青果物の海上輸出を実現するための鮮度・品質保持、流通ロス低減技術および輸送性向上の取り組み
~高温処理、機能性包装、緩衝包装、CAコンテナ輸送、鮮度保持包装資材 Xtendの開発~
※第1部、第2部の講師の先生のご登壇の順番に変更点がございます。
★2024年5月29日WEBでオンライン開講。農業・食品産業技術総合研究機構 中村氏、宮城大学 兼田氏、オーシャンネットワークエクスプレス株式会社 浅井氏、三井物産プラスチック株式会社 山西氏の4名が青果物の海上輸出を実現するための鮮度・品質保持、流通ロス低減技術および輸送性向上の取り組み~高温処理、機能性包装、緩衝包装、CAコンテナ輸送、鮮度保持包装資材 Xtendの開発~について解説する講座です。
■注目ポイント★青果物の海上輸出を実現するための高温処理、機能性包装、緩衝包装による品質保持・輸送性向上の取り組みについて解説!
- 第1部 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 食品流通・安全研究領域流通技術・新用途開発グループ / 上級研究員 中村 宣貴 氏
- 第2部 宮城大学 食産業学群 / 准教授 兼田 朋子 氏
- 第3部 オーシャンネットワークエクスプレスジャパン株式会社 M&R課 / シニアアドバイザー 田中 克明 氏
- 第4部 三井物産プラスチック株式会社 ポリオレフィン包装材料グループ 山西 美香 氏
【1名の場合】60,500円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。
定員:30名
※ お申し込み後、受講票と請求書のURLが自動で返信されます。基本的にはこちらで受付完了です。開催前日16:00までに再度最終のご連絡をいたしますので、しばらくお待ちください。請求書と受講票は郵送ではないため必ずダウンロードください。また、同時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ずご確認ください。
※ セミナー前日夕方16:00までにWEB会議のURL、事前配布資料のパスワードについては、別途メールでご案内いたします。基本的には、事前配布資料はマイページからのダウンロードの流れとなります。なお、事前配布資料については、講師側の作成完了次第のお知らせになりますので、この点、ご理解のほどお願い申し上げます。
※ 請求書の宛名の「株式会社」や「(株)」の「会社名の表記」は、お客様の入力通りになりますので、ご希望の表記で入力をお願いします。
※ お支払いは銀行振込、クレジット決済も可能です。銀行振込でお支払いの場合、開催月の翌月末までにお支払いください。お支払いの際は、社名の前に請求書番号をご入力ください。
※ 領収書のご要望があれば、お申込み時、領収書要にチェックを入れてください。
※ 2名以上でお申し込みをされた場合は、受講票と請求書を代表者様にご連絡します。
※ 当講座では、同一部署の申込者様からのご紹介があれば、何名でもお1人につき16,500円で追加申し込みいただけます (申込者様は正規料金、お2人目以降は16,500円となります)。追加の際は、申し込まれる方が追加の方を取りまとめいただくか、申込時期が異なる場合は紹介者様のお名前を備考欄にお書きくださいますようお願いいたします。
※ なお、ご参加手続きの際、自宅住所やフリーアドレス、個人携帯番号のみで登録された場合は、ご所属確認をさせいただくことがございます。
【本セミナーの主題および状況・本講座の注目ポイント】
■本セミナーの主題および状況
★海外における日本食ブームにより日本産の農産物・食品への関心が高まるなか、野菜や果物などの青果物の海外輸送上の鮮度保持技術力を高めていくことは、今後の日本の輸出業の隆盛に不可欠な要素となります。
★本セミナーでは上記の課題克服のための、青果物の海外輸送における鮮度保持技術を、包装材の機能化、輸送方法、処理・管理技術といった多角的な観点から解説いたします!
■注目ポイント
★生鮮青果物の長距離・長期間流通実現のための技術として温度管理および振動・衝撃の緩和にについて解説!
★海上輸送に使用されている海上コンテナについて青果物の輸送に関わる部分にフォーカスして説明!
★鮮度保機能・Modified Atmosphere(MA)の仕組みと国内では類を見ない「Xtend®」が誇るModified Humidity(MH)機能の優位性について紹介!
