高周波弾性波デバイス(SAW&BAW)の基礎知識と技術動向
★2025年2月6日WEBでオンライン開講。東北大学 門田 道雄 氏(元株式会社村田製作所)が高周波弾性波デバイス(SAW&BAW)の基礎知識と技術動向について解説する講座です。
■注目ポイント
★SAWの開発・実用化・製造に取り組んできた経験をもとに、弾性体や圧電体の基本的な考え方・理論、BAWやSAWの原理、BAWやSAWの種類や励振方法、それらに適した材料、それらを応用したBAWやSAW共振子、ラダーフィルタへの原理・構成方法、実用化成功の秘訣、今後のBAWやSAWの技術の動向について解説!
- 東北大学 大学院 工学研究科 ロボティクス専攻 シニアリサーチフェロー 門田 道雄 氏
【1名の場合】49,500円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。
定員:30名
※ お申し込み後、受講票と請求書のURLが自動で返信されます。基本的にはこちらで受付完了です。開催前日16:00までに再度最終のご連絡をいたしますので、しばらくお待ちください。請求書と受講票は郵送ではないため必ずダウンロードください。また、同時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ずご確認ください。
※ セミナー前日夕方16:00までにWEB会議のURLについては、別途メールでご案内いたします。事前の配布資料につきましては紙テキストで郵送にてお送りいたします。
※ 請求書の宛名の「株式会社」や「(株)」の「会社名の表記」は、お客様の入力通りになりますので、ご希望の表記で入力をお願いします。
※ お支払いは銀行振込、クレジット決済も可能です。銀行振込でお支払いの場合、開催月の翌月末までにお支払いください。お支払いの際は、社名の前に請求書番号をご入力ください。
※ 領収書のご要望があれば、お申込み時、領収書要にチェックを入れてください。
※ 2名以上でお申し込みをされた場合は、受講票と請求書を代表者様にご連絡します。
※ 当講座では、同一部署の申込者様からのご紹介があれば、何名でもお1人につき16,500円で追加申し込みいただけます (申込者様は正規料金、お2人目以降は16,500円となります)。追加の際は、申し込まれる方が追加の方を取りまとめいただくか、申込時期が異なる場合は紹介者様のお名前を備考欄にお書きくださいますようお願いいたします。
※ なお、ご参加手続きの際、自宅住所やフリーアドレス、個人携帯番号のみで登録された場合は、ご所属確認をさせいただくことがございます。
セミナーに関するQ&Aはこちら(※キャンセル規定は必ずご確認ください)
【本セミナーの主題および状況・本講座の注目ポイント】
■本セミナーの主題および状況
★圧電薄膜バルク波(BAW)共振子(FBARあるいはBAWR)や弾性表面波(SAW)は小形、軽量、周波数無調整、高信頼性、高周波化対応可能等の特徴を持っている。
■注目ポイント
★SAWの開発・実用化・製造に取り組んできた経験をもとに、弾性体や圧電体の基本的な考え方・理論、BAWやSAWの原理、BAWやSAWの種類や励振方法、それらに適した材料、それらを応用したBAWやSAW共振子、ラダーフィルタへの原理・構成方法、実用化成功の秘訣、今後のBAWやSAWの技術の動向について解説!
講座担当:枩西 洋佑
≪こちらの講座は、WEB上での開催のオンライン講座になります≫
【時間】 10:30-16:30
【講師】東北大学 大学院 工学研究科 ロボティクス専攻 シニアリサーチフェロー 門田 道雄 氏
【講演主旨】
圧電薄膜バルク波(BAW)共振子(FBARあるいはBAWR)や弾性表面波(SAW)は小形、軽量、周波数無調整、高信頼性、高周波化対応可能等の特徴を持つ。SAWの民生用への応用はテレビの映像中間周波数(VIF)用フィルタが最初で、その後SAWデバイスは自動車電話、コードレス電話、ペジャ用などへの応用を経て、今や携帯電話、スマートフォンに欠かせない重要な部品となっている。一方。FBARは携帯電話の普及により採用され、当時、SAWの比べて急峻な特性を持つため、急峻な特性が要求されるbandを中心に採用されるようになった。近年のスマートフォンの普及により、両デバイスは、それぞれ特徴を生かしたBandに使用されている。また近年の周波数の混雑対策として、SAWでも急峻な特性が得られるようになってきている。今後、急峻な特性と良好な温度特性をもつフィルタ特性に加え、キャリアアグリゲーションシステムの普及により、広い周波数範囲でスプリアスのないフィルタや第5世代用あるいは次の世代用高周波フィルタが要求されるなど、ますますFBARやSAWフィルタへの期待が高くなっている。
