〈電子版〉機能性フィルムにおける基礎・最新動向とスロット塗工技術 ~製造安定化とトラブル対策~
★機能性フィルムの開発やコーティング、製造に携わる人のための、理論と現場の実践を交えた参考書
★Roll To Roll塗工の開発から製造まで、式や図表で分かりやすく解説
★スロット塗工の実践、製造安定化とトラブル対策、Roll To Roll塗工の異物対策などの諸問題を分かりやすく解説
★最新の事例も紹介!リチウムイオン電池のドライプロセス化、全固体電池の乾式コーティング、OLEDにおける静電噴霧方式なども掲載しております。
執筆者
AndanTEC 浜本 伸夫
【経 歴】
1968年 札幌生まれ
1992年 北海道大学大学院工学研究科合成化学工学専攻修士課程修了
1992~2013年 富士フイルム株式会社
2013~2019年 サムスン電子株式会社
2019~2021年 農心グループ 栗村化学株式会社
2021年 米Zymergen Co. Ltd., Technical Manager
2022年~2023年 ミドリ安全株式会社 商品開発部 ジェネラルマネージャー
2023年 AndanTEC代表として起業
顧客企業の技術支援、月刊誌(コンバーテック)への連載、Roll
To Roll関連のオンライン・対面セミナー人気講師として現在に至る。
【専門のキーワード】
塗布・スロットダイ、バー塗工、グラビア塗工、乾燥・Roll To Roll、静電気、
クリーンルーム、トラブルシューティング 、可視化
目次
第1 部 スロットダイ設計の基礎と応用
1. 塗工分野におけるスロット塗工の位置付け
1-1. フィルム製品の歴史と分類
1-2. 種々の塗工方式と塗工範囲
1-3. 前計量と後計量
1-4. 前計量の塗工方式は三種しかない
2. スロット塗工による薄塗りと厚塗り
2-1. スロットダイの構造
2-2. 薄層塗工の理論と実際
3. 同時重層塗工
3-1. 重層スロットダイ
3-2. 粘度バランス
3-3. 中間リップの流動(上下層の界面位置)
3-4. 留意点
4. テンションド・ウェブ方式
4-1. リップ形状とフィルムにかかる面圧
4-2. 塗工可能領域
4-3. スロット渦とWet膜厚
4-4. リップ形状と塗工可能領域
5. スロットダイ内部構造の設計
5-1. 構造の分類
5-2. マニホールドとスロットの役割分担
5-3. マニホールドとスロットの流動(円管と平行平板間のHagen-Poiseuille式)
5-4. 塗布量分布を生じる要因
5-5. 塗布量分布を均一化する方法
5-6. 塗工端部の厚み調整方法
6. 塗工液の非ニュートン粘性と剪断速度
6-1. 指数則(Power Law)
6-2. 塗工位置と剪断速度
6-3. Couette-Poiseuille式によるビード部の剪断速度の見積もり
6-4. Sakiadisの境界層理論による動的接触点近傍の剪断速度の見積もり
7. 非ニュートン粘性を考慮したスロットダイ設計
7-1. スロット偏差起因の塗工量分布への影響
7-2. マニホールド圧損起因の塗工量分布への影響
第2 部 機能性フィルム塗工における製造安定化とトラブル対策
8. 塗工時に発生する欠陥と対策
8-1. 調送液要因
8-2. 塗工スジ
8-3. ハジキ
9. 塗工後に発生する面状不良と対策
9-1. 乾燥設備の概要
9-2. 風ムラ
9-3. レベリングによる改善効果
10. 原因を絞り込む工程分離
10-1. 塗布前か塗布後か?
10-2. 塗布液かフィルムか?
10-3. 塗布部か送液か調送液か?
10-4. 原反か巻出し後か?
10-5. トラブル時のアクション
10-6. 工程分離の仕掛け
11. トラブルの分類と対応(設備・品質・技術)
11-1. ロットスケールと頻度
11-2. 素材の評価と補償
11-3. 先発テスト
第3 部 Roll To Roll 塗工の異物対策
14. クリーンルームの空調
14-1. クリーン度の分類(ISOとUS規格)
14-2. クリーンエアを供給するHEPAとULPA
14-3. 空調の換気頻度(部屋サイズと風量)
14-4. クリーン度の診断
14-5. 塗工室の気流
14-6. クリーンルームの床(色と構造)
14-7. 最新の技術(旋回流と上昇気流の組合せ)
15. 人からの発塵対策
15-1. 着替えフロー
15-2. 脱衣更衣室(外着から無塵インナーウェアへ)
15-3. クリーン更衣室(無塵衣の装着)
15-4. 洗浄(手袋・靴底)
15-5. 粘着マット(有効な設置箇所・よくある間違い)
15-6. エアシャワー(ノズル向きと基本姿勢)
16. 異物の解析
16-1. 製品毎の代表的な異物欠陥
16-2. 工程中の発塵による異物
16-3. オンライン欠陥検出
16-4. 異物の分析
16-5. 最近の分析ツール:LIBS
17. 静電気対策
17-1. 静電気で舞う異物・表面抵抗の目安
17-2. なぜ帯電するのか? (接触帯電と帯電列)
17-3. 搬送工程の接触帯電
17-4. 帯電を逃す方法(アース・表面抵抗・自己放電)
17-5. 自己放電と周囲の導体
17-6. 帯電を打ち消す方法 (静電印加によるイオン風)
17-7. 巻取りの除電(ニップロールとイオン風)
17-8. 除塵器の配置 (基材・周辺金属との距離)
17-9. 巻き出し(ジャンボロール・アキュムレーターでの帯電)
17-10. パスローラー(ラップ角・テンション・斜行対応の影響)
18. オンライン除塵
18-1. 異物の付着状態と除去方式
18-2. Wet除塵
18-3. Dry除塵
18-4. フィルム端部のDry除塵
19. オフラインのクリーン化
19-1. 作業者スペース(操作盤・PCの設置箇所・床の色)
19-2. 製品・機器の搬入出力(巻出し〜巻取り分離・LGV・梱包作業)
第4 部 機能性フィルムの技術動向
20. リチウムイオン電池のドライプロセス化
20-1. EV用バッテリー正極のドライ化
21. 全固体電池の乾式コーティング
21-1. 固体電解質の表裏露出複合膜
21-2. Roll To Rollの技術優位を維持するために
22. OLEDにおける静電噴霧方式の研究
22-1. OLEDディスプレイにおける大面積化の課題
22-2. 静電噴霧について
22-3. OLEDの真空蒸着プロセスにおける制約
22-4. 浸漬針電極によるアップフロー静電噴霧
22-5. エア噴流による噴霧促進
22-6. マスク印加による付着ロス減と厚み制御
22-7. 基板背面への電圧印加によるマスクレス
22-8. 塗工とパターニング
おわりに