抗菌・抗バイオフィルムに向けた材料・製品開発の技術動向と性能評価
~抗菌・抗バイオフィルム効果を有するアビエチン酸系化合物、マイクロプレートを用いた新たなバイオフィルム評価方法~
★2025年7月31日WEBでオンライン開講。第一人者の麻布大学(名誉教授) 古畑氏、株式会社BEL 兼松氏、就実大学 山田氏、株式会社同仁化学研究所 中久保氏が、【抗菌・抗バイオフィルムに向けた材料・製品開発の技術動向と性能評価~抗菌・抗バイオフィルム効果を有するアビエチン酸系化合物、マイクロプレートを用いた新たなバイオフィルム評価方法~】について解説する講座です。
■注目ポイント
★バイオフィルムの基礎知識とその対策をはじめ実用的かつ先進的な抗バイオフィルム材料開発の最新動向、抗菌・抗バイオフィルム効果を有するアビエチン酸系化合物、産学連携を通じた実用化の取り組みや新たなバイオフィルム評価方法を紹介!
- 第1部 無所属 麻布大学 / 名誉教授 古畑 勝則 氏
- 第2部 株式会社BEL 代表取締役社長 兼 大阪大学 特任教授 / 名古屋大学 客員教授 兼松 秀行 氏
- 第3部 就実大学 薬学部薬学科 / 准教授 山田 陽一 氏
- 第4部 株式会社同仁化学研究所 開発部部長 中久保 政一 氏
【1名の場合】60,500円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。
定員:30名
※ お申し込み後、受講票と請求書のURLが自動で返信されます。基本的にはこちらで受付完了です。開催前日16:00までに再度最終のご連絡をいたしますので、しばらくお待ちください。請求書と受講票は郵送ではないため必ずダウンロードください。また、同時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ずご確認ください。
※ セミナー前日夕方16:00までにWEB会議のURL、事前配布資料のパスワードについては、別途メールでご案内いたします。基本的には、事前配布資料はマイページからのダウンロードの流れとなります。なお、事前配布資料については、講師側の作成完了次第のお知らせになりますので、この点、ご理解のほどお願い申し上げます。
※ 請求書の宛名の「株式会社」や「(株)」の「会社名の表記」は、お客様の入力通りになりますので、ご希望の表記で入力をお願いします。
※ お支払いは銀行振込、クレジット決済も可能です。銀行振込でお支払いの場合、開催月の翌月末までにお支払いください。お支払いの際は、社名の前に請求書番号をご入力ください。
※ 領収書のご要望があれば、お申込み時、領収書要にチェックを入れてください。
※ 2名以上でお申し込みをされた場合は、受講票と請求書を代表者様にご連絡します。
※ 当講座では、同一部署の申込者様からのご紹介があれば、何名でもお1人につき16,500円で追加申し込みいただけます (申込者様は正規料金、お2人目以降は16,500円となります)。追加の際は、申し込まれる方が追加の方を取りまとめいただくか、申込時期が異なる場合は紹介者様のお名前を備考欄にお書きくださいますようお願いいたします。
※ なお、ご参加手続きの際、自宅住所やフリーアドレス、個人携帯番号のみで登録された場合は、ご所属確認をさせいただくことがございます。
【本セミナーの主題および状況・本講座の注目ポイント】
■本セミナーの主題および状況(講師より)
★細菌は、自身を守り、物質の表面に定着するために「バイオフィルム」と呼ばれる粘着性の高い構造を作ります。バイオフィルムの形成を防ぐことは、工業設備の劣化防止、環境保護、感染症対策に役立ちます。
★バイオフィルムはあらゆる分野で発生するため、その対策に苦慮されていることと思います。各現場で対応するには、その相手となるバイオフィルムのことを理解した上で可能な対策を取ることが得策です。バイオフィルムの主役は微生物、特に細菌です。ですからバイオフィルムを知るには細菌の特性を十分に理解する必要があります。
★近年、バイオフィルム形成阻害能を有する薬剤や、食品成分の探索が注目を集めており、また、素材に形成されるバイオフィルムの量やバイオフィルム形成阻害能を有する薬剤を評価するニーズも増えています。ただ、既存の方法では、洗浄操作等でバイオフィルムが剥がれて測定値にばらつきが出る、複数のサンプルや条件での多検体測定が出来ない、水に浮くような浮力のある素材での評価が出来ない等の課題がありました。
■注目ポイント
★2023年に国際標準化されたISO 4768に基づくバイオフィルム評価法を中心に実用的かつ先進的な抗バイオフィルム材料開発の最新動向を具体例とともに分かりやすく解説!
★抗菌・抗バイオフィルム効果を有するアビエチン酸系化合物、産学連携を通じた実用化の取り組みや、将来的な応用の可能性について紹介!
