自動車の軽量化・マルチマテリアル化に向けた接着・接合技術の最新動向と 今後の展望

★接着強度発現の原理,主な接着剤の種類とその特徴,主な被着材に対する表面処理法,接着剤を使用しない最新の異種材料接合法の原理別分類と特長,主な接着継手の特長・応力分布・破壊条件・設計法,接着継手の安全率の設定法と故障確率計算法(EXCEL関数計算シート提供),接着継手の耐久性評価法・寿命予測法(EXCEL関数計算シート提供)を解説。

★自動車車体の材料技術動向,鉄とアルミのマルチマテリアル車体生産に必要な接合技術と動向を解説。

★・実用化されている異種材接合の全体感把握。
・(a)溶接技術、(b)機械的締結技術、(c)接着技術のエッセンス
・構造用素材と各種接合技術の関係性、また長所だけでなく、短所について重点的に理解することが出来る。海外と日本の差異も確認出来る。

★接着/接合の最近のニーズトレンドを理解できる。



※このテキストは2023年10月30日に実施したセミナー資料です。キャッチコピーに関しては講座のコピーをそのまま活用しております。
 商品としては講師の提供可能な発表資料(PDF、PPT)等を分割印刷したものであり、スライドの説明がないものがあります事、ご了承ください。
 こういった製品の性質上、十分に理解をいただき、ご購入をご検討ください。

番号
AT20231030
発行年月
2023/10/30
体裁
A4判, 248ページ
フォーマット
紙版
定価
33,000 円(本体30,000円+消費税、送料込)
冊数:

執筆者

第1部  鈴木接着技術研究所  所長  鈴木 靖昭 氏
第2部  日産自動車株式会社  生産技術研究開発センター/エキスパートリーダー  樽井 大志 氏
第3部  株式会社神戸製鋼所  ソリューション技術センター  鈴木 励一 氏
第4部  株式会社レゾナック  高分子研究所機能分子化学研究部クロスファンクショナルグループ龍野チーム/チームリーダー  高橋 信行 氏


目次

 【第1講
異種材料接着・接合理論と強度および信頼性・耐久性向上法 ~接着接合メカニズム・接着剤選定法・表面処理法・信頼性・耐久性加速評価と寿命予測法~
講師
鈴木接着技術研究所 所長 鈴木 靖昭 氏



主旨
接着の原理,接着剤および表面処理など基礎的なこと,射出成形,レーザー接合,摩擦接合などの最新の異種材料接合法の原理別分類とその特長,主な接着継手の応力分布および破壊条件,強度・信頼性・耐久性の大きい接着継手の設計・製作法,接着継手において必要な故障確率を与える安全率の計算法,耐久性加速評価法および寿命予測法について,ご説明いたします。 



プログラム
1.接着力発現の原理
2.各接着剤の種類、特徴および各被着材に適した接着剤の選定法
3.各種金属およびプラスチックの被着材に対する表面処理法の選定法
4.最新の接着剤を用いない異種材料接合法,実用化例,および接着力発現の原理  

  4-1 金属の湿式表面処理-樹脂射出一体成形法  
  4-2 被接合材表面のレーザー処理-樹脂射出一体成形法
  4-3 レーザー接合法  
  4-4 摩擦接合法  
  4-5 溶着法  
  4-6 分子接着剤利用法
  4-7 接着力発現の原理
5.各種接着継手の応力分布および破壊条件について(ぜい性接着剤および弾塑性接着剤)
  5-1 重ね合せ継手
  5-2 スカーフおよびバット継手
  5-3 特異応力場の強さに基づく破壊条件の解析例
  5-4はく離応力の解析例
  5-5スポット溶接-接着併用継手の応力解析例
6.最適接合部の設計法
7.接着接合部の信頼性解析技術(必要故障確率を与える安全率の計算法)
8. 接着接合部の促進耐久性評価法並びにアレニウスモデルおよびアイリングモデルを用いた重回帰分析法による寿命予測法



