亜鉛 次世代二次電池の部材開発動向と充放電劣化・デンドライト対策
~金属空気・亜鉛(Zn)電極・水系電池の正負極電極材料・セパレータ・導電助剤や電池構成事例~
★2024年6月28日WEBでオンライン開講。公立諏訪東京理科大学 小川氏 九州大学 石原氏 山形大学 石﨑氏 シャープ 吉田氏がそれぞれ亜鉛を使用した次世代二次電池の部材開発動向や、課題について解説する講座です。
■注目ポイント
★劣化を防止するための部材開発の最新研究動向や、正極材料・負極材料・セパレーターなどの開発にはどういった要素が必要か?
★亜鉛Zn電池をはじめとし、Li空気や金属電池、水系などへの応用等も含め、それぞれの材料の組み合わせを考慮すべきポイントは?スタック化やフロー電池化など、具体的な亜鉛電池の構成についての事例についても言及!
- 第1部 公立諏訪東京理科大学 工学部機械電気工学科 准教授 小川 賢 氏
- 第2部 九州大学 カーボンニュートラルエネルギー国際研究所 石原 達己 氏
- 第3部 山形大学 理学部/准教授 石﨑 学 氏
- 第4部 シャープ株式会社 研究開発本部 グリーンイノベーション&デバイス研究所 第二研究室 室長 吉田 章人 氏
【1名の場合】60,500円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。
定員:30名
※ お申し込み後、受講票と請求書のURLが自動で返信されます。基本的にはこちらで受付完了です。開催前日16:00までに再度最終のご連絡をいたしますので、しばらくお待ちください。請求書と受講票は郵送ではないため必ずダウンロードください。また、同時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ずご確認ください。
※ セミナー前日夕方16:00までにWEB会議のURL、事前配布資料のパスワードについては、別途メールでご案内いたします。基本的には、事前配布資料はマイページからのダウンロードの流れとなります。なお、事前配布資料については、講師側の作成完了次第のお知らせになりますので、この点、ご理解のほどお願い申し上げます。
※ 請求書の宛名の「株式会社」や「(株)」の「会社名の表記」は、お客様の入力通りになりますので、ご希望の表記で入力をお願いします。
※ お支払いは銀行振込、クレジット決済も可能です。銀行振込でお支払いの場合、開催月の翌月末までにお支払いください。お支払いの際は、社名の前に請求書番号をご入力ください。
※ 領収書のご要望があれば、お申込み時、領収書要にチェックを入れてください。
※ 2名以上でお申し込みをされた場合は、受講票と請求書を代表者様にご連絡します。
※ 当講座では、同一部署の申込者様からのご紹介があれば、何名でもお1人につき16,500円で追加申し込みいただけます (申込者様は正規料金、お2人目以降は16,500円となります)。追加の際は、申し込まれる方が追加の方を取りまとめいただくか、申込時期が異なる場合は紹介者様のお名前を備考欄にお書きくださいますようお願いいたします。
※ なお、ご参加手続きの際、自宅住所やフリーアドレス、個人携帯番号のみで登録された場合は、ご所属確認をさせいただくことがございます。
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【【本セミナーの主題および状況 本講座の注目ポイント】】
■本セミナーの主題および状況
★リチウムイオン電池の次の電池として、金属―空気電池は、極めて大きなエネルギー密度を有する2次電池として開発が加速しており、特に研究発表が盛んな亜鉛系二次電池の動向!
★現状はデンドライトによる短絡を抑止したとしても亜鉛二次電池の実用化は難しく、特に亜鉛負極と組み合わせる正極の選び方が重要なことがわかって来ている状況。
■注目ポイント
★劣化を防止するための部材開発の最新研究動向や、正極材料・負極材料・セパレーターなどの開発にはどういった要素が必要か?
★それぞれの材料の組み合わせを考慮すべきポイントは?スタック化やフロー電池化など、具体的な電池構成についての事例についても言及!
