MLCC製造プロセスと高機能化を実現する材料・技術開発 ~誘電体・バインダー・薄層キャパシタ構造~
★2025年5月28日開講。【①昭栄化学工業/(元)TDK:野村氏】【② 東邦チタニウム:堺氏】【③積水化学工業:廣瀬氏】【④産業技術総合研究所:板坂氏】の、4名の専門家にMLCCの製造工程と材料開発について解説いただきます。
■本講座の注目ポイント
MLCCの製造工程から、各材料の特性、最新の開発技術について学べる講座です
①シート成形におけるバインダー組成、可塑剤、添加剤の選択方法、考え方を示します
②誘電体として、気相法酸化チタンの特性とMLCCへの適用について解説します
③バインダーとして、PVB樹脂の特性とMLCCへの適用について解説します
④誘電体ナノキューブ単層膜と薄層化積層プロセスの研究について説明します
- 第1部 昭栄化学工業 監査役/(元)TDK 株式会社 取締役常務執行役員 野村 武史 氏
- 第2部 東邦チタニウム株式会社 技術戦略本部 分析センター/主幹 堺 英樹 氏
- 第3部 積水化学工業株式会社 高機能プラスチックスカンパニー 開発研究所 先端技術センター 主任研究員 廣瀬 由貴 氏
- 第4部 国立研究開発法人産業技術総合研究所 マルチマテリアル研究部門 次世代電子材料研究グループ 板坂 浩樹 氏
●1名様 :60,500円(税込、資料作成費用を含む)
●2名様以上:16,500円(お一人につき)
※受講料の振り込みは、開催翌月の月末までで問題ありません
定員:30名
※ お申し込み後、受講票と請求書のURLが自動で返信されます。基本的にはこちらで受付完了です。開催前日16:00までに再度最終のご連絡をいたします。請求書と受講票は郵送ではないため必ずダウンロードください。また、同時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ずご確認ください。
※ セミナー前日夕方16:00までにWEB会議のURL、事前配布資料のパスワードについて、別途メールでご案内いたします。基本的にはマイページからのダウンロードの流れとなります。なお、事前配布資料については、講師側の作成完了次第のお知らせになりますので、この点、ご理解のほどお願い申し上げます。
※ 請求書の宛名の「株式会社」や「(株)」の「会社名の表記」は、お客様の入力通りになりますので、ご希望の表記で入力をお願いします。
※ お支払いは銀行振込、クレジット決済も可能です。銀行振込でお支払いの場合、開催月の翌月末までにお支払いください。お支払いの際は、社名の前に請求書番号をご入力ください。
※ 領収書のご要望があれば、お申込み時、領収書要にチェックを入れてください。
※ 2名以上でお申し込みをされた場合は、受講票と請求書を代表者様にご連絡します。
※ 当講座では、同一部署の申込者様からのご紹介があれば、何名でもお1人につき16,500円で追加申し込みいただけます (申込者様は正規料金、お2人目以降は16,500円となります)。追加の際は、申し込まれる方が追加の方を取りまとめいただくか、申込時期が異なる場合は紹介者様のお名前を備考欄にお書きくださいますようお願いいたします。
※ なお、ご参加手続きの際、自宅住所やフリーアドレス、個人携帯番号のみで登録された場合は、ご所属確認をさせいただくことがございます。
【本セミナーの主題および状況・本講座の注目ポイント】
≪こちらの講座は、WEB上での開催のオンライン講座になります≫
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第1講:10:30~12:00(昭栄化学工業/(元)TDK:野村氏)
「MLCCの製造プロセスと材料」
第2講: 13:00-14:30(東邦チタニウム:堺氏)
「MLCC用高純度酸化チタン及びチタン酸バリウム超微粉化技術」
第3講:14:45~15:45(積水化学工業株式会:廣瀬氏)
「バインダー、分散剤、接着剤用途のポリビニルアセタール樹脂」
