ペロブスカイト太陽電池における高性能化を実現する構成材料と課題 ~シースルー化、スパッタ成膜技術、リサイクル、低コスト化に向けた塗布型ハイバリア構造、Cat-CVD SiNx~

★ペロブスカイトの劣化メカニズムとシリコン窒化膜(SiNx)などの薄膜封止を用いたペロブスカイトの劣化を制御する技術について紹介し、さらに、SiNx膜を作製する触媒体化学気相堆積(Cat-CVD)の技術についても詳しく紹介!

★ペロブスカイト太陽電池のシースルー化とリサイクルに関連した研究事例を紹介!



※このテキストは2024年05月29日に実施したセミナー資料です。キャッチコピーに関しては講座のコピーをそのまま活用しております。
 商品としては講師の提供可能な発表資料(PDF、PPT)等を分割印刷したものであり、スライドの説明がないものがあります事、ご了承ください。
 こういった製品の性質上、十分に理解をいただき、ご購入をご検討ください。

番号
AT20240529
発行年月
2024/05/29
体裁
A4判, 115ページ
フォーマット
紙版
定価
33,000 円(本体30,000円+消費税、送料込)
冊数:

執筆者

第1部  桐蔭横浜大学   医用工学部 教授    池上 和志 氏
第2部  山形大学  有機エレクトロニクスイノベーションセンター / 副センター長・教授  硯里 善幸 氏
第3部  東芝エネルギーシステムズ株式会社/株式会社東芝  エネルギーアグリゲーション事業部 次世代太陽電池開発部 タンデム太陽電池開発グループ 参事 / 研究開発センター ナノ材料・フロンティア研究所 トランスデューサ技術ラボラトリー 室長附  五反田 武志 氏
第4部  北陸科学技術大学院大学(JAIST)  特任助教  フィンティカムトゥ 氏


目次

 【第1講
ペロブスカイト太陽電池の高性能化と構成部材の動向

講師
桐蔭横浜大学  医用工学部 教授   池上 和志 氏



主旨
 ペロブスカイト太陽電池を大面積化では、研究用のミニセルを検討すること以外に様々な課題がある。ペロブスカイト膜の大面積塗工を均一に行うこともその一つであるが、それらを補助するための成膜法の工夫あるいは添加剤・溶媒組成の検討も進められている。バリア層やSAM膜を層構成に挿入するなど、耐久性の向上も見据えた検証が進められている。本講座では、実際のプラスチックフィルムによるデモサンプルの作製を紹介しながら、封止フィルム等を含めた構成部材の動向について解説をする。



キーワード
ペロブスカイト太陽電池、耐久性、バリアフィルム



【講演ポイント】
ペロブスカイト太陽電池の特長を理解するうえでの、基本的な物理、化学の知識に基づき構成材料の特長を解説する。ペロブスカイト太陽電池の製造方法、必要部材の要求特性、さらに実用化に向けた課題について解説する。
【習得できる知識】
ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた構成部材の課題



【プログラム】

1.ペロブスカイト太陽電池の開発動向
 1-1 ペロブスカイト太陽電池の特長
 1-2 ペロブスカイト太陽電池の最高効率とセルサイズ
2.ペロブスカイト太陽電池の構成部材
 2-1 ペロブスカイト層
 2-2 電子輸送層
 2-3 ホール輸送層
 2-4 各層に挿入される中間層とその役割
 2-5 モジュール作製法の一例
3.ペロブスカイト太陽電池の耐久性
 3-1 劣化要因
 3-2 解析例
4.封止剤の種類と使用例

 4-1 バリアフィルム
 4-2 バリア層と粘着層
 4-3 太陽電池の構造と封止方法
5.将来展望





【第2講】
低コスト化に向けた塗布型ハイバリア構造の開発

【講師】
山形大学 有機エレクトロニクスイノベーションセンター / 副センター長・教授 硯里 善幸 氏



【主旨】
 ペロブスカイト太陽電池が有する特徴の一つに、「フレキシブル・軽量化」があるが、その達成には外気(水蒸気・酸素)からの保護を目的としたバリア構造が必要である。フレキシブルOLEDでは、真空成膜法で形成した無機バリア膜により達成されているが、太陽電池ではさらなる低コスト化が必要である。当研究室ではウェットプロセスx光緻密化により真空成膜に迫るバリア性能を達成している。本テキストでは、バリアの簡単な基礎知識、真空成膜や当研究室の塗布バリア膜の研究を紹介する。



キーワード
塗布、ウェットプロセス、ウルトラハイバリア、低コスト化



【講演ポイント】
ウルトラハイバリアの達成には緻密な無機膜が必要であるが、当研究室では、溶解可能な前駆体を塗布成膜し、光焼成により、真空成膜に迫る緻密化を達成した。ハイバリアの低コスト化と低炭素プロセスの達成に寄与すると考えている。



