ポリプロピレン(PP)樹脂の特性・構造とリサイクル ~海洋汚染問題に対応する自然分解~
★2025年12月4日開講。【山形大学・産学連携教授 :小林氏】に、ポリプロピレン(PP)樹脂の基礎から応用・環境対応までを解説いただきます。
■本講座の注目ポイント
樹脂メーカー・成形加工業の方必見!
ポリプロピレン(PP)の物性・混合・劣化のメカニズムから高機能化、環境対応など、材料開発からESG対応までPPの全てを解説します。プラスチックやPPフィルム製造の手掛かりとして、基礎から学び直せる再入門としても最適な内容です。また、環境問題として分解しないPPをどう活用すべきか今後の展望を説明します。
- 山形大学 グリーンマテリアル成形加工研究センター/産学連携教授 小林 豊 氏
●1名様 :49,500円(税込、資料作成費用を含む)
●2名様以上:16,500円(お一人につき)
※受講料の振り込みは、開催翌月の月末までで問題ありません
定員:30名
※ お申し込み後、受講票と請求書のURLが自動で返信されます。基本的にはこちらで受付完了です。開催前日16:00までに再度最終のご連絡をいたします。請求書と受講票は郵送ではないため必ずダウンロードください。また、同時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ずご確認ください。
※ セミナー前日夕方16:00までにWEB会議のURL、事前配布資料のパスワードについて、別途メールでご案内いたします。基本的にはマイページからのダウンロードの流れとなります。なお、事前配布資料については、講師側の作成完了次第のお知らせになりますので、この点、ご理解のほどお願い申し上げます。
※ 請求書の宛名の「株式会社」や「(株)」の「会社名の表記」は、お客様の入力通りになりますので、ご希望の表記で入力をお願いします。
※ お支払いは銀行振込、クレジット決済も可能です。銀行振込でお支払いの場合、開催月の翌月末までにお支払いください。お支払いの際は、社名の前に請求書番号をご入力ください。
※ 領収書のご要望があれば、お申込み時、領収書要にチェックを入れてください。
※ 2名以上でお申し込みをされた場合は、受講票と請求書を代表者様にご連絡します。
※ 当講座では、同一部署の申込者様からのご紹介があれば、何名でもお1人につき16,500円で追加申し込みいただけます (申込者様は正規料金、お2人目以降は16,500円となります)。追加の際は、申し込まれる方が追加の方を取りまとめいただくか、申込時期が異なる場合は紹介者様のお名前を備考欄にお書きくださいますようお願いいたします。
※ なお、ご参加手続きの際、自宅住所やフリーアドレス、個人携帯番号のみで登録された場合は、ご所属確認をさせいただくことがございます。
【時間】 13:00-17:30
【講師】山形大学 グリーンマテリアル成形加工研究センター/産学連携教授 小林 豊 氏
【講演主旨】
ポリプロピレンは、私たちの身の回りで大量に使われている。軽くて耐久性があり、成形加工しやすいからである。一方、環境中で分解しにくいことから、使い捨て用途に関して、生分解性高分子で代替の動きがある。その一方、マテリアルリサイクルしやすい点から、モノマテリアル化の主役になるかもしれない。こうした話題を理解できるように、ゼロから解説する。
【講演のポイント】
プラスチックの廃棄物による海洋汚染が問題になっています。鉄や古紙のような資源循環の仕組みがあれば、廃棄されるプラスチックはなくなるはずです。本講座では、ポリプロピレンを事例として、高分子の製造、加工、構造、物性の全般を説明します。そのうえで、何故リサイクルできなかったのか、これからどのような将来になるのかを説明します。
