高分子材料における添加剤の種類、 作用機構と選択・配合設計の基礎

★高分子材料の性能や機能に対応する添加剤の必要性について解説するとともに、材料開発の成否に関係するいくつかの事例についても紹介!


※このテキストは2023年8月31日に実施したセミナー資料です。キャッチコピーに関しては講座のコピーをそのまま活用しております。
 商品としては講師の提供可能な発表資料(PDF、PPT)等を分割印刷したものであり、スライドの説明がないものがあります事、ご了承ください。
 こういった製品の性質上、十分に理解をいただき、ご購入をご検討ください。

番号
AT20230831
発行年月
2023/08/31
体裁
A4判, 34ページ
フォーマット
紙版
定価
22,000 円(本体20,000円+消費税、送料込)
冊数:

執筆者

元住友化学  株式会社AndTech 技術顧問  今井 昭夫 氏

目次

【講師】元住友化学 株式会社AndTech 技術顧問 今井 昭夫 氏


【主旨】
 現代社会においては日用品から耐久消費財まで各種の高分子材料が使用されており、用途に応じた性能・機能を発揮できる材料が選択され、開発されている。これらの各種機能を発現し、更に使用期間中に材料の劣化・変質を防止し得るためには、原材料としての高分子の種類の選択とともに、各種の添加剤の適正な適用が必須条件となっており、材料開発においても添加剤処方・配合設計が重要な技術開発テーマである。市販されている添加剤の種類も多岐に渡り、初任者にとっては、選定の拠り所を得ることも難しくなっている。

 本講座では、高分子材料の性能や機能に対応する添加剤の必要性について解説するとともに、材料開発の成否に関係するいくつかの事例についても紹介して、初任者の理解を深める機会を提供する。

【キーワード】
ポリマー変質、酸化劣化、光劣化、酸化防止剤、光吸収剤、難燃剤、滑剤

【ポイント】
一般社会では高分子材料は劣化変質し難い材料と認識されているが、合成高分子化合物自体は、光や酸素の影響で容易に劣化・変質する。工業的に提供されている高分子材料が変質せずに長期安定的に使用可能であるのは、各種の安定化剤・添加剤が加えられていることによる。高分子材料(樹脂・ゴム)の種類に対応した添加剤の最適処方を設計するには、高分子種毎の変質・劣化機構を知り、有効な添加剤種を選定して、適正量の添加を計画することが重要であり、このためには、業界で蓄積されてきた技術情報を整理して理解することが好ましく、本講座は、そのための一助となり得る。

【習得できる知識】
高分子材料の劣化・変質の機構
劣化・ 変質防止の考え方
添加剤の種類と特性
添加剤処方設計の考え方
添加剤による高分子材料の機能性の発現
添加剤の過剰添加による品質問題発生事例
配合剤・充填剤の複合化と添加剤
異種ポリマーのブレンドにおける添加剤

【プログラム】
1.高分子材料開発と添加剤配合処方設計
 1.1 高分子材料の変質劣化
  (a)酸化劣化
  (b)光(酸化)劣化
  (c)加水分解
  (d)酸性・塩基性物質による劣化
  (e)放射線・電子線による劣化
  (f)電場による劣化
  (g)微生物による劣化
 1.2 高分子材料の機能性付与
  (a)難燃性付与
  (b)帯電防止
  (c)防曇性付与
  (d)摺動性付与
 1.3 高分子材料の物性改良
  (a)強度向上
  (b)柔軟性付与
  (c)剛性度付与
  (d)耐衝撃性付与
  (e)熱伝導性付与
 1.4 高分子材料の成形加工性付与
  (a)流動性付与
  (b)潤滑性付与
  (c)結晶造核性制御
2.添加剤の種類と特性
 2.1 酸化防止剤の化学構造と機能
    フェノール系酸化防止剤、リン系安定剤、硫黄系安定剤
 2.2 紫外線吸収剤、光安定剤の化学構造と機能
 2.3 可塑剤の種類と機能
 2.4 難燃剤の種類と機能
 2.5 帯電防止剤
 2.6 滑剤
 2.7 可塑剤
 2.8 結晶核剤
 2.9 防曇剤
 2.10 衝撃強度向上材
 2.11 弾性率向上材
3.添加剤配合処方設計上の留意点
 3.1 添加剤の安定性
 3.2 添加剤の過剰添加による漏出(ブリード・ブルーム)の防止
  (a)添加剤の選択、高分子量化添加剤、高分子化添加剤の事例
  (b)基材高分子材料との相溶性・混和性
  (c)ポリマーアロイの考え方の援用による拡散経路長の延伸とコントロールリリース化
 3.3 異種添加剤の組合せによる添加量削減
4.まとめとQ&A