【講演主旨】
当講座では、【AIデータセンター、6G、EVに必要な特性】 【MLCCの材料・作製法・小型・大容量化】 【内部電極と外部電極】 【高信頼性】 に大別し、AIサーバーに必須なMLCC特性(DCバイアス特性、低ESL、特に電極材料(内部電極/外部電極)の製造技術と、積層セラミックコンデンサの高信頼性を詳細に解説する。
【技術背景】
AIデータセンターおよび高性能AIサーバーの急速な拡大は、電子受動部品、特に積層セラミックコンデンサ(MLCC)市場に対して、これまでにない劇的な構造変化をもたらしている 。AI処理の主流であるGPUやASICは、膨大な電力を瞬時に消費するため、電源ラインから半導体チップへの極めて高速かつ安定した電力供給が不可欠である 。この電源回路の平滑化とノイズフィルタリングを担うのが、GPU周辺に配置されるデカップリング用MLCCであり、急激な電力要求を瞬時に受け止める「小さな貯水池」として機能している 。
生成〖AI〗(人工知能)が空前のブームである。条件付き自動運転の「レベル3」、特定条件下の完全自動運転の「レベル4」といった高度な自動運転技術の普及が〖AI〗技術と相まって、自動車の自動運転はサイバー空間と現実世界(フィジカル空間)との融合を目指している。
これらの世界を実現するために、まず第一に高集積・大容量の〖GPU,CPU〗が必須であり、これらを安定に動かす受動部品の代表である積層セラミックスコンデンサ-〖MLCC〗は小型・大容量・高性能・省電力・高信頼化が進んできた。特に、 Ni内電MLCCはNi金属の低コスト化を特徴にして大容量・小型化が急激に進んだ。チップサイズは年々小型化し0201タイプ(0.2×0.1mm)10μFの実用化も始まっている。
一方で、生成〖AI〗(人工知能)サーバー向けに1608タイプ(1.6x0.8mm)の100μFの大容量MLCCの量産も発表された。Ni内電MLCCの内部電極切れ(Line coverage)が信頼性・製造プロセスと絡んで、コンデンサ容量(C)を増大させることが認識され、Sn-Ni MLCC、AI―Ni MLCCなど内部電極の検討されてきた。
【講演のポイント】
MLCCの高積層化技術と、それに伴って生じるトラブル、解決方法を歴史から始まって最新情報まで解説する。
【習得できる知識】
①積層コンデンサ (MLCC) 材料の基礎から応用まで
②MLCCの高積層・高容量の技術
③MLCCの内部電極・外部電極の全て
【講演のキーワード】
AIデータセンター、DCバイアス特性、低ESL、高積層、高容量、内部電極、外部電極
【プログラム】
1. AIデータセンター・6G・EV車用 積層セラミックコンデンサ(MLCC)の必要な特性 1.1 移動通信システムの進化
1.2 自動運転のレベル分け,AIとの結合
1.3 画像再生AI,音声・動画再生AI,Physical AI
1.4 MLCCの温度特性:車載用/生成AIには
1.5 Samsungの高容量MLCCの紹介,AIサーバー用 GPU モジュール高容量 MLCCの紹介
1.6 PDN設計-AIサーバーの電力供給5階層
1.7 AIサーバーで問題となるMLCC特性,DCバイアス特性,電極構造の改善
1.8 コンデンサのDCバイアス特性 MLCC(COG,X5R,Y5V)シリコンキャパチシター
1.9 低ESL電極の試み(GMR, LLL,LLA, LLM),3端子MLCC, 通常,逆構造,3端子MLCCの相違
1.10 AIサーバの電力事情,マートホンに搭載される電子部品の個数MLCCの自動車搭載個数, MLCCの世界ランキング
1.11 何故AIサーバで大量のMLCCが必要か,ALサーバー/データセンター用途におけるMLCCの信頼性と環境条件
1.12 EMC対策の4手法 EMC対策の4手法 スマートフォンにおける自家中毒というノイズ問題。
1.13 自動車用の電子機器住み分け,車載用セラミックコンデンサ種類
1.14 MLCCのサイズの変遷(民生用) 民生用と車載用/生成人工知能(AI)MLCCのサイズ比較
1.15 MLCCの温度特性:車載用/生成AIには
1.16 AIサーバー時代におけるMLCCの新規格 X7R-X7S-X7T
1.17 Class 1 vs Class 2 MLCCの温度特性/DC特性/温度上昇
1.18 スマートホンに搭載される電子部品の個数 MLCCの自動車搭載個数 AIサーバーに搭載されるMLCCの数
1.19 MLCCs世界ランキング AIサーバー用MLCCの場合は
1.20 中国に見るセラミックス産業の未来