★測定値のばらつき、複数のサンプルや条件での多検体測定が出来ない、浮力のある素材での評価が出来ない等の課題を解決した新たなバイオフィルム評価方法を紹介!
講座担当:牛田孝平
≪こちらの講座は、WEB上での開催のオンライン講座になります≫
【第1講】 バイオフィルムの構造と形成過程およびバイオフィルム対策技術
【時間】 10:30-11:45
【講師】無所属 麻布大学 / 名誉教授 古畑 勝則 氏
【講演主旨】
バイオフィルムはあらゆる分野で発生するため、その対策に苦慮されていることと思います。各現場で対応するには、その相手となるバイオフィルムのことを理解した上で可能な対策を取ることが得策です。バイオフィルムの主役は微生物、特に細菌です。ですからバイオフィルムを知るには細菌の特性を十分に理解する必要があります。本講演は、バイオフィルムに関する基礎的な事項を知っていただくために企画されました。是非、ここでバイオフィルムの知識を増やし、適切なバイオフィルム対策を実行していただければ幸いです。
【プログラム】
1.バイオフィルムとは何か
2.バイオフィルムの主役と、その特性
3. バイオフィルムの発生環境
4.バイオフィルムの発生事例
4-1 住環境
4-2 医療器材
4-3 環境衛生
5.バイオフィルムを調べる
5-1 バイオフィルムの観察
5-2 菌種の同定
5-3 分離菌種の特性
6.バイオフィルムの構造と形成過程
6-1 走査電子顕微鏡所見
6-2 バイオフィルムの模式図
6-3 バイオフィルムの形成過程・形成機構
6-4 クオラムセンシング
7.バイオフィルムを退治する
7-1 バイオフィルムの発生防止ポイント
7-2 バイオフィルムの形成防止技術
7-3 バイオフィルムの除去技術
【質疑応答】
【キーワード】
マッシュルーム構造、バイオフィルムのライフサイクル、クオラムセンシングによる形成防止、洗浄による除去
【講演のポイント】
専門外の方にも理解しやすいように、できるだけ見やすいスライドの作製に気を付けています。また、写真や図を多用し、イメージしやすいように工夫しています。さらに可能な限り微生物用語の使用を避け、一般的な表現を心がけています。
【習得できる知識】
微生物、特に細菌の特性を知ることができます。バイオフィルムの正体がわかります。バイオフィルムがどのように形成されるかがわかります。バイオフィルムの形成防止、除去技術の基本が理解できます。
【第2講】 抗バイオフィルム性製品の評価法と材料開発について
【時間】 12:45-14:00
【講師】株式会社BEL 代表取締役社長 兼 大阪大学 特任教授 / 名古屋大学 客員教授 兼松 秀行 氏
【講演主旨】
本セミナーでは、抗バイオフィルム性材料の評価法とその開発手法について解説します。2023年にSIAAの協力のもと国際標準化されたISO 4768(ポリマー材料のバイオフィルム評価法)を中心に、工業製品における実用的な評価手法に加え、学術的な視点からの評価アプローチも紹介します。さらに、これらの評価結果をもとに、抗バイオフィルム性を有する新規材料の設計・開発にどのように応用できるかについても具体例を交えて議論します。
【プログラム】
1. はじめに
講師自己紹介と講演の目的
抗バイオフィルム性が求められる背景と社会的意義
2. バイオフィルムとは?その学術的な背景と意義,そして研究展開の経緯
バイオフィルムの定義と形成メカニズム
医療・環境・材料分野におけるバイオフィルム研究の発展
3. バイオフィルムが引き起こす工業的な問題点
配管閉塞、腐食、製品劣化などの具体例
バイオフィルム制御の困難さと産業的ニーズ
4. バイオフィルム評価法
ISO 4768(ポリマー材料に対する評価)の概要
SIAAとの取り組みと標準化プロセス
その他のアカデミックな評価手法との比較
5. 抗バイオフィルム材料開発のこれまでの経緯といくつかの実例
材料表面設計の工夫(親水性/疎水性、微細構造など)
金属イオン、ポリマー、ナノマテリアルの応用例
3Dプリンティング技術などとの融合例
6. 問題点と将来展望
評価法の限界と改善の方向性
今後求められる多機能性材料と評価基準
国際的な標準化と産学連携への期待
【質疑応答】
【キーワード】
• 抗バイオフィルム
• バイオフィルム評価法
• ISO 4768
• バイオフィルム標準化
• SIAA 国際規格
• 抗菌・抗ウイルス・抗バイオフィルム材料
• セルフクリーニング材料
【講演のポイント】
