電波吸収体の動作原理およびミリ波からテラヘルツ波に対応した電波吸収材の開発動向
〜電波吸収シートおよびコンパウンドの開発〜
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※開始時間に変更があります。開始時間は10:45~となります(11月10日修正)
※第一部「電波吸収体の動作原理と最新の研究例」 青山学院大学 須賀先生のご講演ですが諸事情により、動画でのご講演となります。ご了承の程、よろしくお願いいたします。ご質問につきましては、ご講演後メールにて受付いたします。
■本セミナーの主題および状況
電波吸収体の動作原理と最新の研究例から、Mhz ~THz帯電波吸収体の設計及び評価やメタサーフェスによる電磁波吸収と電磁波シールドの設計及び評価、電磁波吸収・ノイズ抑制シートの設計とEMC対策 (自動車衝突防止レーダモジュール筐体内不要結合の抑制等)、そして熱硬化性樹脂の薄型発泡体開発および電波吸収体への応用まで、電波吸収体の動作原理およびミリ波からテラヘルツ波に対応した電波吸収材の開発動向についてのセミナーです。
■注目ポイント
★電波吸収体の用途、構成材料、分類、動作原理と設計手法最新の電波吸収体技術を解説。
★電波シールドか電波吸収か、遠方界か近傍界か、電気的等価回路かFDTDか、誘電体か磁性体か導体か、低周波か高周波か、以上、目的を明確にして最適方法を解説。
★電波吸収ゴムシートの製造と基礎特性(複素比透磁率、複素比誘電率)の把握、電波吸収ゴムシートによるEMC設計と適用事例を解説。
★電波吸収体のベース材料の開発技術から、最新のトレンド材料を用いた材料開発など分かりやすく解説。
- 第1部 青山学院大学 理工学部 電気電子工学科 准教授 須賀 良介 氏
- 第2部 防衛大学校 名誉教授/大阪公立大学 客員教授 工学博士 山本 孝 氏
- 第3部 大同特殊鋼株式会社 技術開発研究所 軟磁性材料研究室 主席研究員 工学博士 齋藤 章彦 氏
- 第4部 スーパーレジン工業株式会社 研究開発部 基礎技術課 課長 國田 麻衣子 氏
【1名の場合】55,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。
定員:30名
※ お申込み時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ず、ご確認ください。
※ 銀行振り込みをご選択ください。お支払いは会社のご都合で講座前日に間に合わない場合、開催月翌月末あたりまでお待ち申し上げます。
※ お申し込み後、受講票と請求書が自動で返信されます。請求書記載の銀行口座に沿って、お振り込みをお願いします。また請求書に記載の「株式会社」や「(株)」「会社名」はお客様の記入通りの表記になりますので、ご希望の形式で記載をお願いします。
※ 2名以上でお申し込みをされた場合は、請求書受講票を代表者様にご連絡します
※ 領収書の要望があれば、申込時、備考欄へ記載ください。
※ ご参加手続きの際、自宅住所やフリーアドレス、個人携帯番号のみで登録された場合は、ご所属確認をさせいただくことがございます
※ 当講座では、同一部署、申込者のご紹介があれば、何名でもお1人につき11,000円で追加申し込みいただけます。(申込者は正規料金、お二人目以降は11,000円となります)。追加の際は、申し込まれる方が追加の方を取り纏いただくか、申込時期が異なる場合は紹介者のお名前を備考欄にお書きくださいますよう、お願いいたします。
【第1講】 電波吸収体の動作原理と最新の研究例
【時間】 10:45-12:00
【講師】青山学院大学 理工学部 電気電子工学科 准教授 須賀 良介 氏
【講演主旨】
本セミナーでは、従来の電波吸収体の動作原理および設計からその課題を整理し、その上で前者の電波吸収体と比較して極めて薄いパッチ配列電波吸収体を紹介し,その設計例について簡潔に説明します。またその実現例や特性改善例についてもお話します。