習得できる知識
ガスバリア(水蒸気バリア)の基礎知識
真空成膜の現状と課題
塗布バリア技術



【プログラム】
1.バリア技術

 1-1 バリア性能の指標と

 1-2 用途と要求性能

2.OLEDにおけるバリア構造

 2-1 水蒸気による劣化

 2-2 フレキシブルOLEDディスプレイの構造

 2-3 真空プロセス

3.ウェットプロセスによるバリア膜研究

 3-1 従来の塗布バリアとその問題点

 3-2 当研究室の塗布バリア技術

 3-3 水蒸気透過度

4.デバイス上へのバリア構造作製

 4-1 デバイス上への作製

 4-2 デバイス性能

5.将来展望 



 【第3講

ペロブスカイト太陽電池、ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の開発と応用


講師

東芝エネルギーシステムズ株式会社/株式会社東芝 エネルギーアグリゲーション事業部 次世代太陽電池開発部 タンデム太陽電池開発グループ 参事 / 研究開発センター ナノ材料・フロンティア研究所 トランスデューサ技術ラボラトリー 室長附 五反田 武志 氏



主旨
 ペロブスカイト太陽電池の成膜技術の開発動向についてご紹介します。基礎研究段階で作製したペロブスカイト太陽電池、フィルム型太陽電池、シースルー太陽電池の解説や、逆型構造におけるガスブロー成膜の効果をご紹介します。更にペロブスカイト太陽電池をシースルー化するために必要なスパッタ成膜に関し、酸素ガスの低減効果をご紹介します。最後に、世界中で実用化に向けて開発が進む成膜技術の動向と併せて、ペロブスカイト太陽電池のシースルー化とリサイクルに関連した研究事例をご紹介します。



キーワード
ペロブスカイト、太陽電池、透明、シースルー、スパッタ、ITO、タンデム、フィルム



ポイント
ペロブスカイト太陽電池をシースルー化するためには、ペロブスカイトが成膜された基板上にITO等の透明電極を成膜する必要があります。また、スパッタ成膜で引き起こされるダメージを最小限に抑える技術が求められています。ペロブスカイト太陽電池において、ダメージを受けたときに起こる現象を紹介すると共に、スパッタ時に導入する酸素量を減らした効果を解説します。



習得できる知識
・大面積のペロブスカイトを成膜するときに引き起こされる問題と成膜技術
・ペロブスカイト太陽電池におけるスパッタ成膜技術
・当該分野における世界の研究開発動向



プログラム
1.ペロブスカイト太陽電池の成膜技術

 1-1 ペロブスカイト太陽電池の開発経緯

 1-2 大面積化の課題

 1-3 ミニモジュールの成膜

2.ペロブスカイト太陽電池のバリエーション

 2-1 フィルム型太陽電池

 2-2 シースルー太陽電池

 2-3 ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池

3.世界の研究開発動向の紹介

 3-1 ペロブスカイトの成膜技術の研究開発事例

  ・各種コーター

  ・ロール・ツー・ロール

  ・インクジェット

  ・真空成膜

 3-2 シースルー太陽電池の研究事例

 3-3 ペロブスカイト太陽電池のリサイクルに関する研究事例 




第4講
 ペロブスカイト太陽電池のガスバリア層としてのCat-CVD SiNx

講師
北陸科学技術大学院大学(JAIST) 特任助教 フィンティカムトゥ 氏




主旨
 ペロブスカイト太陽電池には、高性能、容易な製造、低コストなどの多くの利点があります。しかし、ペロブスカイト材料は酸素や水蒸気のある雰囲気では劣化しやすいため、長期安定性が十分ではありません。
 本テキストの目的は、ペロブスカイトの劣化メカニズムと、シリコン窒化膜(SiNx)などの薄膜封止を用いてペロブスカイトの劣化を制御する技術について紹介することです。さらに、SiNx膜を作製する触媒体化学気相堆積(Cat-CVD)の技術についても詳しく紹介します。



キーワード
ペロブスカイト太陽電池、ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池、ペロブスカイト劣化、薄膜封止、Cat-CVD



講演ポイント
ペロブスカイト太陽電池の安定性を向上させるための薄膜封止法やその他の封止法などの最新技術について解説します。



習得できる知識
ペロブスカイトの劣化メカニズム、
ペロブスカイト太陽電池の封止化の動向



プログラム
1.ペロブスカイト太陽電池の劣化

 1-1 環境要因の影響

 1-2 キャリヤ輸送と電極の影響

2.封止技術

 2-1 内部封止

 2-2 外部封止

3.ペロブスカイトのガスバリアとしてのCat-CVD SiNxの応用

 3-1 Cat-CVDとは

 3-2 Cat-CVD SiNx膜の特徴

 3-3 ペロブスカイト太陽電池構造上での SiNx の堆積の影響

 3-4 ペロブスカイトの劣化の評価