次世代高速通信(6G通信)の実現に向けた技術的取り組みと高耐熱性、低誘電特性を有するポリイミド材料の開発動向および伝送損失評価
★2026年1月29日WEBでオンライン開講。第一人者の株式会社KRI 桂氏/ 兵藤氏、東邦大学 長谷川氏、東洋紡株式会社 土屋氏、荒川化学工業株式会社 田崎氏が、【次世代高速通信(6G通信)の実現に向けた技術的取り組みと高耐熱性、低誘電特性を有するポリイミド材料の開発動向および伝送損失評価】について解説する講座です。
■注目ポイント
★6G通信向け材料開発と評価技術の動向に始まり、高速伝送フレキシブルプリント配線基板の絶縁フィルムに適したエステル基含有変性ポリイミド、世界最高レベルの寸法安定性を有する高耐熱性ポリイミドフィルム「ゼノマックス」とフッ素樹脂の複合化により伝送損失の低減と寸法安定性を両立を実現した6G通信向け電子回路基板の開発事例、誘電ポリイミド樹脂を用いた低伝送損失基板の諸物性について紹介・解説!
- 第1部 株式会社KRI スマートマテリアル研究センター 桂 勇男 氏/ 兵藤 豊 氏
- 第2部 東邦大学 理学部化学科 長谷川 匡俊 氏
- 第3部 東洋紡株式会社 フイルムフロンティア開発部 / マネージャー 土屋 俊之 氏
- 第4部 荒川化学工業株式会社 ファイン・エレクトロニクス開発部 田崎 崇司 氏
【1名の場合】60,500円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。
定員:30名
※ お申し込み後、受講票と請求書のURLが自動で返信されます。基本的にはこちらで受付完了です。開催前日16:00までに再度最終のご連絡をいたしますので、しばらくお待ちください。請求書と受講票は郵送ではないため必ずダウンロードください。また、同時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ずご確認ください。
※ セミナー前日夕方16:00までにWEB会議のURL、事前配布資料のパスワードについては、別途メールでご案内いたします。基本的には、事前配布資料はマイページからのダウンロードの流れとなります。なお、事前配布資料については、講師側の作成完了次第のお知らせになりますので、この点、ご理解のほどお願い申し上げます。
※ 請求書の宛名の「株式会社」や「(株)」の「会社名の表記」は、お客様の入力通りになりますので、ご希望の表記で入力をお願いします。
※ お支払いは銀行振込、クレジット決済も可能です。銀行振込でお支払いの場合、開催月の翌月末までにお支払いください。お支払いの際は、社名の前に請求書番号をご入力ください。
※ 領収書のご要望があれば、お申込み時、領収書要にチェックを入れてください。
※ 2名以上でお申し込みをされた場合は、受講票と請求書を代表者様にご連絡します。
※ 当講座では、同一部署の申込者様からのご紹介があれば、何名でもお1人につき16,500円で追加申し込みいただけます (申込者様は正規料金、お2人目以降は16,500円となります)。追加の際は、申し込まれる方が追加の方を取りまとめいただくか、申込時期が異なる場合は紹介者様のお名前を備考欄にお書きくださいますようお願いいたします。
※ なお、ご参加手続きの際、自宅住所やフリーアドレス、個人携帯番号のみで登録された場合は、ご所属確認をさせいただくことがございます。
【本セミナーの主題および状況・本講座の注目ポイント】
■本セミナーの主題および状況(講師より)
★大容量・高速データ通信を支える技術として、高周波に対して低誘電正接の耐熱絶縁基板材料が求められています。
★ポリイミドが高速通信用途において選ばれる理由としては、「低誘電特性」や「高耐熱性」など、電気的・熱的・機械的特性のバランスが極めて優れていることを挙げることができます。
■注目ポイント
★低誘電正接を示す耐熱絶縁高分子材料開発のヒントを紹介!
★世界最高レベルの寸法安定性を有する高耐熱性ポリイミドフィルム「ゼノマックス」とフッ素樹脂の複合化により伝送損失の低減と寸法安定性を両立を実現した6G通信向け電子回路基板の開発事例を紹介!
★誘電ポリイミド樹脂の特性、当樹脂を用いた低伝送損失基板の諸物性について説明!