講座担当:青木良憲
≪こちらの講座は、WEB上での開催のオンライン講座になります≫
【第1講】 電池副反応を考慮した亜鉛二次電池のセパレータ設計
【時間】 13:00-14:15
【講師】公立諏訪東京理科大学 工学部機械電気工学科 准教授 小川 賢 氏
【講演主旨】
亜鉛二次電池を開発する中で、従来は亜鉛デンドライトによる短絡に議論が集中していたが、近年のセパレータ技術の発達により、解決にむけた一定の道筋が見えてきた。しかしながら、亜鉛デンドライトによる短絡を抑止したとしても亜鉛二次電池の実用化は難しく、特に亜鉛負極と組み合わせる正極の選び方が重要なことがわかっている。講演では、様々な正極を亜鉛負極と組み合わせた際の特徴や課題について述べると共に、用いる正極で発生する副反応に応じたセパレータ設計について解説する。
【プログラム】
1 亜鉛二次電池の有用性と課題
1-1 最近の蓄電池市場動向
1-2 リチウムイオン電池と共存する蓄電池
1-3 亜鉛二次電池の魅力と課題
2 正極の選び方と電池性能について
2-1 正極選定によって変わる亜鉛二次電池の特徴
2-2 長寿命型亜鉛二次電池の設計
2-3 大容量型亜鉛二次電池の設計
3 電池副反応とセパレータ設計
3-1 ニッケル亜鉛電池の動作について
3-2 正極副反応に応じたセパレータ設計
3-3 理想的な亜鉛二次電池用正極とは?
【質疑応答】
【キーワード】
亜鉛二次電池、亜鉛負極電池
【講演ポイント】
●講演内容について:
電池の議論では、対象となる事象にフォーカスするためにそれ以外の条件を理想状態として論じる場合が多いが、本講演ではできるだけ実用的な電池に近づけた議論を心掛けることとしたい。
●講演者について:
基盤となる専門分野が半導体デバイス工学であることから、「電池」に対してもデバイス設計的な視点で解説を行うと共に、電機メーカーと化学メーカーと異なる業種で研究開発に従事した経験を活かして、多角的な観点から講演を行いたい。
【習得できる知識】
・亜鉛二次電池に関する研究動向
・水系二次電池の電極設計に関する知識
・水系二次電池用セパレータ設計に関する知識
【第2講】 亜鉛空気二次電池の現状と今後の展開・課題 ~充放電劣化・デンドライト対策~
【時間】 14:25-15:40
【講師】九州大学 カーボンニュートラルエネルギー国際研究所 石原 達己 氏
【講演主旨】
金属―空気電池は、極めて大きなエネルギー密度を有する2次電池として開発が加速している。本講座では亜鉛空気電池の2次電池化の現状と課題を解説するとともに、組電池の構造や繰り返し充放電のための課題について説明する。とくに空気極触媒の現状と繰り返し特性の現状と課題を紹介する。
【プログラム】
1.現状と課題
1-1. 空気極触媒の現状
1-2. 空気極の原理と課題
1-2-1. 現在までの材料設計
1-2-2. ペロプスカイト型酸化物の空気極特性
1-2-3. 新しい空気極触媒としてのスピネル酸化物
1-3. 繰り返し特性の向上のための課題
1-3-1. 劣化と劣化機構
1-3-2. 劣化抑制のための対策
1-3-3. 設計指針
1-4. セルとしての課題
1-4-1. Zn負極の現状と課題
1-4-2. 電解液の現状と課題、添加物
1-4-3. セルとしての2次電池特性
1-4-4. 劣化機構と対策
1-4-5. 2次電池としての現状
1-5. 今後の展望と課題
1-5-1. スタック化と課題
【質疑応答】
【キーワード】
Zn-空気電池、単セルの構造、空気極、スタック構造
【講演ポイント】