本講演では、2023年に国際標準化されたISO 4768に基づくバイオフィルム評価法を中心に、実用的かつ先進的な抗バイオフィルム材料開発の最新動向を具体例とともに分かりやすく解説します。
【習得できる知識】
• バイオフィルムの基礎知識とその形成メカニズム
• バイオフィルムが引き起こす工業的・社会的課題
• ISO 4768に基づく抗バイオフィルム性の評価法とその活用方法
• 学術的評価手法と工業的試験法の違いと適用範囲
• 抗バイオフィルム材料の設計指針と実例(ポリマー、金属イオン、表面処理など)
• 材料開発における課題と今後の研究・産業応用の展望
【第3講】 抗菌・抗バイオフィルム製品の開発と実用化
【時間】 14:10-15:25
【講師】就実大学 薬学部薬学科 / 准教授 山田 陽一 氏
【講演主旨】
細菌は、自身を守り、物質の表面に定着するために「バイオフィルム」と呼ばれる粘着性の高い構造を作ります。バイオフィルムの形成を防ぐことは、工業設備の劣化防止、環境保護、感染症対策に役立ちます。本講演では、講師らが発見した抗菌・抗バイオフィルム効果を有するアビエチン酸系化合物について紹介します。また、産学連携を通じた実用化の取り組みや、将来的な応用の可能性についても紹介します。抗菌・抗バイオフィルム技術の発展により、よりクリーンで安全な生活環境や産業・医療現場の実現を目指します。
【プログラム】
はじめに
1.微生物(細菌)の基礎知識
①細菌の特徴
②バイオフィルム
2.抗菌・抗バイオフィルム形成物質に関する研究
①アビエチン酸系化合物の抗菌効果
②アビエチン酸系化合物の抗バイオフィルム効果
3.抗菌・抗バイオフィルムの実用化事例 ―産学連携による「抗菌シート」の開発―
①抗菌シートの原理と効果
②抗菌シートの活用
4.今後の展望 ―産学連携による知財化・実用化―
①抗バイオフィルム樹脂の開発・試作
②微生物対策の展望
【質疑応答】
【キーワード】
抗菌、抗バイオフィルム、アビエチン酸、コーティング、社会実装、産学連携、製品開発
【講演のポイント】
積極的に共同研究を行い、講師の専門とする微生物の知見と共同研究先の技術を組み合わせることで、新技術や知財を考案してきた。最近では、産業技術総合研究所との共同研究の成果を「繊維やシートにも短時間で抗ウイルス薬剤をコーティング」としてプレスリリースした。
【習得できる知識】
・バイオフィルムの問題点
・抗菌・抗バイオフィルム物質の利用とその波及効果
【第4講】 マイクロプレートを用いた新たなバイオフィルム評価方法
【時間】 15:35-16:20
【講師】株式会社同仁化学研究所 開発部部長 中久保 政一 氏
【講演主旨】
バイオフィルムは、微生物とその代謝物である細胞外多糖等から構成される集合体で、あらゆる環境に存在しています。近年、バイオフィルム形成阻害能を有する薬剤や、食品成分の探索が注目を集めており、また、素材に形成されるバイオフィルムの量やバイオフィルム形成阻害能を有する薬剤を評価するニーズも増えています。ただ、既存の方法では、洗浄操作等でバイオフィルムが剥がれて測定値にばらつきが出る、複数のサンプルや条件での多検体測定が出来ない、水に浮くような浮力のある素材での評価が出来ない等の課題がありました。弊社ではそれらの課題を解決した新たなバイオフィルム評価方法を開発しましたので、紹介致します。
【プログラム】
1. バイオフィルム測定における課題と注意点
2. バイオフィルム形成量・形成阻害測定
3. バイオフィルム内微生物の生存率や活性度合測定
4. 任意の素材におけるバイオフィルム形成量・形成阻害測定
【質疑応答】
【キーワード】
バイオフィルム、微生物、細胞外多糖類、形成阻害、薬剤処理、食品、農業、歯科、洗剤、抗菌コーティング、創傷被覆材、抗バイオフィルム、評価方法、多検体処理、スライム、プラーク、歯垢、ぬめり、クリスタルバイオレット
【講演のポイント】
お風呂場の赤いぬめりや歯の歯垢など、実はみんな知っているあいつがバイオフィルムです。ただ、悪いイメージの多いバイオフィルムも、農業利用(根粒菌の共生)、環境浄化等への活用も検討される良い一面も持っています。これら多岐にわたるバイオフィルム研究ですが、評価が面倒で、多検体処理が出来ませんでした。今回、画期的な方法にて、それを解決しました。バイオフィルムに興味のある方は、是非ご参加下さい。
【習得できる知識】
・バイオフィルムを研究するための、タイパの良い(簡便・正確・多検体処理出来る)方法をご紹介いたします。
・バイオフィルム研究をこれから始める方も、これまでやってきた方にも参考になる内容になっております。