講座担当:牛田孝平
≪こちらの講座は、WEB上での開催のオンライン講座になります≫
【第1講】 流通ロス低減を目指した青果物品質変動のモデル化
【時間】 10:30-11:45
【講師】国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 食品流通・安全研究領域流通技術・新用途開発グループ / 上級研究員 中村 宣貴 氏
【講演主旨】
工業製品などと異なり、生鮮青果物は収穫後も生きており、その特性(外観、力学特性、内容成分等)が容易に変化する。しかも、青果物は一般的には体積、質量当たりの単価は低く、品質保持のためのコストを上乗せすることが難しいことが多い。流通時の品質変動のモデルを構築し、適切な条件をモデルから設計可能とすることは、ロス低減に必要な技術、条件を明らかにするために有用と考えられる。そこで本講演では、青果物流通過程における品質保持の基礎について述べるとともに、品質変動のモデル化について取り組んだ研究内容について紹介する。
【プログラム】
青果物の品質変動には、多くの要因が複雑に関係している。ここでは、代表的な流通環境要因として、温度、湿度、ガス環境、振動・衝撃について概要を解説する。
2.トマトの追熟予測モデル
トマトは代表的なクライマクテリック型作物である。トマト緑熟果を対象に、その追熟過程の果皮色、果実かたさ変化をモデル化するするために行った研究について解説する。
3.イチゴの緩衝包装の評価方法
軟弱な青果物について、適切な緩衝包装を選択するのは非常に重要である。しかし、その緩衝性能について、損傷が低減するメカニズムについては明らかにされていない。そこで、イチゴの包装容器を対象に振動試験を行い、加速度の伝達特性を用いた緩衝性能評価手法について解説する。
4.モモの損傷特性変化のモデル化、輸出実証試験の結果報告
モモは流通過程における物理的損傷が問題となる品目である。また、トマトと同様にクライマクテリック型作物であり、収穫後に果実かたさが変化するため、適切な損傷防止が難しい。そこで、果実かたさ変化の予測モデル、果実かたさ毎の損傷特性を明らかにした。また、温度管理によるロス低減についてシンガポール輸出試験を通して実証した。これらの内容について解説する。
【質疑応答】
【キーワード】
青果物、イチゴ、モモ、トマト、流通、輸出、緩衝包装、ロス低減、モデル化
【講演のポイント】
青果物流通におけるこれまで知見は、「暗黙知」(経験、ノウハウ等)に近いものが多かった。講演者らの研究グループでは、これを「形式知」(客観的・論理的)として取り扱えるよう、モデル化、シミュレーション等に取り組んでいる。本講演では、青果物品質保持の基礎とともに、モデル化に関する研究成果の一部を紹介する。
【習得できる知識】
・青果物の収穫後生理
・温度管理の重要性(予冷含む)
・輸送時の物理的損傷のメカニズム、損傷防止技術
【第2講】 青果物の輸出動向と品質保持技術を活用した海上輸出事例の紹介
【時間】 12:45-14:00
【講師】宮城大学 食産業学群 / 准教授 兼田 朋子 氏
【講演主旨】
本講演では,青果物輸出の輸出動向とその背景および輸出先での消費事例に触れるとともに,「海上輸送」の実現に必要な中長期間の品質保持技術について,実際の海上輸出試験での活用事例と共に紹介する。
【プログラム】
1. 国産青果物の輸出動向とその背景および輸出先での消費事例
国産青果物の海外需要の高まりの背景には,WASHOKUの一般化や,近年増大している外国人旅行客による日本の食文化体験に伴う美味しさ・品質の良さに対する認知度の向上,その体験を自国でも再現したいという感覚の変化が挙げられる。ここでは国産青果物の輸出の輸出動向とその背景について基礎的なデータを示すとともに,主要な輸出相手国である東アジア・東南アジアでの国産青果物の販売・消費事例について紹介する。
2. サツマイモ海上輸送試験事例
丈夫で長持ちするイメージの強いサツマイモだが,低温に遭遇すると低温障害を起こしたり,適温で輸送してもカビや腐敗が生じやすく,サツマイモの流通においては,それらによる商品性損失が問題となっている。ここでは,近年注目を浴びている,流通中のカビ・腐敗の発生を低減するのに有効な「高温キュアリング技術」について説明し,実際にその技術を応用し2か月間の品質保持を実現した海上輸出および輸出先国での貯蔵事例を紹介する。