空気電池の研究を10年以上、研究しており、とくにLi-O2電池やZn-空気電池の空気極に関して豊富な経験と酸素活性化触媒に関して豊富な知識を有する。今回は、空気極触媒の経験に関して紹介します。
【習得できる知識】
Zn-空気電池に関する知識
Zn-空気電池の2次電池化の現状と課題の知識
Zn-空気2次電池のスタックの構造とメカニカルチャージなどの知識
空気電池の空気極の現状と課題に関する知識
【第3講】 正極構造に注目した超高速充放電可能な亜鉛イオン二次電池開発
【時間】 15:50-17:05
【講師】山形大学 理学部/准教授 石﨑 学 氏
【講演主旨】
風力・太陽電池等の間欠的に生じる自然エネルギーを短時間で効率よく充電し利用できる超高速充放電二次電池によるエネルギーサイクルの構築が求められている。特に、資源が少なく、自然災害の多い我が国において、安全性の高い金属亜鉛を用いた二次電池開発は喫緊の課題といえる。講演者らは、バインダーを含む既存の正極作製法から脱却した新たな正極構造の提案・作製を行い、1000 C(3.6秒での充放電速度)で駆動する超高速充放電可能な亜鉛イオン二次電池を開発した。ここでは、開発の背景、設計指針、電池特性や課題について講演を行う。
【プログラム】
1. 持続可能なエネルギーサイクルの構築に向けて
2. 金属亜鉛の利点
3. イオン二次電池の高速充放電化の指針
4. 当研究室での取り組み
5. 亜鉛空気二次電池への応用
6. まとめ
【質疑応答】
【キーワード】
ナノ粒子、分散
【講演ポイント】
講演者の専門分野は、ナノ材料科学と錯体化学である。ミクロ構造・マクロ構造を設計することで、二次電池の高速応答化を達成した。新たな電極設計指針について紹介していきます。
【第4講】 電力貯蔵技術としてのフロー型亜鉛空気電池の開発と展望
【時間】 17:15-18:00
【講師】シャープ株式会社 研究開発本部 グリーンイノベーション&デバイス研究所 第二研究室 室長 吉田 章人 氏
【講演主旨】
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、再エネ電力を安価に蓄えることを可能とする革新的な電力貯蔵技術への期待が高まっている。フロー型亜鉛空気電池は、充放電のために外部タンクから供給される活物質の反応を利用する電気化学デバイスで、原理的に「電力(W)」と「容量(Wh)」を分離することができ、活物質を蓄える外部タンクの容積を増やすだけで大量の電気を蓄えることが可能となる。本講演では、カーボンニュートラルに向けた社会を取り巻く環境とフロー型亜鉛空気電池開発の位置づけと共に、本電池システムの構成要素である放電および充電ユニットの開発状況について述べる。
【プログラム】
1.開発の背景
1-1 再生可能エネルギーの主力電源化における課題
1-2 求められる蓄エネルギー技術
2.亜鉛空気電池について
2-1 亜鉛空気電池の特長
2-2 二次電池としての実用化の課題
3.フロー型亜鉛空気電池の開発状況
3-1 フロー型亜鉛空気電池技術の構成と動作原理
3-2 発電部の開発
3-3 亜鉛再生部の開発
4.今後の展望
4-1 マーケット動向
4-2 想定ビジネス形態
4-3 環境価値
【質疑応答】
【キーワード】
フロー型亜鉛空気電池、蓄電池、電力貯蔵
【講演ポイント】
亜鉛空気電池の原理を元に、フロー型亜鉛空気電池の特長や狙いを解説するとともに、カーボンニュートラル社会の実現に向け新しい電力貯蔵システムを社会実装していくにあたっての課題についても解説する。
【習得できる知識】
亜鉛空気電池技術およびフロー型亜鉛空気電池技術内容
定置型蓄電システムの開発動向に加え、開発の現状、全体像について把握できる。