車載用太陽電池の技術動向と曲面設計・ 評価試験・損失低減に向けた課題・将来展望 ~日射量測定・部分影影響・車体・移動体に向けた曲面太陽電池PVの評価試験・国際標準化~
★新型太陽電池で予想される諸課題(特に車載応用で顕著になる点)とは。社会実装のための基盤整備はどの程度進んでいるか。国際標準化の動きはどうなっており、いつ、どんな国際規格が成立する見込みか。
★曲面太陽電池の特性はなぜ特異なのか。曲面モジュールに発生する応力と破壊過程は。セルサイズ・被覆方法設計の最適化手法、何がトレードオフになっているか、設計フローは?
★市場動向、搭載の課題、どういった自動車であれば搭載の可能性があるのかなどを、本テーマの第一人者が講演いたします!
※このテキストは2023年8月30日に実施したセミナー資料です。キャッチコピーに関しては講座のコピーをそのまま活用しております。
商品としては講師の提供可能な発表資料(PDF、PPT)等を分割印刷したものであり、スライドの説明がないものがあります事、ご了承ください。
こういった製品の性質上、十分に理解をいただき、ご購入をご検討ください。
執筆者
宮崎大学 工学教育研究部環境・エネルギー工学研究センター 担当特別教授 荒木 建次 氏
目次
太陽電池の車載応用の最新動向・曲面化の課題と試験方法、解析方法、国際規格
【講師】宮崎大学 工学教育研究部環境・エネルギー工学研究センター 担当特別教授 荒木 建次 氏
【主旨】
太陽電池搭載乗用車、および車載太陽電池については、特に新型太陽電池の応用先として一時期喧伝されたが、Sono Motorsの太陽電池搭載車の挫折に見られるように、単純な様相ではなくなってきている。一方に於いて、トラックやバスなどの大型車への適用では、燃料費削減の経済効果が認められ、普及が急速に進みつつある。
大型車の例から見るように、太陽電池と車両の組み合わせには明らかな経済的メリットと市場が存在する。しかし、高性能・新型太陽電池を搭載すれば新市場となるといった楽観的な技術開発では成功に至るとは思えない。何が課題であるか、個々の課題の重要度はおよび難易度はどの程度か、製品価値の定量化、およびその試験方法はどのようにして行うか、新型太陽電池で予想される諸課題(特に車載応用で顕著になる点)、社会実装のための基盤整備はどの程度進んでいるか、国際標準化の動きはどうなっており、いつ、どんな国際規格が成立する見込みか、等を明らかにしたい。
【キーワード】
EV、ソーラー、充電ステーション問題、曲面太陽電池、太陽電池トラック、太陽電池バス、車載太陽電池試験方法
【ポイント】
車載太陽電池技術の全分野を守備範囲としているだけでなく、車載太陽電池の国際標準化プロジェクトチームの議長として公正な試験方法の開発と国際合意を目指している。車載太陽電池の技術課題を冷静、かつ、定量的に紹介する。
【習得できる知識】
車載太陽電池、太陽電池搭載車の技術課題、性能、価値、試験方法、設計手法
【プログラム】
1.太陽電池、太陽電池搭載車に関する最近の報道
1-1 欧・米・中での太陽電池搭載乗用車、乗用車搭載用太陽電池研究開発の光と闇
1-2 なぜ、大型車への太陽電池搭載が注目されているか
1-3 総括: 現在の太陽電池価格水準で見ると、メリットは明白なはず、では、なにが過剰期待だったのか、どこで挫折したのか、どのように立て直ししなければならないのか
2.乗用車への太陽電池搭載のメリットを定量化してみた
2-1 発電量: 普通のソーラーパネルとどの程度違うか、発電量が低い原因は何か
2-2 日射量: 車載面の日射量はどのように計測するか、街区などの差でどのくらい異なるか、世界各地での各街区(市街地、郊外、高層ビル群)でどのように算定するか
2-3 空調問題: 発電させるためわざわざ日向に駐車させる必要あるのか、日陰に駐車したらだめなのか
2-4 部分日陰・動的日陰: 発生モードの分類と作用、街区毎の発生確率、部分日陰発生時の発電量への影響(期待値)
2-5 タンデム太陽電池を車載応用したらどうなるのか
3.曲面太陽電池の闇 ― 乗用車の屋根は曲面(非展開面)であり、この課題は重い、トラックなどの大型車では不問
3-1 曲面太陽電池の特性はなぜ特異なのか ― 太陽電池のほぼ全ての公式は平面を前提にしている
3-2 微分幾何学をベースとした基本的な解法
3-3 車体曲面の統計的モデル化と曲面形状差による特性への影響
3-4 曲面モジュールに発生する応力と破壊過程
3-5 非展開面曲面被覆のためのセル設計
3-6 セルサイズ・被覆方法設計の最適化手法、何がトレードオフになっているか、設計フローは?
4.試験方法、解析方法、国際規格
4-1 標準化の枠組み
4-2 性能評価試験方法(曲面太陽電池をどのように試験するか)
4-3 環境試験方法
4-4 国際標準化の時期、内容