樹脂複合材料の高熱伝導化に向けた窒化ホウ素フィラーの開発動向と配向制御およびパワーモジュールへの適用に向けた展望
★2024年10月29日WEBでオンライン開講。株式会社KRI 林 裕之 氏、三菱電機株式会 三村 研史 氏、香川大学 楠瀬 尚史 氏が樹脂複合材料の高熱伝導化に向けた窒化ホウ素フィラーの開発動向と配向制御およびパワーモジュールへの適用に向けた展望について解説する講座です。
■本講座の注目ポイント
★樹脂複合材料中での窒化ホウ素粒子の配向とその熱伝導率の関係性および低充填率で熱伝導率を大きく向上する手法について紹介!
- 第1部 株式会社KRI スマートマテリアル研究センター 林 裕之 氏
- 第2部 三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 マテリアル技術部 三村 研史 氏
- 第3部 香川大学 創造工学部 / 教授 楠瀬 尚史 氏
【1名の場合】49,500円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。
定員:30名
※ お申し込み後、受講票と請求書のURLが自動で返信されます。基本的にはこちらで受付完了です。開催前日16:00までに再度最終のご連絡をいたしますので、しばらくお待ちください。請求書と受講票は郵送ではないため必ずダウンロードください。また、同時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ずご確認ください。
※ セミナー前日夕方16:00までにWEB会議のURL、事前配布資料のパスワードについては、別途メールでご案内いたします。基本的には、事前配布資料はマイページからのダウンロードの流れとなります。なお、事前配布資料については、講師側の作成完了次第のお知らせになりますので、この点、ご理解のほどお願い申し上げます。
※ 請求書の宛名の「株式会社」や「(株)」の「会社名の表記」は、お客様の入力通りになりますので、ご希望の表記で入力をお願いします。
※ お支払いは銀行振込、クレジット決済も可能です。銀行振込でお支払いの場合、開催月の翌月末までにお支払いください。お支払いの際は、社名の前に請求書番号をご入力ください。
※ 領収書のご要望があれば、お申込み時、領収書要にチェックを入れてください。
※ 2名以上でお申し込みをされた場合は、受講票と請求書を代表者様にご連絡します。
※ 当講座では、同一部署の申込者様からのご紹介があれば、何名でもお1人につき16,500円で追加申し込みいただけます (申込者様は正規料金、お2人目以降は16,500円となります)。追加の際は、申し込まれる方が追加の方を取りまとめいただくか、申込時期が異なる場合は紹介者様のお名前を備考欄にお書きくださいますようお願いいたします。
※ なお、ご参加手続きの際、自宅住所やフリーアドレス、個人携帯番号のみで登録された場合は、ご所属確認をさせいただくことがございます。
【本セミナーの主題および状況・本講座の注目ポイント】
■本セミナーの主題および状況
★パワーモジュール機器の小型・高性能化が進むにつれ放熱対策が重要な課題となっております。より高放熱が求められる機器においては、絶縁かつ放熱部材に樹脂に高熱伝導を有する窒化ホウ素(h-BN)粒子を充填した樹脂複合材料が用いられます。
★窒化ホウ素粒子は、鱗片形状をしており、その熱伝導率に異方性を有するため、h-BN粒子を充填した樹脂複合材料を用いて放熱経路に沿って効率的に熱を逃がすためには、h-BN粒子の配向を制御する必要があります。
■注目ポイント
★樹脂材料の放熱材料設計指針、パワーモジュールの放熱構造とは!?
★高熱伝導窒化ホウ素焼結体の可能性、BNフィラーを添加した樹脂複合材料の熱伝導性の改善について紹介!
講座担当:牛田孝平
≪こちらの講座は、WEB上での開催のオンライン講座になります≫
【第1講】 窒化物ホウ素の配向制御と樹脂複合放熱材料の開発
【時間】 13:00-14:15
【講師】株式会社KRI スマートマテリアル研究センター 林 裕之 氏
【講演主旨】
窒化ホウ素の粒子形状と物性について触れ、樹脂と混合した時の分散性について一般的な有機無機複合放熱材料の混錬方法や成型方法について解説する。有機無機複合放熱材料の設計指針につても、広く利用されている理論式を用いて解説する。KRIで作製した有機無機複合放熱材料の作製方法やその結果について説明する。さらに、従来樹脂として利用していなかったセルロースナノファイバーを用いた放熱材の開発や、軽さと高熱伝導率を追求した放熱材の開発について紹介する。
【プログラム】
1.窒化ホウ素の配向制御
1.1 一軸方向制御
1.1.1 加圧法
1.1.2ブレード法
1.1.3 遠心法
1.1.4 その他制御法の紹介
1.2 等軸方向 (ランダム) 制御
2.窒化ホウ素/樹脂コンポジット放熱材料の開発
2.1 窒化ホウ素/汎用性樹脂コンポジット
2.1.1 加圧法で作製したコンポジット