キーワード
接着,接着剤,被着材,表面処理,エッチング,レーザー処理,射出成形,レーザー接合,摩擦接合,スカーフ継手,バット継手,重ね合せ継手,破壊条件,特異応力場,ウェルドボンディング,故障確率,安全率,耐久性,アイリングモデル,重回帰分析,寿命予測



執筆者のポイント

大学において学んだ化学,有機化学,高分子化学,物理化学の知識に加えて,新幹線をはじめとする鉄道車両メーカーの研究開発部門において,製品に接着接合等を適用するために長年にわたり習得した材料力学,材料強度学,FEM応力解析,数値解析,等の技術を用いて,各種接着・接合法,接着継手の破壊条件・解析,信頼性評価,耐久性評価,重回帰分析による寿命予測法,故障解析を得意といたします。



習得できる知識

接着強度発現の原理,主な接着剤の種類とその特徴,主な被着材に対する表面処理法,接着剤を使用しない最新の異種材料接合法の原理別分類と特長,主な接着継手の特長・応力分布・破壊条件・設計法,接着継手の安全率の設定法と故障確率計算法,接着継手の耐久性評価法・寿命予測法




 【第2講
自動車におけるマルチマテリアル化と接合技術の動向

講師

日産自動車株式会社 生産技術研究開発センター/エキスパートリーダー 樽井 大志 氏



主旨
 自動車産業はカーボンニュートラルの実現ならびにCASEという技術革新を背景に100年に一度の変革期に突入したと言われている.現在ほぼすべての自動車メーカは電気自動車(EV)化に注力しており,その結果として車体のマルチマテリアル化の加速が予想される.マルチマテリアル車体実現のキー技術の一つが接合技術である.本テキストでは自動車産業におけるカーボンニュートラルの取り組み,車体に用いられる材料動向ならびに,マルチマテリアル車体製造に必要とされる接合技術の動向を紹介する.



プログラム
1.    自動車産業におけるカーボンニュートラルの取り組み
2.    車体に採用される材料技術動向
3.    マルチマテリアル車体に採用される接合技術動向

①    アルミ同士のスポット溶接
②    アルミ同士,アルミ鉄のSPR接合
③    アルミ同士,アルミ鉄のFDS接合
4.    EV用 バッテリー部品の接合技術動向



キーワード
カーボンニュートラル,マルチマテリアル,EV,自動車車体,異種材接合



執筆者のポイント
1991年に日産自動車に入社し,以降車体の接合技術,特にレーザ接合技術開発に従事
2014年にエキスパートリーダーを拝命し,車体の接合技術(溶接,機械的接合,接着など)開発全てを担当
独Automotive Circle Internationalの European Automotive Laser Application,Joining in Car Body Engineeringボードメンバ



習得できる知識

自動車車体の材料技術動向,鉄とアルミのマルチマテリアル車体生産に必要な接合技術と動向




第3講
自動車の軽量化・マルチマテリアル化に向けた 異種材接合技術の動向と課題

講師
株式会社神戸製鋼所 ソリューション技術センター 鈴木 励一 氏



主旨
自動車の軽量化に有効な素材として、超高張力鋼板やアルミニウム合金、さらにはCFRPの採用が期待されている。また、最近、ギガキャストと呼ばれるアルミ鋳造材を使った生産工程省略法も注目を浴びている。これらはいずれも難接合性素材であり、さらにそれらを組み合わせるとなると、異種材接合は非常な重要な技術ポイントとなる。既に欧米においては異種材接合技術の普及期に入って日が経つが、翻って日本はこれからである。異種材接合を知ることは溶接、機械的締結、接着の3分野を比較することに等しい。実用的な異種材技術の特徴と課題を解説する。



プログラム
1.接合法の分類
 1-1 冶金的接合法-溶接
 1-2 機械的接合法-締結
 1-3 化学的接合法-接着
2.異種材接合の一般的問題
3.異種材接合法のメカニズム的分類

