有機薄膜太陽電池の高効率化・耐久性向上に向けた構成部材の最新開発動向と応用展開・今後の展望 ~シースルー化・モジュール化・市場展開の課題・信頼性確保のためのバリア材~

★有機薄膜太陽電池の高性能化に向けた構成部材の最新開発動向を最前線で活躍されている大学・企業の研究者が解説・紹介!

★ハイバリア膜、カーボンナノチューブの具体的な事例や農業への応用展開について収録!

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番号
AND056
ISBN
978-4-909118-76-9
監修
向殿 充浩
発行年月
2024/10/17
体裁
B5判, 150ページ
フォーマット
紙版
定価
55,000 円(本体50,000円+消費税、送料込)
冊数:

執筆者

佐野 健志  山形大学 有機エレクトロニクスイノベーションセンター長、教授/Ph.D.

平本 昌宏  自然科学研究機構 分子科学研究所 名誉教授

       (東京工業大学 特任教授、奈良先端科学技術大学院大学客員教授を兼任)/博士(工学)

尾坂  格  広島大学 大学院先進理工系科学研究科 教授/博士(工学)

吉田 弘幸  千葉大学 大学院工学研究院 教授/博士(理学)

佐藤  徹  京都大学 福井謙一記念研究センター 教授/博士(工学)

向殿 充浩  有機デバイスコンサルティング 代表

       (山形大学 客員教授、株式会社teamSアドバイザーを兼任)/工学博士

硯里 善幸  山形大学 有機エレクトロニクスイノベーションセンター 教授(副センター長)/博士(工学)

松尾  豊  名古屋大学 大学院工学研究科 教授/博士(理学)

Arthur D. Hendsbee  Brilliant Matters Organic Electronics Inc.

       Product Manager/PhD (doctor) in Materials Chemistry 材料化学博士

Varun Vohra Brilliant Matters Organic Electronics Inc.

       Engineering Department Manager/PhD (doctor) in Materials Science 材料科学博士

柳澤  隆  株式会社GSIクレオス フェロー(執行役員)/

       Brilliant Matters Organic Electronics Inc. Board Member(取締役)/

       PhD (doctor) in Engineering 工学博士

福田 憲二郎 国立研究開発法人理化学研究所/博士(工学)

家  裕隆  大阪大学 産業科学研究所 教授/博士(工学)

渡邊 康之  公立諏訪東京理科大学 工学部 機械電気工学科 教授

       (東京理科大学 総合研究院 再生可能エネルギー技術研究部門客員教授を兼任)/博士(工学)

矢野  淳一  株式会社MORESCO デバイス材料事業部 デバイス材料開発部

目次

第1章 有機薄膜太陽電池材料と最適構造

第1節 有機薄膜太陽電池の高効率化の最新状況と材料開発・今後の展望

山形大学 佐野 健志

はじめに

1. 有機薄膜太陽電池の材料・デバイス技術

 1.1 有機薄膜太陽電池のデバイス構造

 1.2 低分子系有機薄膜太陽電池

 1.3 高分子系有機薄膜太陽電池

 1.4 非フラーレンアクセプター

 1.5 ターナリーブレンド型有機薄膜太陽電池

 1.6 自己組織化単分子膜の利用

 1.7 添加剤による高効率化

 1.8 非ハロゲン系溶剤

 1.9 タンデム構造・多接合セル

2. 有機薄膜太陽電池の応用展開

 2.1 超薄型有機薄膜太陽電池

 2.2 シースルー太陽電池

 2.3 有機光センサ・近赤外フォトダイオード

おわりに

第2節 有機太陽電池実用化のためのキーポイント

分子科学研究所 平本 昌宏

はじめに

1. 短絡光電流

2. 開放端電圧

 2.1 電圧ロス

 2.2 無輻射再結合

  2.2.1 ジェミネート再結合(Geminate recombination)

  2.2.2 2分子再結合(Bimolecular recombination)

  2.2.3 トラップ誘起再結合(Trap-assisted recombination)

  2.2.4 界面再結合(Interfacial recombination)

3. 曲線因子

 3.1 無輻射再結合による光電流消失

 3.2 無輻射再結合と曲線因子

 3.3 全ての無輻射再結合の抑制

おわりに

第3節 有機薄膜太陽電池の高効率化に向けた材料開発

広島大学 尾坂 格

はじめに

1. 有機薄膜太陽電池の材料

2. 筆者グループにおける材料開発

 2.1 高結晶性ポリマーの開発

 2.2 低結晶性ポリマーの開発

 おわりに

第4節 有機薄膜太陽電池の電子準位・励起子束縛エネルギーの評価法

千葉大学大学院工学研究院 吉田 弘幸

はじめに

1. エネルギーダイヤグラム ~一電子描像と全電子描像について~

2. 有機半導体の電子準位は何で決まるのか?