2.1.2 ブレード法で作製したコンポジット
2.1.3 遠心法で作製したコンポジット
2.2 窒化ホウ素/セルロースナノファイバーコンポジット
3.配向制御方法の紹介と、それに基づいて作製したコンポジットの熱特性の紹介
【質疑応答】
【キーワード】
放熱材料、熱マネージメント、窒化ホウ素、窒化物、高熱伝導、セルロースナノファイバー、配向制御、軽量、伝熱経路、気泡
【講演のポイント】
無機材料の高熱伝導に従事していた経験を活かし、樹脂材料との複合化による放熱材料の研究の紹介
天然素材であるセルロースナノファイバーの活用や、高熱伝導化にはタブーである気孔を利用した配向制御
【習得できる知識】
窒化物や酸化物の結晶構造と熱伝導率の関係
熱伝導率理論式と実測との差について
マトリックス樹脂の重要性
セルロースナノファイバーについて
【第2講】 窒化ホウ素の配向制御による低充填量での複合材料の高熱伝導化とパワーモジュールへの適応
【時間】 14:25-15:40
【講師】三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 マテリアル技術部 三村 研史 氏
【講演主旨】
パワーモジュール機器の小型・高性能化が進むにつれ放熱対策が重要な課題となっている。より高放熱が求められる機器においては、絶縁かつ放熱部材に樹脂に高熱伝導を有する窒化ホウ素(h-BN)粒子を充填した樹脂複合材料が用いられる。このh-BN粒子は、鱗片形状をしており、その熱伝導率に異方性を有する。そのためh-BN粒子を充填した樹脂複合材料を用いて放熱経路に沿って効率的に熱を逃がすためには、h-BN粒子の配向を制御する必要がある。本講演では、樹脂複合材料中でのh-BN粒子の配向とその熱伝導率の関係を明らかにし、低充填率で熱伝導率を大きく向上する手法について紹介する。
【プログラム】
1.電子機器の構造と高熱伝導樹脂材料のニーズ −パワーモジュール適用例を中心に−
2.高熱伝導複合材料の基礎と応用
2-1 樹脂/無機フィラー複合材料の熱伝導率
2-2 モールド型パワーモジュールへの応用
3.樹脂複合材料の高熱伝導化
3-1鱗片BN、AlNフィラーの高充填化
3-2凝集BNフィラーによる配向制御(低充填化)
【質疑応答】
【キーワード】
絶縁材料、放熱材料、樹脂複合材料、パワーモジュール、エポキシ樹脂、窒化ホウ素、配向制御
【講演のポイント】
樹脂に高熱伝導を有する窒化ホウ素(BN)を複合した樹脂複合材料において、効果的に熱伝導率を向上するにはBN粒子の配向を制御する必要がある。BN凝集体を配合してBN粒子の配向を制御すると低充填量で熱伝導率が大きく向上することが可能。
【習得できる知識】
樹脂材料の放熱材料設計指針、パワーモジュールの放熱構造
【第3講】 窒化ホウ素焼結体の熱伝導度と樹脂用窒化ホウ素熱伝導フィラーの開発
【時間】 15:50-17:05
【講師】香川大学 創造工学部 / 教授 楠瀬 尚史 氏
【講演主旨】
六方晶窒化ホウ素(h-BN)は、グラファイトと似た構造を持ち、軽い元素であるBとNが六角形状に強い共有結合で結びついた六角網面層が弱いファンデルワールス結合で積層された構造を有している。このa軸方向に相当する六角網面層は、強い共有結合で結びついているため400W/mK程度の高熱伝導を有していると言われているが、弱いファンデルワールス結合で積層したc軸方向では2W/mK程度と報告されている。
本講演ではまず、熱伝導異方性のあるh-BNを用い、高熱伝導h-BN焼結体の可能性について報告するとともに、BNフィラーを添加した樹脂複合材料の熱伝導性の改善についても報告する予定である。
【プログラム】
1.セラミックス
2.高熱伝導非酸化物セラミックス
2-1 高熱伝導フィラーの選択
2-2 代表的な材料の熱伝導率
2-3 窒化アルミニウム(AlN)
2-3-1 AIN焼結体の熱伝導率
2-3-2 AlNセラミックスの熱伝導における粒径の影響
2-4 窒化ケイ素(Si3N4)
2-4-1 Si3N4焼結体の熱伝導度
2-4-2 Si3N4セラミックスの平均粒径と熱伝導率の関係
2-5 窒化ホウ素(BN)
2-5-1 SiCセラミックスの熱伝導度
2-5-2 非酸化物セラミックスの熱伝導度と電気伝導
3.高熱伝導ハイブリッド材料
3-1 Si3N4ナノワイヤー添加エポキシ複合材料
3-2 多面体BN/エポキシ複合材料
3-3 粒成長多面体BN/エポキシ複合材料
【質疑応答】
【キーワード】
熱伝導フィラー、樹脂複合材料、BN、AlN、Si3N4
【講演のポイント】
窒化物セラミックスがなぜ高熱伝導材料として実用化されているのか、その中でもBNがなぜ樹脂用熱伝導フィラーとして活発に研究されているのか理解してもらえると思います。また、BNフィラーの改善点や、その形状制御に関する報告例も報告します。
【習得できる知識】
・BNの熱伝導性について学ぶことができる。
・高熱伝導BN焼結体の作製方法について学ぶことができる。
・BNフィラーの化学合成および形状制御について学ぶことができる。