第4講:16:00~17:15(産業技術総合研究所:板坂氏)
「チタン酸バリウムナノキューブの物性と薄層キャパシタ構造への応用」
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【第1講】 MLCCの製造プロセスと材料
【時間】 10:30-12:00
【講師】昭栄化学工業 監査役/(元)TDK 株式会社 取締役常務執行役員 野村 武史 氏
【講演主旨】
半導体の周辺に数多く使用されている積層セラミックコンデンサは必須の重要な電子部品である。これらに要求される特性を満足するためにはシート成形、積層、脱脂、焼成といった一連のプロセスが非常に重要であり、それらのプロセスステップのポイントについて解説する。特にシート成形は部品の特性だけでなく信頼性をも支配する非常に重要な工程であることから、バインダー組成、可塑剤、添加剤などの選択方法、考え方について詳しく解説する。信頼性という点では、脱脂、焼成工程も非常に重要であり、基本的な考え方から具体的な条件まで説明する。
【講演者について】
講演者は、Ni 電極積層セラミックコンデンサ(MLCC)で酸素空位に起因する絶縁抵抗の寿命の問題を希土類添加と粒界化学の制御等により解決し、世界で初めて高信頼性なNi電極MLCCを実現した。
また、エージング現象や低周波誘電緩和現象についても解明し、主たる要因が格子欠陥、結晶異方性、微構造等にあることを明らかにし、高誘電率系MLCCだけでなく各種温度補償用 MLCC および高温用MLCCも開発し、今日のNi-MLCCの材料技術の基礎を築いた。
【習得できる知識】
①電子セラミックスの成形技術、シート成形技術、シート組成の基本的考え方
②積層技術、脱脂技術、焼成技術、雰囲気制御技術
③積層セラミックコンデンサの製造方法
【講演キーワード】
積層セラミックコンデンサ、シート成形、薄層化多層化、小型化、脱脂、焼成、チタン酸バリウム
【プログラム】
1. MLCCの歴史
2. MLCCの主な特性と用途
3. 粉末合成方法
3.1 ブレークダウン法
3.2 ビルドアップ法
4. 積層セラミックコンデンサの製造方法
4.1 信頼性と微細構造
4.2 グリーンシート及びバインダー
4.3 脱脂
4.4 焼成
5. MLCCの今後
【質疑応答】
【第2講】 MLCC用高純度酸化チタン及びチタン酸バリウム超微粉化技術
【時間】 13:00-14:30
【講師】東邦チタニウム株式会社 技術戦略本部 分析センター/主幹 堺 英樹 氏
【講演主旨】
MLCC(積層セラミックコンデンサー)の小型化に伴い、誘電体の素原料である高純度酸化チタンの小粒径化、チタン酸バリウムの小粒径化、結晶性の向上等、電子部品メーカーのニーズに応えるべく、如何に開発を進めてきたのか、簡単に紹介する。
【講演のポイント】
①固相法BT用素原料である酸化チタンに関する知見が、専門外の技術者にもわかりやすく解説。
②気相法における酸化チタンの反応メカニズム等に関する知見が、専門外の技術者にもわかりやすく解説。
③液相法に関するBT合成反応に関する知見が、専門外の技術者にもわかりやすく解説。
④固相法におけるBT合成メカニズム等に関する知見が、専門外の技術者にもわかりやすく解説。
【習得できる知識】
①固相法BT用素原料である酸化チタンに関する知見が得られる
②気相法における酸化チタンの反応メカニズム等に関する知見が得られる
③液相法に関するBT合成反応に関する知見が得られる
④固相法におけるBT合成メカニズム等に関する知見が得られる
【講演キーワード】
MLCC、球状粒子、気相法、液相法、チタン酸バリウム、酸化チタン、ルチル、アナターゼ、積層セラミックコンデンサー、誘電体
【プログラム】
1. 気相法酸化チタンの開発
1-1 結晶系
1-2 酸化チタンの製法
1-3 MLCC用誘電体原料に求められる品質特性
1-4 球状TiO2による球状BaTiO3の合成例
2. 液相法チタン酸バリウムの開発例
2-1 合成コロイド法チタン酸バリウムの開発
