーンの特性
 1-3 放熱特性について
2.放熱材料の高性能化
 2-1 高熱伝導率化(フィラーの最適化)
 2-2 接触熱抵抗の低減
3.シリコーン放熱材料の技術・開発動向
 3-1 材料の設計(コンセプト)
 3-2 当社液状放熱材料(グリース、プリキュアード、ギャップフィラー)の紹介
 3-3 当社加工品(高硬度シート・低硬度パッド・フェイズチェンジマテリアル)の紹介




【第3講】 高熱伝導放熱シート(TMシート)の開発動向と課題
【講師】古河電工パワーシステムズ株式会社 第二事業部 エフコ製造部 開発課 課長 野村 伸吾 氏

【主旨】
 一見平滑に見えるICチップなどの発熱体や、ヒートシンクなどの放熱部材もミクロにみると微小な凹凸が存在する。この微小な凹凸部に入り込む空気は断熱性が高いため、発熱体から放熱部材へのスムーズな熱の移動を阻害する要因となる。この微小な凹凸を、空気よりも熱伝導性の高い素材で埋めるためにTIM(Thermal Interface Material)が存在する。
 本セミナーではユーザーから実際に集めた要望事項からTIMの開発動向を示す。また、基本的なTIMの設計思想を解説しながら、ユーザーの要望を満たすための技術的な課題を示し、TIMに用いられる材料に対する要望事項を解説する。

【キーワード】
TIM、放熱、放熱シート、ゴム、熱伝導、TIM設計

【ポイント】
ユーザーのVOC(Voice Of Customer)から得られたTIM(Thermal Interface Material)に対する要望と、それをベースとした開発動向及び技術的な課題を解説する。ゴム状TIMに用いられる材料への要求事項を理解することができる。

【習得できる知識】
・基本的なTIMの役割と種類
・TIM材料の設計思想
・VOCから得られる技術動向
・TIM材料に求められる開発要件

【もくじ】
1.導入
 1-1 古河電工パワーシステムズ 会社概要
 1-2 電線接続部材メーカーが放熱シートを開発した背景
2.TIM(Thermal Interface Material)とは
 2-1 TIMの役割
 2-2 TIMの種類
3.古河電工パワーシステムズ製TIM TMシート?
 3-1 TMシート?の特徴
 3-2 TMシートが活躍する業界
4.TMシートの開発動向と課題
 4-1 顧客の要望と変化
 4-2 基本的な熱伝導の概念
 4-3 基礎特性の向上に関する課題
 4-4 暗黙要求事項とのトレードオフに関する課題