3. 電子準位の測定法

 3.1 光電子分光法と逆光電子分光法

 3.2 CVによる酸化還元電位

 3.3 光電子分光法と光吸収・発光スペクトル

 3.4 量子化学計算

4. 励起子束縛エネルギー

おわりに

第5節 振電相互作用密度理論に基づく有機エレクトロニクス材料の解析と設計

京都大学福井謙一記念研究センター 佐藤 徹

はじめに

1. 序

 1.1 振電相互作用

 1.2 振電相互作用密度

2. キャリア輸送材料への応用

 2.1 正孔輸送材料の解析

 2.2 電子輸送材料の解析

 2.3 電子輸送材料の設計

3. 発光材料への応用

 3.1 発光材料の解析

 3.2 発光材料の設計

4. 非フラーレン系有機薄膜太陽電池材料への応用:電荷生成機構

5. 反応性指標としての応用

第2章 有機薄膜太陽電池の構成材料・封止・バリア

第1節 有機薄膜太陽電池の事業動向と材料・構成部材の高性能化

有機デバイスコンサルティング 向殿 充浩

はじめに

1. 有機薄膜太陽電池(OPV)の事業動向

2. 有機薄膜太陽電池(OPV)の材料・構成部材の高性能化

 2.1 フレキシブル基板

 2.2 ガスバリア技術

  2.2.1 スパッタ/ALD/スパッタ積層ガスバリア膜

  2.2.2 無機/有機交互積層ガスバリア膜

  2.2.3 ロールtoロールCVD法によるガスバリア膜

 2.3 封止技術

 2.4 透明電極技術

  2.4.1 ロールtoロール法によるフォトリソフリー透明導電膜形成技術

  2.4.2 透明導電ポリマー

  2.4.3 銀ナノワイヤー(AgNW)

おわりに

第2節 印刷や塗工が可能なウルトラ・ハイバリア膜の開発

山形大学 硯里 善幸

はじめに

1. 有機エレクトロニクスが有する価値

2. バリア技術

3. 真空成膜と塗布成膜

4. ウェットプロセス×光緻密化によるウルトラ・ハイバリア

おわりに

第3節 有機薄膜太陽電池の電極へのカーボンナノチューブの活用技術

名古屋大学 松尾 豊

はじめに

1. カーボンナノチューブ(CNT)

 1.1 CNTの構造および電子状態

 1.2 CNTの製法

 1.3 OPV分野におけるCNTの応用

2. 実験手順および評価方法

 2.1 逆型OPVセミモジュールの作製方法

 2.2 スプレー塗布によるドーピング

 2.3 CNT薄膜の可視光透過率測定およびシート抵抗値測定

3. 実験結果

 3.1 セミモジュールの特性

 3.2 CNTの抵抗減少に関する検討

おわりに

第3章 有機薄膜太陽電池モジュールの開発と応用展開

第1節 OPV の普及を妨げるコストと性能の問題、およびその解決の方向性

Brilliant Matters Organic Electronics Inc. Arthur D. Hendsbee, Varun Vohra

株式会社GSIクレオス/ Brilliant Matters Organic Electronics Inc. 柳澤 隆

はじめに

1. OPVの現状

2. OPVの低コスト化に向けて

3. 実験室と製造の性能ギャップを超えるアプローチ

おわりに

第2節 超薄型有機太陽電池の高性能化と応用可能性

理化学研究所 福田 憲二郎

はじめに

1. 超薄型有機太陽電池の構造と進展の歴史

2. 当研究チームでの取り組み

 2.1 接着剤いらずの超柔軟導電接合

 2.2 再充電可能なサイボーグ昆虫

おわりに

第3節 農業用ハウスに向けた波長選択型有機太陽電池の開発

大阪大学産業科学研究所 家 裕隆

はじめに

1. 有機太陽電池

 1.1 有機太陽電池の基本構造

 1.2 透過型OSC

 1.3 OSCへの機能付与と波長選択性

2. 緑色光波長選択型OSC

 2.1 緑色光波長選択型OSCに向けたドナーの選択

 2.2 緑色光波長選択型OSCに向けたアクセプターの設計指針

3. 緑色光波長選択型OSCの開発

 3.1 緑色光波長選択的なアクセプター開発

 3.2 アクセプターの波長選択性が光合成速度に与える影響

 3.3 高性能な緑色光波長選択的アクセプターの開発

おわりに

第4節 波長選択型有機薄膜太陽電池のスマート農業応用

公立諏訪東京理科大学 渡邊 康之

はじめに

1. 営農型太陽光発電とソーラーマッチング

 1.1 営農型太陽光発電とその課題

 1.2 ソーラーマッチング

  1.2.1 ソーラーマッチングの原理

  1.2.2 農作物栽培に必要な光強度と発電に利用する光量

  1.2.3 農作物栽培に必要な光波長と発電に利用する光波長

2. ソーラーマッチングの評価法

 2.1 光合成速度の原理と測定方法

 2.2 光合成測定の結果

3. ソーラーマッチングの実証研究

 3.1 屋内栽培

 3.2 屋外栽培

4. スマート農業応用に向けた検討

 4.1 環境制御による農作物栽培の収穫量及び栄養成分向上

 4.2 ソーラーマッチングによるスマート農業への実現性検討

 4.3 ソーラーマッチングによるエネルギーマネジメントシステム開発

おわりに

第5節 シースルー有機薄膜太陽電池(OPV)のプロセスと実用化動向

株式会社MORESCO 矢野 淳一

はじめに

1. OPVの歴史・背景

2. OPVの現状

3. シースルー・フレキシブルOPVの性能

4. OPVの特長

5. OPVの製法

6. シースルーOPVの実用化(導入)状況

7. OPVに適した市場

おわりに