1.21 コンデンサなのにLCR~ 等価回路で考える ~
1.22 L キャンセルトランスの登場 コンデンサのESLを減じてコンデンサの個数を減らす
2. 積層セラミックコンデンサ(MLCC)の材料・作製法・小型・大容量化 2.1 積層セラミックスコンデンサの構造
2.2 材料から見たBaTiO3+希土類+アクセプタ+固溶制御材
2.3 信頼性向上/希土類添加BaTiO3系誘電体の開発
2.4 重希土類を使わないMLCCの開発,Y2O3(重希土) からLa2O3(軽希土)へ
2.5 MLCCの小型化、容量密度の進化、誘電体層薄層化の進化
2.6 積層セラミックスコンデンサの進展方向
2.7 大容量MLCCの(100μF)の実現 誘電体層・電極厚みの変遷
2.8 Ni-MLCCの製造プロセス、グリーンシートの技術動向
2.9 高信頼性MLCCに必要なこと、コア・シェル構造の重要性
2.10 コア・シェル構造とプロセスの関係 コア・シェルの構造制御
2.11 薄膜用MLCCのBaTiO3に求められる特性(水熱合成法)
2.12 固相法によるBaTiO3の微細化, 粉砕技術,ビーズミル (解粒),分散,分級
2.13 低温劣化性耐性と超高靭性を有すCa添加ジルコニアセラミックス YSZ(イットリア添加ジルコニア)を超えることができる
2.14 静電吸着・静電集積 造粒焼結法
2.15 水蒸気固相反応法、BaTiO3の低温反応、水で加速する室温固相反応 (BaTiO3),Cold Sintering
2.16 新しい微粒子作製と特徴(コーテイング) ケイ素酸化物(SiO2)コートα-Fe2O3 ケイ素酸化物(SiO2)コートAg
3. MLCCの内部電極・外部電極 3.1 積層デバイスに用いられる電極,Ni内部電極
3.2 Ni内部電極向上のために,
3.3 高積層・高容量MLCCのためのNi内部電極用Ni微粒子、供材
3.4 2段焼成法のNi内部電極の効果,カバーレッジの向上
3.5 Ni内部電極の成形メカニズム (膜断面の観察), Ni内部電極の連続性 (カバーレッジ) 向上のメカニズム
3.6 Ni電極向上のために (Ni微粒子径、粒度分布、供材添加), Ni微粒子への添加効果 (Ni-Cr, Ni-Sn)
3.7 MLCC内部電極のプラズマ法によるNi微粒子作製
3.8 Ni内部電極の連続性の向上
3.9 MLCCの内部電極/低焼成収縮率 (Delaying Low Temperature Shrinkage)
3.10 Ni電極の酸化/Ni層とBaTiO3層の界面輸送
3.11 Al添加,Zr添加,Ni電極の低焼成収縮率
3.12 Sn添加Ni MLCCの信頼性向上
3.13 In添加Ni MLCC の信頼性向上
3.14 MTTFによるNi MLCCとIn MLCCの信頼性の違い
3.15 MLCCの内部電極の変遷
3.16 MLCC外部電極, Cu/Ni/Sn. Cu/Resin/Ni/Sn, Cu/Ni/Sn
3.17 MLCCのCu外部電極用ガラス
4. 積層セラミックコンデンサ(MLCC)の高信頼性 4.1 BaTiO3の絶縁性 絶縁劣化メカニズム
4.2 MLCCの信頼性評価
4.3 故障とは
4.4 積層セラミックコンデンサの耐用年数(寿命)
4.5 MLCCの電気的特性評価(HALT)
4.6 温度がMLCCの絶縁破壊に及ぼす影響,まず実験値
4.7 ワイブル分布解析
4.8 MLCCの寿命に対する複合応力(V,T)の影響の解析へのアレニウスモデルの適用
4.9 TTF-故障までの時間 ワイブル分布表示
5. 付録 積層セラミックコンデンサ(MLCC)の高信頼性の続き 5.1 導電体の導電メカニズム
5.2 リーク電流―時間依存性
5.3 ショットキー電流とプールフランケル電流
5.4 Cu-MLCCとNi-MLCCのリーク電流特性の違い
5.5 劣化時の電流の変化について
5.6 熱刺激電流/酸素欠陥の評価法
5.7 交流インピーダンス・等価回路法による評価
5.8 圧電応答顕微鏡による表面電位測定(KFM)
5.9 MLCC素子断面のKFM評価(抵抗値の可視化,電位分布,酸素欠陥の移動)
5.10 高信頼性MLCCの材料設計に向けて(電極界面,粒内,粒界)
※受講料の振り込みは、開催翌月の月末までで問題ありません
※前日のお申込みでも対応させていただきます(早めにご登録いただけると助かります)
※講演日にご参加が難しい場合は、録画視聴をご案内しますのでご相談ください
2名目様からは一律・22,000円で受講できますので、是非、ご検討ください!