講座担当:牛田孝平
≪こちらの講座は、WEB上での開催のオンライン講座になります≫
【第1講】 KRIによる6G通信向け材料開発/樹脂多孔質材料開発技術のご紹介
【時間】 10:45-12:00
【講師】株式会社KRI スマートマテリアル研究センター 桂 勇男 氏/ 兵藤 豊 氏
【講演主旨】
① KRIによる6G通信向け材料開発のご紹介
KRIでは、無線通信、光通信を対象とした6G通信向け材料開発を行っている。無線通信においては取り扱う周波数が高くなり、通信エリア拡張のための取り組みが必要とされている背景を踏まえて、メタサーフェス反射板の開発、および評価などを行っている。またデータセンター向け光通信が活況な状況であり、そこでの課題となっている発熱、消費電力の問題に対応するために光電融合の早期実現が期待されており、EO変調器や光導波路の開発なども行っている。KRIは材料開発だけにとどまらず、システム視点での出口を見据えた取り組みを行っており、その紹介を本セミナーにて行う。
② KRIによる樹脂多孔質材料開発技術のご紹介
高速通信向け材料として、低誘電率、低損失な樹脂材料開発が求められている。 樹脂材料に関しては分子構造に存在する極性の官能基、およびセグメントが、対応する周波数で応答するために生まれる損失の影響が大きい。そのまま受け取ると選択できる樹脂が限られてしまうのだが、樹脂組成を選ばない低誘電率化方策のあくまで一つの可能性として、KRIでは樹脂材料の多孔化を提案している。言い換えれば、樹脂材料と空気とのコンポジットを作る技術である。相分離法を主な手法としたサブミクロンスケールの空孔を有する多孔体構築を提案する。
【プログラム】
① KRIによる6G通信向け材料開発のご紹介
・KRIの紹介/講演者の紹介
・2030年の通信はどうなっているか?
無線通信、光通信それぞれの方向性と技術的課題を探る
・将来の通信に向けたKRIの技術的取り組み
メタサーフェス反射板、ミリ波帯・サブテラヘルツ帯電磁波材料評価、無線通信システムの評価、無線通信機器の開発支援、光変調器向けEO材料の開発/評価、ポリマー光導波路の開発/評価、光電融合半導体ICの集積化関連材料の開発、光電融合実現に貢献するデバイス試作、などを紹介
② KRIによる樹脂多孔質材料開発技術のご紹介
・樹脂材料の誘電損失について、分子構造と周波数依存性などの事項
・KRIでの事例:多孔化によるポリイミドの低誘電率化、断熱性の付与についてご紹介
・その他、低損失樹脂の分散、コンポジット化などの併用手法などの可能性を提案
【質疑応答】
【キーワード】
次世代通信、ミリ波・テラヘルツ波、光電融合、メタサーフェス、光導波路、電波可視化技術、電磁波シールド特性、低誘電率、低損失、損失の周波数依存性、多孔化、多孔質、分散技術、コンポジット化
【講演のポイント】
株式会社KRIは、受託研究企業としてこれまでに2,000社を超えるお客様とお取引いただき、長年の信頼関係のもと、創業以来30年余ご愛顧いただいています。現在、通信・半導体関連の研究業務も拡大傾向にあり、その一端をご紹介できましたら幸甚に存じます。
【習得できる知識】
6G通信向け材料開発と評価技術、及び樹脂多孔化技術に関するKRIの取り組みをご紹介します。
【第2講】 高速通信FPC用低熱膨張性変性ポリイミド
【時間】 13:00-14:15
【講師】東邦大学 理学部化学科 長谷川 匡俊 氏
【講演主旨】
大容量・高速データ通信を支える技術として、高周波に対して低誘電正接の耐熱絶縁基板材料が求められています。本プレゼンでは、これを実現するためのモノマーの分子設計とモノマー合成時に直面する問題点を示し、高速伝送フレキシブルプリント配線基板の絶縁フィルムに適したエステル基含有変性ポリイミドについてお話します。ポジ型感光性ポリイミドへ適用した例にも少し触れ、変性ポリイミドフィルム物性を中心にプレゼンします。
【プログラム】
1.フレキシブル回路基板(FPC)の用途とそれに用いる耐熱絶縁材料の要求特性
2.トレード・オフの関係にある複合的要求特性と実現困難さ
3.現行のポリイミドの問題点および限界