講演者は、村田製作所入社後、圧電セラミックを用いたエネルギー閉じ込め型バルク波共振子・フィルタ(BAW)の開発やSAWフィルタの開発を担当。テレビ・映像中間周波数用SAWフィルタの開発後には、その実用化のため11年間、製造現場に従事して、世界で唯一その実用化に成功した。その後、異動した開発部門では、横波型SAWの端面反射を利用した超小型ETC用フィルタ(今でもシェア100%)及びTV用補助トラップ共振子、高密度電極と水晶を用いた温度特性良好で超小型な携帯電話用IFフィルタ、平坦化SiO2膜/高密度電極/圧電基板構造の温度特性(いわゆるTCSAW)の良好な小型なスマートフォン用SAWデュプレクサ(このデュプレクサはその後同業にもクロスライセンスされ、世界の同業でも数多く生産されている)等、世界初の数多くの各種弾性表面波デバイスの開発と実用化に成功。また近年、注目され始めた板波の1種のラム波(XBARと名を変えて呼んでいつグループもある)については、15年前にいち早く注目し、世界で初めてラム波で5 GHz以上のデバイスを実現した。その論文は2010年度のIEEE UFFC transactionの最優秀論文に選ばれており、また、近年のラム波の論文のほとんどに引用されている。東北大に異動後は、圧電薄板と水晶基板を用いた高Q、ゼロTCF,スプリアスフリーのデバイスに開発のほか、電極を基板内に埋め込むことによる8.2 GHzの3次高調波SAWの励振や圧電基板と従来の1/5厚の多層膜からなる構造で9.5 GHzの3次の高次モードのBAWの励振に成功している。
本講演者は、このように、TV用SAWフィルタのSAWの研究の黎明期から現在に至るまで、SAWの開発・実用化・製造に取り組んできている。これらの経験を活かし、弾性体や圧電体の基本的な考え方・理論、BAWやSAWの原理、BAWやSAWの種類や励振方法、それらに適した材料、それらを応用したBAWやSAW共振子、ラダーフィルタへの原理・構成方法、実用化成功の秘訣、今後のBAWやSAWの技術の動向などについて講演する。
【プログラム】
1.弾性体の基礎
1-1 音波
1-2 弾性体の結晶構造
1-3 歪と応力の関係
1-4 弾性定数(スティフネス、コンプライアンス、(ポアソン比、ヤング率))
1-5 運動方程式
1-6 弾性体の縦波音速、横波音速は何に依存している、どのように求める
2.圧電体とは
2-1 圧電現象
2-2 圧電方程式(圧電定数)
2-3 結晶構造のおける圧電定数の違い
2-4 電気機械結合係数
3.BAWとFBAR
3-1 バルク波(BAW)とは
3-2 厚みすべり振動とは
3-3 厚み縦振動とは
3-4 FBAR用材料
3-5 成膜方法
3-6 BAWやFBARの厚み振動共振子の周波数は何で決まる
3-7 厚み振動共振子の帯域は何で決まる
3-8 エネルギー閉じ込め振動とは
3-9 キャビティ構造とSMRの違いは
4.共振子とラダーフィルタ
4-1 共振子
4-2 ネットワークアナライザによる共振子特性の測定
4-3 スミスチャート、動アドミタンス特性
4-4 共振周波数、反共振周波数とは
4-5 電気機械結合係数
4-6 Qとは
4-7 等価回路
4-8 2重モードフィルタとは
4-9 ラダーフィルタとは
4-10 フィルタの帯域は
4-11 帯域は何に依存する
4-12 高周波化するには
5.SAW
5-1 SAWとは
5-2 SAWとBAWの違い
5-3 SAWの励振
5-4 SAWの種類
5-5 レイリー波
5-6 漏洩弾性波
5-7 縦波型漏洩弾性波
5-8 セザワ波
5-9 BGS波
5-10 ラブ波
5-11 層状構造弾性波
5-12 境界波
6.板波
6-1 板波とBAWやSAWとの違いは
6-2 ラム波と横波型(SH型)板波
6-3 LiNbO3やLiTaO3薄膜を用いたデバイスの例
7.SAWの解析方法
7-1 Campbell-Joneの方法
7-2 パワーフロー角
8.SAW用材料
8-1 セラミック(PZT等)
8-2 薄膜(ZnO等)
8-3 単結晶(LiTaO3、LiNbO3、水晶、LBO、ランガサイト等)
9.SAW共振子
9-1 SAW共振子の原理
10.SAWフィルタの種類
10-1 トランスバーサル型フィルタ
10-2 縦波型共振子フィルタ
10-3 横波型共振子フィルタ
10-4 ラダーフィルタ
11.近年話題のSAWデバイス
11-1 近年要求される特性(温度特性、高Q、スプリアス等)
11-2 異種材料基板を組み合わせたSAWデバイス
11-2-1 異種基板を組み合わせた温度特性の良好なSAWデバイス
11-2-2 異種基板とを組み合わせた高QなSAWデバイス
11-3 広帯域弾性波デバイス
11-3-1 空洞型板波
11-3-2 音響多層膜構造SAWデバイス
11-4 高周波弾性波デバイス
11-4-1 高次モードを利用したSAWデバイス
11-4-2 空洞型板波
11-4-3 音響多層膜構造SAWデバイス
11-4-4 高調波SAW(8.2 GHz SAW)
12.単結晶を用いたBAWデバイス
12-1 空洞型BAWデバイス
12-1-1 LN薄板BAW
12-1-2 LT薄板BAW
12-2 音響多層膜構造BAWデバイス
12-2-1 LN音響多層膜構造
12-2-2 LT音響多層膜構造
12-3 高周波音響多層膜構造BAWデバイス(7- 9.5 GHzBAW)
13.実用化例
【質疑応答】