AT20230713:次世代バイオ燃料の基礎・製法と国内外動向、課題、将来展望

★カーボンニュートラル実現に向けて大きな期待が寄せられるバイオエタノール、バイオディーゼルについて
 最前線で活躍する著名専門家4名による次世代バイオ燃料の動向、産業展開、課題、将来展望も含めて解説予定!
★次世代バイオ燃料の現状の課題(原料供給問題など)を整理後、将来性についても解説予定!
★航空・自動車・産業界(トヨタ・ENEOS等)の取り組み事例も解説予定!

※このテキストは2023年7月13日に実施したセミナー資料です。キャッチコピーに関しては講座のコピーをそのまま活用しております。
 商品としては講師の提供可能な発表資料(PDF、PPT)等を分割印刷したものであり、スライドの説明がないものがあります事、ご了承ください。
 こういった製品の性質上、十分に理解をいただき、ご購入をご検討ください。


番号
AT20230713
発行年月
2023/07/13
体裁
A4判, 106ページ
フォーマット
紙版
定価
33,000 円(本体30,000円+消費税、送料込)
冊数:

執筆者

第1部  たかぎち事務所  代表  財部明郎 氏
第2部  アメリカ穀物協会  日本代表  浜本 哲郎 氏
第3部  東京大学  名誉教授  横山 伸也 氏
第4部  日本環境エネルギー開発株式会社 代表取締役社長  アメリカ穀物協会アドバイザー・(株)AndTech 顧問  澤 一誠 氏


目次

【第1講】 第一・二世代のバイオエタノールとバイオディーゼル、基礎と製造、品質、技術動向
【講師】たかぎち事務所 代表 財部明郎 氏

【主旨】
深刻度を増す気候変動に対処するため、各国は脱炭素が急ピッチで進められています。その方法のひとつとして、燃やしても空気中のCO2を増やさない再生可能エネルギーとしてバイオ燃料が挙げられます。このバイオ燃料の中でも自動車用として、ガソリン代替のバイオエタノール、軽油代替のバイオディーゼルが世界的に普及しており、その生産量も増加しつつあります。特に最近は従来のエンジン技術がそのまま使える燃料としても注目を浴びています。本講座では、これらの自動車用バイオ燃料の原料、製造技術、品質および現在開発が進められている第二世代といわれる技術と実用化の可能性について、専門家でなくても理解できるように平易に解説していきます。

【キーワード】
バイオ燃料、バイオディーゼル、バイオエタノール、第二世代、セルロース、脱炭素、気候変動、地球温暖化、自動車燃料、カーボンニュートラル、再生可能エネルギー、ICE

【PRポイント】
講演者はENEOS総研で十数年に渡って、バイオ燃料を始めとする脱炭素燃料についての調査を海外も含めて行ってきました。講演ではガソリン、軽油の代替となる自動車用バイオ燃料の製造、品質、開発状況等技術的な側面について、専門家でなくても理解できるよう、平易に解説します。

【習得できる知識】
第一世代、第二世代のバイオエタノール、バイオディーゼルについて、原料、品質、製造方法、メリットと問題点、今後の技術開発動向など、技術面の知識を網羅的に習得できる。

【目次】
1.バイオエタノール
 1.1 バイオエタノールの物性と品質
 1.2 バイオエタノールの作り方 穀物、糖、濃縮技術
 1.3 バイオエタノールの自動車燃料としての使用
  1.3.1 バイオエタノールとガソリンの違い
  1.3.2 バイオエタノールをガソリンに混合した場合の問題点

2.ETBE
 2.1 ETBEはバイオエタノールの問題点を克服する
 2.2 ETBEの作り方

3.第二世代バイオエタノール(セルロースエタノール)
 3.1 第二世代バイオエタノールの原理
 3.2 生化学法の製造プロセス
 3.3 米国の開発プロジェクト
 3.4 第二世代バイオエタノールの原料は草や木

4.バイオディーゼル(FAME)
 4.1 バイオディーゼルとは
 4.2 ディーゼル燃料として必要な品質
 4.3 バイオディーゼルの作り方
 4.4 バイオディーゼルの利点

5.第二世代バイオディーゼル(HVO)
 5.1 第一世代の問題点
 5.2 第二世代バイオディーゼル(HVO)の登場
 5.3 HVOは優れた品質を持つ
 5.4 HVOからSAF、バイオナフサへ

まとめ 自動車用バイオ燃料の将来 ICEの救世主になるか


【第2講】 米国・世界のバイオエタノールの現状と日本での利用への期待
【講師】アメリカ穀物協会 日本代表 浜本 哲郎 氏

【主旨】
地球環境対策の一環として、カーボンニュートラルに貢献するエネルギーとしてのバイオエタノールへの期待が高まっている。米国では主にトウモロコシを原料とする世界最大のバイオエタノール生産国になっており、世界各国でもその生産と利用が進んでいる。バイオエタノールは、地球環境保護やエネルギー供給源の多元化以外に、農作物の利用拡大による農業振興にも貢献している。

【キーワード】
バイオエタノール、トウモロコシ、カーボンニュートラル、農業振興、家畜飼料

【PRポイント】
米国は世界最大のバイオエタノール生産、利用国である。一方で原料となるトウモロコシは世界最大の生産、消費がされる農作物であり、その供給は毎年右肩上がりで伸びてきている。今後も農業とバイオエタノール生産の成長についてのウィンウィンの関係が続くことが期待されている。
このように米国では、バイオエタノールは地球温暖化対策に寄与するだけでなく、農業の発展も支えてきた。この例は、カーボンニュートラルへのメリット以外にも、農作物の市場創生、産業としての活性化を通じた、日本の農業振興の将来を考える際の参考の一つとなると考える。