3. イチゴ海上輸出試験事例
イチゴは軟弱青果物の代表格であるにもかかわらず,現状,その大半が国内流通向けの荷姿のまま輸出されている。短時間で輸送が可能な航空輸出であっても商品性の低下は免れず,海上輸出においてはなおさら「輸出専用の荷姿・流通環境」を整備する必要がある。ここではイチゴの品質低下を招く3大要因である「病害」,「物理的損傷」,「乾燥」からイチゴを守り,2週間の品質保持を実現した海上輸出事例を,具体的な品質保持技術と共に紹介する。
【質疑応答】
【キーワード】
輸出・青果物輸出・海上輸出・流通・品質保持・フードロス・高温キュアリング・低温流通・機能性包装・緩衝包装・サツマイモ・イチゴ
【講演のポイント】
青果物の品質保持技術・流通技術について研究室内で検証するだけでなく,実際の輸出,特に海上輸出の場で数多くの実証試験を実施し,技術の適応性を現場に出向き自らの目で確認し,海上輸出技術を確立してきた。
【習得できる知識】
・国産青果物の輸出動向とその背景,輸出先での消費事例
・青果物の品質保持に必要な収穫後生理学の基礎
・サツマイモ,イチゴの海上輸送に必要な品質保持技術
【第3講】 最新のCAコンテナ輸送による 鮮度保持技術と青果物輸出の取り組み事例
【時間】 14:10-15:25
【講師】オーシャンネットワークエクスプレスジャパン株式会社 M&R課 / シニアアドバイザー 田中 克明 氏
【講演主旨】
青果物に使用されている海上コンテナの構造などの概要を理解し、さらにCA(空気成分比制御)を搭載した鮮度保持に特化した冷凍コンテナについて簡単な仕組みを含めて概要を理解する。
【プログラム】
海上輸送に使用されている海上コンテナについて、特に青果物の輸送に関わる部分にフォーカスして概略をご説明します。さらに鮮度保持に特化したCA(空気成分比制御)を搭載した冷凍コンテナを紹介します。
1. コンテナの種類
2. 冷凍コンテナについて
3. CAコンテナについて
【質疑応答】
【キーワード】
CA 鮮度保持 コンテナ 海上コンテナ 高付加青果物 冷凍コンテナ
【習得できる知識】
海上コンテナに関して、特に冷凍コンテナの鮮度保持技術のしくみなどの概略が身に付く。
【第4講】 鮮度保持包装資材 Xtend~大規模貯蔵・物流に適した新しい形~
【時間】 15:35-16:50
【講師】三井物産プラスチック株式会社 ポリオレフィン包装材料グループ 山西 美香 氏
【講演主旨】
植物生理学の研究者が開発した、イスラエル製鮮度保持フィルム「Xtend®」。ローンチから30周年を迎え、多様化する活用の場面に対応すべく、「Xtend®」は形を変え進化しつづけています。
第一部では、基礎となる鮮度保機能・Modified Atmosphere(MA)の仕組みと、国内では類を見ない「Xtend®」が誇るModified Humidity(MH)機能の優位性についてご説明します。
第二部では、実例をもとに日本国内の実情に即した活用方法のご提案、そして青果物輸出に適した大型鮮度保持包材を初紹介いたします。
【プログラム】
1 鮮度保持技術の種類と仕組み
1.1 鮮度劣化のメカニズム
1.2 鮮度保持技術の種類
1.3 「Xtend®」 はどのように鮮度保持を実現するのか
2 鮮度保持フィルム「Xtend®」の活用実例と新製品紹介(大型貯蔵・流通用)
2.1 実例① シャインマスカット
2.2 実例② 赤肉メロン
2.3 実例③ ブロッコリー
2.4 実例④ 切り花
2.5 新製品紹介(大型貯蔵・流通用)
【質疑応答】
【キーワード】
鮮度保持、鮮度保持フィルム、MA包装、青果物輸出、長期貯蔵、海上輸送、
【講演のポイント】
全国の青果物産地・市場に赴き、鮮度劣化という課題に解決策を提案してきた講演者が、これからの鮮度保持のありかたについて解説します。
【習得できる知識】
・鮮度保持技術の種類
・鮮度保持包材の活用実例
・青果物輸出の課題解決策