【プログラム】
1. 電波吸収体とは
1.1 歴史
1.2 用途と種類
2. 電波吸収体の動作原理と課題
2.1 反射波抑制
2.2 1層型電波吸収体
2.3 1/4波長型電波吸収体
3. パッチ配列電波吸収体
3.1 構造と等価回路
3.2 設計手法
3.3 実現例
【質疑応答】
【キーワード】
電波吸収体,伝送線路理論,金属パッチ,共振器
【講演のポイント】
電波吸収体について,その概要から設計手法,最新の技術まで広範囲にわたり簡潔に説明します
【習得できる知識】
電波吸収体の用途,構成材料,分類,
動作原理と設計手法
最新の電波吸収体技術
【第2講】 Mhz ~THz帯電波吸収体の設計及び評価やメタサーフェスによる電磁波吸収と電磁波シールドの設計及び評価
【時間】 13:00-14:15
【講師】防衛大学校 名誉教授/大阪公立大学 客員教授 工学博士 山本 孝 氏
【講演主旨】
5G/beyond5G (6G)の言葉が世の中に溢れている。使われる周波数は、24.25GHz~86GHz、で ”ミリ波” である そして5G/beyond5Gの完全な実現のために“電波シールド・電波吸収体”の技術を解説する。ETC (自動料金支払いシステム、5.8GHz)やITS (高度道路交通システム、~76GHz)に主として遠方界電波吸収体・人工表面が開発されてきた。一方スマホ・パソコンの電波障害対策には近傍界電波シールドが使用されてきた。メタマテリアル、古くはメタサーフェスが “ミリ波からテラヘルツ波” 電波吸収体、電波シールドで人工材料、人工表面として考えられ研究が盛んである。本報告では、電波伝搬の基礎から遠方界・近傍界用電磁波シールド・遠方界電波吸収体の設計及び評価、メタサーフェスによる電磁波吸収と電磁波シールドの設計及び評価を ”ミリ波からテラヘルツ波” まで報告する。
【プログラム】
1. 電波伝搬・ロッド・ループアンテナ周りの電磁界分布
・電磁波の入射・反射
・ロッドアンテナ近傍の電磁界
・ループアンテナ近傍の電磁
2.電波シールド効果と反射・吸収損失の導出
・媒質中の電波伝搬と電波シールド
・シェルクノフの式
・反射損失、吸収損失の導出
・波動インピーダンス
・遠方界のシェルクノフの式導出
・近傍界のシェルクノフの式導出
・反射損失,吸収損失,
・近傍界の磁界源近傍のシールド効果の改善
・ワイヤーメッシュのシールド効果
・ワイヤーメッシュと全面のSEシールド効果の比較
3.シールド特性評価法(遠方界と近傍界)
・自由空間法(遠方界)
・KEC法(近傍界)
・近傍界プローブ法(近傍界)
・ストリップライン法(Rtp・近傍界)
・近傍電界磁界プローブ法(近傍界)
・FDTD法(Rtp)
4.電波吸収体(マイクロ波/ミリ波)
・ 電波吸収体理論(1/λ型)(透過法)
・ 広帯域電波吸収体(導電性不織布)作成と自由空間測定結果
5・周波数選択(FSS)による電波シールドから電波吸収体への展開
・ 周波数選択表面(FSS)とは,メタマテリアルとの類似性
・ 線状パターン,方形パターンの等価インダクタンス・等価キャパシタンス変換
・ 4パターンのFSS 無線LAN用電波吸収体(メタスーフェイス)の試作・評価
・ ループフィルタ―特性,ループスロット型フィルター特性,ダブルスクウエア―ループ特性,
.2重メタル表面(メタマテリアル)を用いたMHz帯吸収体(Landy)
・2重メタル表面(メタマテリアル)を用いたTHz帯吸収体(Tao)
・メタターフェイス(FSS)を用いたMHz帯電波吸収体の設計(FDTD法、我々)
・2重メタル表面(メタマテリアル)を用いた広帯域THz帯吸収体の設計・評価(FDTD法、Zhang)
□質疑応答□
【キーワード】
5G/beyond5G/ミリ波/シールド/電波吸収/電磁波
【講演のポイント】
① 電波シールドか電波吸収か,
② 遠方界か近傍界か,
➂ 電気的等価回路かFDTDか,
④ 誘電体か磁性体か導体か,
⑤ 低周波か高周波か.
以上,目的を明確にして最適方法を見つけて設計する.