【習得できる知識】
日本で知られていない、世界中でのバイオエタノールの利用
将来のバイオエタノール利用への期待
バイオエタノールの環境保護への貢献
バイオエタノール生産は農業振興にも貢献

【目次】
1.バイオエタノール産業と生産
 1.1 バイオエタノールとその原料
 1.2 バイオエタノールとその原料生産の歴史と発展
 1-3 米国でのバイオエタノール生産
 1-4 トウモロコシ原料バイオエタノールの併産物利用

2.カーボンニュートラルに貢献するエネルギーとしてのバイオエタノール
 2.1 バイオエタノールによる温室効果ガス排出削減
 2.2 バイオエタノール生産での温室効果ガス排出削減関連技術とその将来

3. バイオエタノール利用の現状と将来
 3.1 米国と世界各国でのバイオエタノール利用の現状
 3.2 バイオエタノール利用の将来像

4. 日本でのバイオエタノール利用の可能性
 4.1 バイオエタノール利用の現状
 4.2  バイオエタノール利用の環境対策と農業振興への貢献可能性と将来


【第3講】 カーボンニュートラル社会実現に向けた航空燃料と合成燃料
【講師】東京大学 名誉教授 横山 伸也 氏

【主旨】
2050年のカーボンニュートラルに向けて世界が動いています。わが国も2030年には、2013年基準でCO2を―46%削減し2050年には実質的にCO2排出量をゼロにするという目標を掲げています。CO2を削減するには、化石燃料の使用をやめなくてはなりませんが、航空燃料や自動車には液体燃料を使わざるをえません。このためには、少なくとも2050年までの過度期にはバイオ燃料が必要となります。ここではカーボンニュートラル社会実現のために、バイオマス由来の持続可能な航空燃料(SAF)と自動車用の合成燃料(e-fuel)の製造法やその課題について解説します。バイオマス資源量についても、言及します。

【キーワード】
持続可能な航空燃料(SAF)、合成燃料(e-fuel)、CORSIA、DAC、バイオマス資源量

【PRポイント】
長年、バイオマス研究に従事しており、バイオマス由来のSAFについ、その製造法や課題について解説します。バイオマス資源に対する期待は高まる中、そのポテンシャルについては余り触れられることがありません。わが国でどのようにして、バイオマス資源を増産するかについても私見を述べる積りです。

【習得できる知識】
持続可能な航空燃料(SAF)の製造法や課題、合成燃料(e-fuel)の製造法や課題、CO2削減効果、バイオマス資源の賦存量と有効活用量

【目次】
1.航空燃料
 1.1 航空業界からのCO2排出量
 1.2 SAFの役割 
 1.3 SAFの認証
 1.4 ASTMに認証されたSAF

2. SAFの製造プロセス
 2.1 FT-SPK
 2.2 HEFA-SPK
 2.3 ATJ
 2.4 CHJ
 2.5 HC-HEFA-SPK

3.SAFのCO2削減効果

4.国内外のSAFの開発状況
 4.1 国内事例
 4.2 世界の事例

5.SAFの需要、市場規模、課題

6.合成燃料
 6.1 製造プロセス 
 6.2 H2とCO2の調達
 6.3 FT合成
 6.4 MTG法
 6.5 製造コスト

7.バイオマス資源量
 7.1 グローバルな資源量と国内資源量
 7.2 バイオマス資源量の増産


【第4講】 合成燃料への架け橋となるバイオエタノールの市場動向と今後の展開、業界の課題
【講師】日本環境エネルギー開発株式会社 代表取締役社長 アメリカ穀物協会アドバイザー・(株)AndTech 顧問 澤 一誠 氏




【講演主旨】

バイオマスネルギーは輸送用バイオ燃料とバイオマス発電で夫々10兆円規模のグローバル市場が既に形成され、再生可能エネルギーの中でもメジャーな存在となっていますが、日本での普及は未だ限定的です。バイオマスエネルギー導入の背景は「エネルギー政策(エネルギーポートフォリオ)」、「農業政策(6次産業化)」、「環境政策(CO2削減)」の3つで、欧米起点のグローバルな戦略産業として産業振興・雇用創出の観点から政策的に導入が図られています。 日本では国内資源が限られている為にバイオマスエネルギーの普及がなかなか本格化しませんが、今後はバイオマス資源の豊富なアジア諸国との連携によって日本及びアジア地域に於いてバイオマスエネルギー産業の普及(Asia Biomass Communityの実現)を図るべきであると考えます。 本講座ではバイオエタノール(E10) 導入の最新動向を中心にお話します。

【キーワード】
 ・バイオマスエネルギー ・バイオマス発電 ・液体バイオ燃料

【PRポイント】
バイオエタノール(E10) 導入の最新動向

【プログラム】
1.モータースポーツで使用されるバイオエタノール混合燃料
2.世界のバイオエタノール混合燃料の導入状況 日本では未だ E1.7
3.相当と世界最低水準 2022年5月23日「日米首脳共同声明」でのコミットメント
4.エネルギー安全保障政策としての有効性の考察
5.ガソリン価格抑制策としての効果 (E10 vs ガソリンのコスト比較)
6.E10を導入するにあたっての課題と対応策
7.次世代車+E10 導入による2030年度のCO2削減量の試算
8.合成燃料への展開とバイオエタノールプラットフォーム
9.CO2排出量のカウントに関する IPCCルール
10.国産バイオエタノールの可能性について
11.第二世代バイオエタノール製造技術開発プロジェクト
12.トヨタ・ENEOS等6社の取組み (エタノール / e-fuel 製造技術開発)
13.”Asia Biomass Community” 構想
14.今後の課題