 3-1 異種金属接合可否
 3-2 異種材接合のメカニズムと強度の関係
 3-3 主な異種材接合法一覧
 3-4 主な異種材接合法用ロボットシステム一覧
4.自動車における異種材接合法の種類・特徴と要点
 4-1 機械的接合法
 ・ボルト・ナット
 ・SPR(Self Piercing Riveting)
 ・FDS(Flow Drill Screw)
 ・Mechanical clinch 等
 4-2 機械的接合+溶接法
 ・REW(Resistance Element Welding)
 ・FEW(Friction Element Welding)
 ・EASW(Element Arc Spot Welding) 等
 4-3 接着
 ・接着剤の価値と効果
5.欧・米・中で実用化されている自動車の異種材接合法の実績
6.従来異種材接合法の課題

 6-1 性能、適用範囲
 6-2 コスト
 6-3 電食対策
7. ギガキャスト工法とその実現に必要な接合技術



キーワード
接合、溶接、締結、異種材、マルチマテリアル、超ハイテン鋼板、アルミ、CFRP、ギガキャスト



ポイント
日本において異種材接合の動向、全体像を語れる技術者は極めて少ない。特に学術領域ではなく、産業領域では尚更である。執筆者は一般的な金属接合技術は無論、特に異種材接合に強みを持つ数少ない存在である。また、自動車の構造、設計、これらの考え方等にも知見を持っている。
今回は短時間講習のため、エッセンスを抽出したコンパクト版として異種材接合技術の実像を把握できる。



習得できる知識
・実用化されている異種材接合の全体感把握。
・(a)溶接技術、(b)機械的締結技術、(c)接着技術のエッセンス
・構造用素材と各種接合技術の関係性、また長所だけでなく、短所について重点的に理解することが出来る。
・海外と日本の差異


 【第4講
接着/接合工程の簡便化による自動車軽量化とCO2削減への貢献 ~フィルム型接着剤WelQuick~

講師
株式会社レゾナック 高分子研究所機能分子化学研究部クロスファンクショナルグループ龍野チーム/チームリーダー 高橋 信行 氏



主旨
電動車を始めとする次世代の自動車に対し、軽量化やマルチマテリアル化、そして生産工程のCO2削減のニーズが高まっている。それを反映して、接着/接合に対するニーズも高度化しており、高接着力/高耐久だけでなく、そのプロセス低減も含めた接着/接合が求められている。一方で、接着に関しては、高接着力/高耐久と簡便性は相反することが一般的である。例えば、熱硬化接着剤は一般的には塗布および硬化のプロセスに手間がかかり、逆に簡便なホットメルト接着剤は接着力が低い。これらの高接着力と簡便性を両立したソリューション例として、弊社のフィルム型接着剤WelQuickを紹介する。特に、自動車部品の用途開発例について実物大モデルの衝突評価結果を交えて解説する。

プログラム
1. 接着/接合へのニーズ
  1-1. 市場ニーズの背景
  1-2. 接着/接合へのニーズ概要
2. フィルム型接着剤WelQuickのコンセプト:簡便性と接着力
  2-1. WelQuickのコンセプト
  2-2. 接合ソリューション
  2-3. 接着性能の紹介
3. WelQuickの自動車部品用途の開発事例
  
3-1. 自動車構造材の用途展開概要
  3-2. マルチマテリアルバンパーレインフォースの開発コンセプト
  3-3. マルチマテリアルバンパーレインフォースの試験結果



キーワード
マルチマテリアル、異種材接合、ホットメルト、ドライプロセス、短時間接着、リサイクル、LCA、電動化、xEV、軽量化、アルミニウム



ポイント

「高機能な接着/接合には、その分コストがかかるのはしょうがない」とあきらめがちです。接着力と簡便性の両立例として、塗らない、ドライプロセス、強力接着のフィルム型接着剤WelQuickをご紹介いたします。



習得できる知識
接着/接合の最近のニーズトレンドを理解できます。