【習得できる知識】
①ポリプロピレンを事例としてプラスチック全般が分かる
②プラスチックの劣化と安定化
③サーキュラーエコノミーに向けたプラスチックの動向
【講演キーワード】
耐久性と分解性、成形加工しやすさ、モノマテリアル、リサイクル
【プログラム】
1. ポリプロピレンの歴史
1-1 おいたち
1-2 樹脂改良の足跡
1-2-1 低温における衝撃強度の改良
1-2-2 剛性の改良
1-2-3 透明性の改良
1-2-4 難燃化
1-2-5 耐候性の改良
1-2-6 耐銅害性グレード
1-2-7 帯電防止
1-2-8 二次加工性の改良
1-2-9 染色性の改良
2. ポリプロピレンの化学
2-1 プロピレン
2-2 プロピレンの重合
2-2-1 重合触媒
2-2-2 重合反応
2-3. ポリプロピレンの製造法
2-3-1 ホモポリマー
2-3-1 ランダム共重合体
2-3-1 衝撃グレード
3. ポリプロピレンの構造と物性
3-1 分子最と分子量分布
3-1-1 分子量
3-1-2 分子量分布
3-2 分子構造と結晶構造
3-2-1 一次構造
3-2-2 立体規則性
3-2-3 二次構造
3-2-4 高次構造
3-3 熱的性質
3-3-1 ガラス転移温度と融解温度
3-3-2 PVT
3-3-3 緩和
3-3-4 結晶化速度と結晶化度
3-4 溶融物性
3-4-1 メルトマスフローレート
3-4-2 溶融粘度の測定
3-4-3 密度と表面エネルギー
3-5 固体物性・機械的性質
3-5-1 降伏強度,伸び
3-5-2 弾性率
3-5-3 衝撃強度
3-5-4 表面硬度
3-5-5 摩耗抵抗、スクラッチ性
3-6 耐久性
3-6-1 耐クリープ性
3-6-2 耐疲労性
3-7 その他性質
3-7-1 ヒンジ特性
3-7-2 比熱、熱伝導率
3-7-3 電気的性質
3-7-4 耐薬品性、耐ストレスクラッキング性
4. ポリプロピレンの劣化と機能化
4-1 劣化の全体像
4-1-1 外的な要因
4-1-2 内的な要因
4-2 ポリプロピレンの劣化機構
4-2-1 自動酸化反応
4-2-2 β切断による分子量の低下
4-2-3 劣化による構造物性の変化
4-3 安定性を付与する添加剤
4-3-1 酸化防止剤
4-3-2 光安定剤
4-3-3 中和剤
4-3-4 分散剤
4-3-5 架橋剤、分解剤、発泡剤
4-3-6 難燃剤
4-4 機能を付与する添加剤
4-4-1 造核剤
4-4-2 帯電防止剤
4-4-3 滑剤
4-4-4 防曇剤
4-4-5 離型剤
4-4-6 アンチブロッキング剤
4-4-7 抗菌剤
4-4-8 蛍光増白剤
4-5 分析法、試験法
4-5-1 前準備
4-5-2 定性分析
4-5-3 定量分析
5. 調色とコンパウンド
5-1 調色
5-1-1 色材
5-1-2 凝集と分散
5-1-3 工業的な混合方法
5-2 コンパウンド
5-2-1 二軸押出機
5-2-2 フィラー充填
5-2-3 ガラス強化
5-2-4 エラストマー変性
5-2-5 反応混練
6. ポリプロピレンの加工法
6-1 延伸加工
6-1-1 無配向と延伸による構造形成
6-1-2 キャストフィルム
6-1-3 BOPP
6-1-4 インフレーションフィルム
6-1-5 溶融紡糸
6-1-6 延伸テープ
6-2 射出成形
6-2-1 射出成形品の構造形成
6-2-2 構造と物性
6-3 その他
6-3-1 中空成形
6-3-2 不織布
6-3-3 シート成形
6-3-4 回転成形
7. 環境対策の状況
7-1 環境対策の全体像
7-2 サーキュラーエコノミーの課題
7-3 ケミカルリサイクル 分解しないPPの分解とは
7-4 マテリアルリサイクル 再生の方法
7-5 展望
【質疑応答】