・合成品の特徴
・熱処理粉砕品の特徴
3. 酸化チタン資源について
【質疑応答】
【第3講】 バインダー、分散剤、接着剤用途のポリビニルアセタール樹脂
【時間】 14:45-15:45
【講師】積水化学工業株式会社 高機能プラスチックスカンパニー 開発研究所 先端技術センター 主任研究員 廣瀬 由貴 氏
【講演主旨】
ポリビニルブチラールをはじめとするポリビニルアセタール樹脂は、強靭性、接着性、分散性といったユニークな性能をバランスよく発揮できるため、多くの製品分野で課題解決に貢献できる可能性をもった多機能性ポリマーです。
本講演では、積層セラミックスバインダー用バインダーの例をもとにポリビニルブチラール樹脂の要求性能、材料特性などを説明する。
【講演のポイント】
ポリビニルアセタール/ブチラール(PVB)樹脂に関して基礎から講演します。PVBの特徴と積層セラミックコンデンサに要求される機能や、PVB樹脂を取り扱う上でのポイントなど専門外の技術者に分かりやすく解説します。
【習得できる知識】
①ポリビニルブチラール樹脂の特徴
②ポリビニルブチラール樹脂の製造方法
③ポリビニルアセタール樹脂の用途
【講演キーワード】
ポリビニルブチラール、PVB、セラミックスバインダー、高分子分散剤
【プログラム】
1. はじめに
1-1. ポリビニルブチラール/アセタール樹脂の特徴
2. セラミックスバインダー用途のポリビニルアセタール樹脂
2-1. MLCCの技術動向
2-2. 誘電体層用バインダーへの要求性能
2-3. 電極ペースト用バインダーの要求性能
3. 分散剤、接着剤用途のポリビニルアセタール樹脂
4. まとめ
【質疑応答】
【第4講】 チタン酸バリウムナノキューブの物性と薄層キャパシタ構造への応用
【時間】 16:00-17:15
【講師】国立研究開発法人産業技術総合研究所 マルチマテリアル研究部門 次世代電子材料研究グループ 板坂 浩樹 氏
【講演主旨】
今後の次世代高速大容量通信システムの普及に向けて、スマートフォンなどの情報端末における情報処理能力の一層の高度化が求められている。そのためには端末機器内の電子素子の高集積化が必須であり、主要な素子である積層セラミックコンデンサ(MLCC)においても更なる小型化・高容量化が要求されている。MLCC内部は誘電体層と電極層の交互積層構造となっており、特に誘電体層においては主原料であるチタン酸バリウムの微粒子化による薄層化と多層化が重要な開発課題となっている。
本講座では、MLCC向けの次世代材料として期待されるチタン酸バリウムのキューブ状ナノ結晶(ナノキューブ)に関して、その合成技術や単層誘電体膜への集積技術を解説するとともに、ナノ結晶単層誘電体膜とグラフェン電極を組み合わせた薄層キャパシタ構造の開発動向を紹介する。また、誘電体ナノ結晶や集積膜の微構造や物性評価の為の先端分析技術の特徴に関して解説し、その評価事例を紹介する。
【講演のポイント】
MLCC用の誘電体材料として期待されるチタン酸バリウムのキューブ状ナノ結晶(ナノキューブ)の合成技術や薄層誘電膜への集積技術、及びそれらを応用した薄層キャパシタ構造の開発動向を紹介するとともに、先端分析技術を用いた微細構造評価や物性評価方法の解説とそれらによる分析事例を紹介する。
【習得できる知識】
①チタン酸バリウムナノ結晶の合成技術及びその物性発現メカニズム
②ナノ結晶集積膜の集積技術と薄層キャパシタ構造開発の動向
③誘電体の微構造・物性評価の為の先端分析手法の特徴と評価事例
【講演キーワード】
ナノ結晶、チタン酸バリウム、グラフェン、単層膜、自己組織集積、薄層キャパシタ、強誘電性、残留応力、微構造分析、走査プローブ顕微鏡、ラマン分光法
【プログラム】
1. はじめに
2. チタン酸バリウムナノキューブの合成とその特性
3. ナノキューブの誘電特性発現メカニズム
4. ナノキューブ単層膜集積法の開発
5. ナノキューブ単層膜の微構造・物性評価
6. 薄層キャパシタ構造の開発
【質疑応答】