【習得できる知識】
基本的な電気回路・高周波回路・高周波測定技術・ミリ波技術・ミリ波材料
【第3講】 電磁波吸収・ノイズ抑制シートの設計とEMC対策 (自動車衝突防止レーダモジュール筐体内不要結合の抑制等)
【時間】 14:30-15:45
【講師】大同特殊鋼株式会社 技術開発研究所 軟磁性材料研究室 主席研究員 工学博士 齋藤 章彦 氏
【講演主旨】
電子機器筐体内の不要な電磁結合を抑制するための電磁波吸収シートを紹介する。
電子機器の発振現象や利得の不安定性は、筐体内の不要な電磁結合が原因で起こることを示す。
対策として、
(1)筐体内の電波進行の垂直方向の筐体寸法を周波数の波長の半分にする、
(2)マイクロストリップ線路基板厚さを薄くする、
(3)電磁波吸収シートを貼付する方法等を紹介する。
シート対策では、各種フィラー(カーボン粉、フェライト粉、軟磁性金属粉)を含有したシートの理論的最適設計を示し、 実証実験からもその理論設計手法の正しさを示す。
【プログラム】
1.はじめに
1-1 会社紹介
1-2 従来の遠方界の電波吸収体の主な用途とその原理
2.電波吸収ゴムシートの製造と基礎特性(複素比透磁率、複素比誘電率)の把握
2-1 軟磁性金属粉末の製造と加工
2-2 電波吸収ゴムシートの製造
2-3 電波吸収ゴムシートの製造と基礎特性の把握
3.電波吸収ゴムシートによるEMC設計と適用事例
3-1 高周波(車載ミリ波レーダ)筐体内不要結合抑制の最適設計と実例
3-2 回路基板上に貼付した電波吸収ゴムシートによる不要信号の抑制効果の測定および解析
3-3 電波吸収ゴムシートのローパスフィルタ効果について
【キーワード】
ミリ波、自動運転、レーダ、高周波増幅器、特性改善、アイソレーション、マイクロストリップ線路、結合抑制、EMC設計・対策
【講演のポイント】
高周波(車載ミリ波レーダ)筐体内不要結合抑制のための電波吸収体の最適化設計を行った。
背景 : ミリ波帯アンプ筐体内の入出力間結合が起ると、発振やゲインの周波数特性の劣化の問題が顕在化する。ミリ波は、波長が短く、カットオフ等の容易な結合抑制が難しい。
対策 : 軟磁性金属磁性粉入り複合材料の貼付が効果的である。
課題 : 対策効果の理論的説明・最適条件が不明であり、設計部品としての認識がなく、レーダ作製後の対策部品である。
目的 : 複合材料の設計手法の確立および最適材料設計
<入出力間結合の過程>
1.アンプ出力端からの導波管モ-ドの励振
2.筐体内での伝搬
3.アンプ入力端への結合
<結合抑制体の最適設計>
【第4講】 熱硬化性樹脂の薄型発泡体開発および電波吸収体への応用
【時間】 16:00-17:15
【講師】スーパーレジン工業株式会社 研究開発部 基礎技術課 課長 國田 麻衣子 氏
【講演主旨】
本セミナーでは熱硬化性樹脂をベースとした発泡体の開発から、電波吸収体への応用に至るまで材料開発をメインにご説明します。
【プログラム】
1.発泡体材料の開発
1-1. 樹脂開発技術について
1-2.発泡体の種類
1-3.電波吸収体に適した発泡体材料の選定
2.フェノールフォームの電波吸収材料への応用
2-1.フェノールフォームの1層型電波吸収体検討
2-2.多層型電波吸収体の検討
2-3.まとめ
3.環境配慮型電波吸収体の新規開発
3-1.改質リグニン材料
3-2.改質リグニン材料を使用した電波吸収体の可能性
【キーワード】
電波吸収体 エポキシ発泡体 フェノール発泡体 環境配慮型 改質リグニン
【講演のポイント】
電波吸収体のベース材料の開発技術から、最新のトレンド材料を用いた材料開発など分かりやすくご説明いたします。
【習得できる知識】
電波吸収体材料、電波吸収特性