4.高速通信FPCに適した回路基板用耐熱材料.変性ポリイミド: ポリエステルイミド(PEsI)とその基本物性
5.PEsIの問題点
6.単純なPEsI系の前駆体を用いたGBL加工性高弾性率ポジ型感光性システム
7.熱ラミネート性を持つ低熱膨張性PEsI
【質疑応答】
【キーワード】
ポリイミド、変性ポリイミド、ポリエステルイミド、光速通信FPC、高周波誘電特性、低誘電正接、イミド化反応、低熱膨張性、膜靭性、難燃性、融着性、ポジ型感光性
【講演のポイント】
低誘電正接を示す耐熱絶縁高分子材料開発のヒントが転がっています。
【習得できる知識】
モノマーの分子設計、物性評価法、トレード・オフの関係にある物性など
【第3講】 6G通信実用化に向けた高耐熱性ポリイミドフィルムを活用した高周波伝送向け電子回路基板の開発
【時間】 14:25-15:40
【講師】東洋紡株式会社 フイルムフロンティア開発部 / マネージャー 土屋 俊之 氏
【講演主旨】
「ゼノマックス®」は世界最高レベルの寸法安定性を有する高耐熱性ポリイミドフィルムです。従来のポリイミドフィルムでは不可能だったLow-CTEガラスやシリコン基板と同等の高い寸法安定性を実現し、「薄い」「軽い」「曲がる」といったフィルムの特性を生かして、フレキシブルTFT基板などへ用途展開しています。本講座では、機能分離による高周波用回路基板材料へのアプローチとして、ゼノマックスとフッ素樹脂の複合化により、伝送損失の低減と寸法安定性を両立を実現した、6G通信向け電子回路基板の開発事例を紹介します。
【プログラム】
1. はじめに
2. 高耐熱性低CTEポリイミドフィルム「ゼノマックス®」
2.1 基本特性
2.2 応用事例紹介
3. 低CTEポリイミドフィルムを用いた低伝送損失基板の開発
3.1 高速高周波通信用材料に求められる特性
3.2 フッ素樹脂との複合化による低伝送損失かつ低CTE基板の開発
3.3 PTFEとの低CTEポリイミドフィルムとの直接接着法の開発
【質疑応答】
【キーワード】
ポリイミド、複合化、高周波、複合化、PTFE
【講演のポイント】
高周波用回路基板材料へのアプローチとして、ポリイミドとフッ素樹脂の機能分離、複合化により、伝送損失の低減と寸法安定性維持の両立を実現させています。
【習得できる知識】
・ポリイミドフィルムの基本知識
・複合材料の設計思想
【第4講】 高周波フレキシブルプリント基板向け低誘電ポリイミド接着剤の物性と伝送損失評価
【時間】 15:50-17:05
【講師】荒川化学工業株式会社 ファイン・エレクトロニクス開発部 田崎 崇司 氏
【講演主旨】
スマートフォンに代表されるモバイルで適用されつつある5G等の高周波用途の最新動向に触れながら、 高周波フレキシブルプリント基板で必要とされる低誘電材料の具体的な要求特性を踏まえた上で、 当社が開発した低誘電ポリイミドの特徴、使用法を説明する。加えて当社材料を使用した低伝送損失基板のコンセプト、具体的な物性(伝送損失等)を紹介する。
【プログラム】
1.開発背景
1.1 プリント基板の技術トレンド(高周波対応)
1.2 伝送損失とその改良方針について
1.3 プリント基板材料(硬化性材料)の主要成分について
2.ポリマー設計
2.1 ポリイミドについて
2.2 ポリマー設計方針(加工性改良)
2.3 ポリマー設計方針(低誘電化)
3.新規ポリイミド樹脂「PIAD」
3.1 製品概要
3.2 樹脂特性
4.新規ポリイミド樹脂「PIAD」応用例
4.1 低誘電カバーレイ、ボンディングシート
4.2 低伝送損失FCCL
【質疑応答】
【キーワード】
低誘電ポリイミド樹脂、高周波フレキシブル基板、低伝送損失基板
【講演のポイント】
本講演ではプリント基板における高周波トレンドについて触れた上、当社の低誘電ポリイミド樹脂の特性、当樹脂を用いた低伝送損失基板の諸物性について説明します。本講演を受講することで高周波用途における技術トレンドと高周波基板材料に求められる物性がどのようなものかを把握できます。
【習得できる知識】
高周波基板材料の設計方針、高周波用途の技術トレンド